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2022.07.08

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人材育成における動画マニュアルの活用法 実映像を使った動画マニュアルの利点と弊社実例

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    通信環境の整備・向上や、スマホといったデバイスの普及により、動画は見て楽しむものから、個人が制作・公開できるものへと変わってきています。YouTubeやTikTok、Instagramなどには多くの動画が溢れています。

    もちろん企業広告で使われているような動画と、個人がスマートフォンで撮影した動画まで、クオリティはさまざまです。それでも共通して言えることは、動画自体が、今や情報発信や知識補充の主流になってきているということです。

    YouTubeだけで考えてみても、エンターテインメント的な動画だけでなく、ハウツーや知識を共有する動画も多く公開されています。DIYや料理のレシピなどは、どなたも一度は検索されているのではないでしょうか。

    分からないことはネット検索で、は当たり前の時代になっていますが、今日では、最初から動画に絞り込んで検索する人も少なくないようです。動画であれば、実物を見ながら解説を聞くことができ、効率よく理解できるためです。また、そういったニーズに応えるために、知識を共有する動画を制作し、公開する人も増えているのではないでしょうか。


    1. 人材教育における動画マニュアルの活用のメリット

    人材育成においても、動画を活用した教材が隆盛です。例えば、ベテランの熟練した「ワザ」など、属人的になりがちな情報や技術は、退職などによって失われてしまいます。それらを失うことなく受け継ぎ、後続に伝承したい、といった場合に、動画マニュアルは大変有効な手段です。

    ベテランの動きや道具の使い方は、言葉だけでは表現しきれません。一方、実際の動作や操作を録画し、適宜解説などで補うことで、見て学べる教材として残しておけます。また、動画形式のデータになっていれば、オンラインでの共有や配信にも対応しやすくなります。

    一般的に、動画はデータ容量が大きくなる傾向がありますが、通信環境が整った現在では、それほど深刻な足かせとはなりません。むしろ映像だからこそ、細かな部分まで確認・保存しておける媒体として利活用されています。さらに、そこへ解説を加えることで、より理解しやすい、記憶に残る有用な教材となり得ます。言葉だけでは説明しにくいニュアンスも、動画であれば直感的に理解できます。

    あれこれ考えるよりも、まずは手本となる動画を模倣しながら学ぶ、動画から読み取れる状況を把握して理解する、こうした学びの形が動画によって実現できます。

    もちろん題材にもよりますが、技術習得・継承に関しては、手順などを言葉で示した紙マニュアルなどに比べて、動画を活用したマニュアルの方が、有効と言えるでしょう。

    上記で述べたとおり、動画マニュアルは、実際の動作をそのまま記録し閲覧できる点が大きなメリットです。技術の習得が必要なモノづくりの現場だけでなく、例えば、小売業の現場オペレーションを習得する場面でも有効です。

    小売業では、業種を問わず、ひとりの人が業務を覚え、独り立ちするまでに、覚えるべきことは山ほどあります。使用するシステムや機器の操作方法、日々の業務手順といった膨大な情報を、限られた時間で覚えなければなりません。

    そのような場合にも、動画マニュアルを活用すれば、重要な情報を効率よく伝えることができ、効果の高い学習が期待できます。例えば、商品補充や陳列の仕方、製品の扱い方などを、動画マニュアルとして提供すれば、視覚的な学習ができます。視覚情報が中心となるため、多くの解説は必要とせず、文字や言葉の量を抑えることができます。

    逆に、映像を使わず、言葉だけで説明した場合はどうでしょう。学習者の数だけ、それぞれ異なった解釈をしてしまうかもしれません。そのような状態では、いざ実践したときに、対応にバラツキが出てしまい、結果としてマニュアルどおりの行動ができない、ということになります。

    その点、動画マニュアルであれば、模範演技を見て学習できます。動画で説明されている手順、および動作と同じように実践することで、学習者はマニュアルが意図する理想の形に近づけるのです。

    ここで述べているのはあくまでも一例ですが、学習する題材によっては、講義などで詳しい解説を聞くよりも、実際に目で見て学習する方が適しており、より学習者の理解度が高まることがあるのです。

    筆者もそうなのですが、文字を目で追うことが苦手な方は、動画で学習した方が記憶に残りやすいという利点もあると思います。

    2. 動画マニュアル制作事例

    ここでは、弊社が手掛けた動画マニュアルの事例をいくつかご紹介します。どの動画マニュアルも、映像ならではの、理解しやすく感覚で学ぶことのできるマニュアルとなりました。まさに「百聞は一見に如かず」で、業務方法や手順を習得する際に、視覚情報をそのまま直感的に学習できる、効果的なマニュアルとしてご活用いただいています。

