2023.09.20
eラーニング動画の種類別作成のポイントとメリットをご紹介
eラーニングと動画教材の組み合わせは、より高い学習効果が期待できる方法の一つ。
インタラクティブな学習を提供するeラーニングと、豊富な情報を直感的に把握できる動画教材の相性は抜群で、学習者のモチベーションアップや理解力の向上に貢献します。
このブログでは、動画教材を利用するメリットや教材の種類、作成する際の注意点など、実践的な内容を含めた多角的な視点で動画教材の魅力を探求。「eラーニング×動画教材」の可能性を掘り下げてみたいと思います。
※本ブログにおける「動画」とは、実写以外にもモーショングラフィックスやスライドショーなど「動きのある映像全般」を指します。
1. eラーニングで動画教材が浸透した背景
eラーニングで動画教材が利用されるようになった背景には、さまざまな要因が影響しています。以下に主なものを挙げてみました。
(1)インターネットの高速化
現在は高速インターネットが一般的になり、高品質な動画ストリーミングが可能になりました。これにより、eラーニング上で動画教材を効果的に提供できる環境が整いました。
(2)スマートフォンなどのモバイルデバイスの普及
スマートフォンなどの普及により、時間や場所を問わず、いつでもどこでも学習できるようになりました。動画教材は、さまざまなモバイルデバイスで簡単にアクセスできるため、学習者の多様な学習スタイルに対応することができ、需要が高まりました。
(3)人々の習慣になった「動画視聴」
インターネットの高速化やモバイルデバイスの普及により、YouTubeやNetflixなどの動画プラットフォームやSNSなどで動画を楽しむことが習慣となり、動画は人々の生活に欠かせないものになりました。そのため、「動画で学ぶ」という行為は受け入れやすく、興味や関心を惹くため、動画教材の普及・拡大につながったと言えます。
(4)動画教材の作成ツールが増加
eラーニングの需要とテクノロジーの進化により、LMS(Learning Management System)内のビルトインツールやスクリーンキャストソフトウェアなど、動画教材を手軽に作成できるツールが増えました。これにより、動画教材が多様な分野で活用されるようになりました。
このような要因が組み合わさり、eラーニング上でも動画教材が一般的に使われるようになりました。「動画で学ぶ」ことは、学習への意欲を高める強力なツールとして、今後もますます重要性を増していくと考えられます。
2.動画教材を使うことのメリット
現代の“動画文化”によって動画教材は普及し、数多くの企業や教育機関で活用されるようになりました。さらに、動画教材が一般的になった要因として、動画教材が持つさまざまなメリットが考えられます。この章では、そんな動画教材のメリットを解説していきます。
(メリット.1)視覚的な情報伝達で学習効果アップ
映像と音声が組み合わさった動画は、情報を視覚的かつ聴覚的に伝えることができます。特に視覚情報は記憶に残りやすく、理解が深まりやすいため、学習効果の向上が期待できます。
(メリット.2)複雑な情報も分かりやすく伝えられる
抽象的な概念や複雑なプロセスも、動画で解説することによって、より分かりやすく理解できるようになります。実写やアニメーションを使用し、具体的な例を明確に示すことが可能なため、情報の定着や理解度の向上が図れます。
(メリット.3)学習者の興味関心を惹きつけられる
視覚的な魅力を持つ動画教材は、動きや演出を盛り込むことで、学習者の興味関心をより惹きつけることができます。その結果、学習することが楽しくなるため、学習へのモチベーションも高まります。
(メリット.4)インタラクティブな要素が組み込める
動画教材は、クイズやアンケートなどのインタラクティブな要素を組み込むことができます。学習者が能動的に参加し、現状の理解度を確認できるため、より効果的な学習が可能になります。
(メリット.5)フレキシブルな学習環境を提供できる
スマートフォンやタブレットを利用すれば、いつでもどこでも動画教材にアクセスすることができるため、学習者は自分のペースで学習することが可能です。通勤中や待ち時間などのすきま時間を活かし、“暇つぶし感覚”で学びに触れる機会を与えます。
(メリット.6)コンテンツの修正や更新が容易
動画教材はデジタル形式なので、修正・更新した後の再配布が比較的容易です。最新の情報やトレンドなどに合わせて、教材を常に最新の状態に保つことができます。
(メリット.7)統一性を保つことができる
すべての学習者は同じ動画教材を視聴し学習します。つまり、学習の質や内容の均一性を高めることができます。
これらのメリットから、動画教材はeラーニングにおいて、有効な教育手法であることが分かりました。学習の質や学習効果の向上に貢献し、効率的かつ効果的な学びを実現する動画教材に期待が高まります。
3.動画教材で学習効果が期待できるジャンル
さまざまなメリットを備えた動画教材ですが、どのようなジャンルを学ぶときに有効なのでしょうか。特に学習効果が期待できる学習ジャンルをまとめてみました。
■ デモンストレーションや操作解説
製品やソフトウェアの使用方法を学習する場合、動画教材は特に効果的です。操作手順や機能解説などの複雑な情報も、動画で視覚的に表示することで、学習者は実際の手順を把握しやすくなります。
■ 言語学習
多種多様な言語の発音や会話の模範例を動画教材で示すことで、学習者は正しい発音やジェスチャーを感覚的に修得し、リスニングやスピーキングのスキルを向上させることが期待できます。
■ 身体的な動作トレーニング
スポーツやフィットネス、芸術、調理手順など、身体的な動作を学ぶ際も動画教材は有効です。実際の動きを動画で見せることで、学習者は動画を真似ながら練習できます。
■ テクニカルスキル
プログラミングやデザインなど、実践的なテクニカルスキルを学ぶ場合も、動画教材が役立ちます。言葉だけでは理解しにくい複雑なテクニカルな内容も、実際にデモや実演の動画を視聴することで理解しやすくなります。
■ 複雑な知識の学習
専門的な知識や抽象的な概念などを学習するケースでは、文字だけでは理解しにくい情報を視覚的に把握しやすくなります。アニメーションやグラフィックスを使った動画教材が、学習者の理解を促します。
■ 実地研修やフィールドワーク
実地研修やフィールドワークを行う際も、動画教材は有効な補完ツールとして機能します。事前に動画教材を活用し基本的な知識を身につけることで、現場での理解が深まり、効率的な学習につながります。
視覚的な理解が促進される動画教材は、「百聞は一見にしかず」ということわざの通り、
言葉を尽くして説明をしなくても、そのもの自体を示しながら学習できるため、多くの教育ジャンルで活用されています。
4.動