    2-1 【事例1】工事車両点検方法学習動画マニュアル

    最初にご紹介するのは、大手電機会社様のご依頼で制作した工事車両点検マニュアル動画です。このお客様は、業務習得のための事前学習には、紙媒体のマニュアルを使用していましたが、学習者の理解をスムーズにするために、動画を活用したマニュアルを準備することになりました。

    完成した動画は、以下のような内容です。

    実際の車両を様々なアングルで撮影し、操作機器の説明や実際の点検方法などを動画で解説しています。

    また、点検の重要性を理解してもらうために、実際の事故をドラマ仕立てで再現し、注意喚起や事故による深刻な影響などを伝えています。実際の現場写真や報告書なども示しながら、リアルに感じてもらい、事故から教訓を得、災害を風化させず、今後に活かすことができる動画マニュアルとなりました。

    2-1-1 動画マニュアル作成における絵コンテの重要性

    絵コンテは、できあがる動画全体のシナリオであり、工程全体に関わります。絵コンテを作成することで、動画マニュアルの全体像を把握できます。また、何をどんなアングルで撮影するかが明確になるため、効率よく撮影するためにも重要です。

    撮影後の動画編集の工程で必要な、演出、テロップ、映像とナレーションとのタイミング、諸々の情報は、絵コンテにすべて掲載されています。このように、絵コンテは、動画マニュアル制作において非常に重要な要素です。

    では、絵コンテには具体的にはどのようなことが書かれているのでしょうか。

    絵コンテを作成するには、まず、全体のストーリーを先に決めます。その後、各シーンの内容を考案していきます。

    画面に映される動画のイメージは必須です。この案件では、点検項目(箇所、動作)をラフイラストで描き、各場面で強調すべきポイントや、ナレーションとして入れる解説をテキストに起こしていきました。

    ナレーションの言い回しは、プロのシナリオライターが執筆しますが、学習者に訴えたい重要ポイントや言葉の使い方などは、実際の現場に携わっている、お客様側の担当者に確認して文言を整えます。教えたい側の意図が絵コンテに盛り込まれているか、大切な要点が強調されているかなどを関係者全員で確認し、ブラッシュアップしていきます。これらの工程を経て絵コンテが完成すると、ようやく現場での撮影へと進むことができます。

    2-1-2 制作ポイント2 文字や静止画だけでは伝えられないことを映像で確実に表現

    職人の技をそのまま映像に
    絵コンテに沿って、実際の作業車両の点検や操作作業を撮影していきます。

    撮影は、原則絵コンテどおりに進めます。しかし、現場の方の説明を受けながら撮影していると、予定外のアングルや、絵コンテに含まれていない作業の追加について、ご意見やご要望をいただくことがあります。

    したがって、撮影工程に入っても、絵コンテに手が入ることは珍しくなく、むしろ貴重なご意見を取り入れながら、ブラッシュアップは継続されます。

    撮影は、現場の方から、学習上の重要ポイント(機器の箇所など)をその場で指示していただき、何パターンかのカメラアングルで進めます。これは、編集時に、より理解しやすい映像を選定するためです。複数のアングルで撮影し、それらを駆使して解説することで、実際の体の向きや手を付く位置など、細かい部分まで確認できるようになり、理解が深まります。

    また、この案件では扱う機器が大型ということもあり、実際の力の入れ方や体重の掛け方なども伝わるよう撮影しました。このように、細かな部分まで理解できるよう工夫することで、言葉を尽くさずとも、直感的に理解しやすく、学習効果の高いマニュアルへと仕上がっていきます。

    例えば、機器のつなぎ目の汚れやオイル漏れ点検の様子、機器の接続部のチェックなどを動画で示すことで、点検時の判定基準のレベルについて、感覚を養えます。また安全点検時の作業員の動きを引きのアングルで記録することで、車両との距離感や立ち位置などもイメージしやすくなっています。

    このような内容を含めた動画マニュアルは、現場作業で活用いただき、学習した人が現場にスムーズに順応する一助となっています。

    2-2 【事例2】実店舗スタッフ対応動画マニュアル

    次にご紹介するのは、靴の販売を全国展開している企業様からのご依頼です。店舗で活用いただく動画マニュアルの制作を行いました。

    多くのケースでは、店舗で使用する動画マニュアルでは、店舗スタッフの接客、商品補充や在庫管理などが中心になりますが、この案件では、靴のメンテナンスについても取り扱いました。

    2-2-1 香盤表を使いながら演者に任せることで熟練技術を正確に描写

    本案件では、店舗スタッフの方に実際に出演していただき、その動作を撮影しました。もちろん、演者となっていただく方は熟練の方です。したがって、細かな動作を改めて指示する必要はなく、絵コンテの制作は割愛しました。

    代わりに準備したのが「香盤表(こうばんひょう)」です。香盤表とは、ドラマの撮影などでも用いられるスケジュール表のようなもので、各シーンをどの順序で撮影するか、使用する道具やアングル、誰が何を行うか等のメモが記載されています。

    例えば、登場人物の一日を描く場合、自宅→通勤路→会社→通勤路→自宅、のようにシーンが切り替わりますが、時系列で撮影していては、セットや衣装をその都度変えなければならず、非効率です。それを解消するために香盤表を作り、自宅や通勤路など、同じセットが必要なシーンをまとめてスケジューリングしたり、必要な小道具に漏れがないようにしたりしています。本案件では、同じ道具を使用する撮影を集約するなど、香盤表を使って効率よく進めました。

    そして、動作は基本的に演者の方に「お任せ」しています。靴メンテナンスの細かな“手の動き”については、お手本となる演者の動きがすべてです。まさにこの動画は、演者の動きに掛かっているのです。熟練した演者の”手の動き”をそのまま記録に収めながら進めていきます。

    2-2-2 実演動画であることの意義

    靴のメンテナンスに関しては、紙マニュアルも存在し、写真やイラストを使い、丁寧に説明されています。

    しかし、熟練の方に実演していただいた動画マニュアルでの学習には、より大きな効果が期待できます。

    靴クリームの塗り方、ブラシの入れ方、靴の持ち方、目線の合わせ方などは、実演動画であれば一目瞭然なのです。学習者は、お手本となる一連の動作をそのまま見て学ぶことができ、より高い学習効果が望めます。

    たとえば、本案件では防水スプレーの効果性を検証する動画を作成しました。防水スプレーを施した革素材と防水していない革素材とを準備し、効果を比較する、というものです。ECサイトなどでは、水を掛けた後の素材の比較写真が表示されていたりしますが、動画であればさらに訴求力を上げられます。つまり、実際に水を掛けるところから再現し、どのような効果が発揮されるかを示すことができます。

    でき上がった映像では、どれくらいの量の水が流れて、水をどれだけ弾いているのか、周りに飛び散った水の状態はどうなっているか、一目瞭然です。結果だけでなく、過程も見せることで、防水スプレーの効果を実感しながら学習できます。映像を通じた体験は、説得力のある接客に活用してもらえます。このような学習効果も、動画マニュアルの利点と言えます。

    もちろん店舗スタッフの方にとっては、靴のメンテナンス方法を習得するだけでなく、メンテナンスがいかに重要で、なぜ行う必要があるのかを理解していただき、靴に対する愛着を持っていただけるような動画マニュアルになりました。

    完成した動画マニュアルを使って学習する店舗スタッフの方々は、靴の販売に必要なノウハウやメンテナンスの技術、さらには扱っている製品のすばらしさを実感することで、熱い気持ちで、接客に臨んでいただいています。

    2-3 【事例3】実店舗スタッフ教育用動画マニュアル

    この事例では、コンビニエンスストアの店舗スタッフの接客や商品の取り扱いを動画マニュアルにしています。もちろん、コンビニエンスストアの業務を学習するうえでも、動画マニュアルは大きな学習効果を発揮します。

    コンビニエンスストアでの業務は、多岐にわたります。レジでの接客、品出しや陳列、惣菜の製造や宅配便の受取り、支払代行サービスや各種チケット販売、最近では、納税支払いまでも取り扱うようになっています。コンビニエンスストアのスタッフさんは、数多くの業務を、短期間で習得しなければなりません。

    お客さまからは、必要な業務を効果的に、かつ短い時間でスタッフさんに習得してもらいたいとのご要望をいただき、動画マニュアルを制作することになりました。

    2-3-1 動画マニュアルは外国人労働者の教育に有効

    元々作られていた業務マニュアルは、イラスト入りで分かりやすく説明されており、理解しやすいものになっていました。新しく雇用された方が、短い時間で業務内容を習得し、実店舗で働いていただけるように工夫して作られています。

    マニュアルが整備されていながら、敢えて動画マニュアルを準備する理由は何だったのでしょうか。案件を開始する際のヒアリングで、担当者様から返ってきた言葉は、外国人労働者へのケアというものでした。

    実感されている方も多いと思いますが、近ごろでは、コンビニエンスストアの店員さんにも外国の方が増えています。皆さん日本語の能力は充分で、接客にも問題はないものの、言葉のニュアンスなどによる齟齬が生じ、意図が通じにくいシーンは少なくないようです。

    日本人には、文脈や経験値によって、比較的すんなり理解できることがらであっても、外国の方には理解が難しいことは意外と多くあるようです。また日本語の能力が充分であっても、仕事として携わるには、専門用語や業界用語は避けて通れません。

    そのような障壁をできるだけ排除したいというお客様の意図により、言葉に頼らず学習を進められ、効果の大きな動画マニュアルを準備することになったとのことでした。

    確かに「百聞は一見に如かず」と言うとおり、動画マニュアルは、「見れば伝わる」教材です。言葉による解説には頼らず、実演技の動画が中心となるため、特に外国人労働者の教育には大変有効です。近年の外国人労働者の増加に伴い、動画マニュアルがますます活用されていることが実感されました。

    2-3-2 動画だから接客の微妙なニュアンスでも理解できる

    ご担当者様からヒアリングさせていただいたことですが、日本の店員の接客態度は、世界でも群を抜いて非常に良いとの評判を得ているそうです。しかし、外国の方には、そのような接客業務を理解してもらうことが難しい場合もあり、そこまでする必要があるのか、といった疑問を持たれてしまうこともあるようです。

    例えば、商品をレジ袋に入れる順序だけでも、国や文化の違いが表れるとのこと。底の方に入れたパンが潰れた、尖った物や硬い物が袋を突き破った、袋の中で荷崩れが起こり、商品があふれ出た、など「事故」は日常茶飯事とのことでした。そういった「事故」を避けるために、動画マニュアルで模範演技を見てもらうと、よりスムーズに、正しい方法を理解してもらえるようです。商品を袋に入れる時の向きや角度など、微妙なニュアンスも、動画であれば解釈による齟齬を生まず、理解しやすくなります。例えば、牛乳パックを横置きで、レジ袋が割けない向きで入れる方法などは、動画だからこそ伝わる内容でした。

    ひとつひとつの動作について、押さえておくべきポイントを見て学ぶことができるのも、動画マニュアルの大きな利点です。

    2-3-3 動画と静止画のハイブリットで理解色を高める工夫を

    この案件では、動画の中で、イラストや静止画も用いました。具体的には、特にポイントになる箇所では、テロップを挿入して際立たせています。

    この企業では、店舗で青果も取り扱っており、商品の新鮮さはセールスポイントのひとつです。そのため、扱う商品の状態は常に確認し、判断しなければなりません。この動画マニュアルでは、商品に問題がない状態と撤去すべき状態を、写真で比較しています。動画とナレーションで説明することもできますが、注意点・重要ポイントを学習する場面や、商品の善し悪しの判断基準を学習する場合には、あえて静止画像を用いました。

    例えば、野菜の全体像を写真で見せ、さらにさまざまなアングルでポイントを解説します。静止画像は、動画よりも視覚から得る情報が少ないため、それを利用して要点を目立たせることができます。そのため、学習者は対象物をじっくり観察できます。また、注意事項などは箇条書きで表示し、重要なポイントをより強調し、文章としても定着させられるようにしています。

    このように動画を見て、解説を聞き、静止画を観察し、文字で補完することで、業務に必要な情報を十分に学べる教材を作成しました。

    3. 動画マニュアルの活用についてのまとめ

    動画マニュアルは、さまざまな業種で活用されています。もしかすると、中には、動画であることの必然性がない、などというケースもあるかもしれません。

    これから動画マニュアルの制作を検討される場合は、制作期間やコストも含め、どのような形式で作成することが適切かを見定めることが重要です。

    紙マニュアルとして冊子を作るのか、PDFなど電子媒体でデータを配布するのか、など、動画に関わらず、マニュアルの活用方法や用途をよく考えて検討しなければなりません。制作方法によっては、外部リソースの活用も視野に入れる必要があります。

    > 動画マニュアル制作サービス(https://www.science.co.jp/document/movie.html

    吉田 健介

    執筆者:

    吉田 健介
    教育ソリューション部 制作グループ
    制作ディレクター/ ラーニングコンサルタント
     ・eラーニングコンテンツ制作ディレクター 経験15年
     ・Flash to HTML5案件、LMS構築を含む大規模案件に従事
     ・その他、映像を駆使した動画コンテンツ制作、動画コンテンツの多言語化に従事
     ・ラーニングコンサルタント(eLC認定 e-Learning Professional)

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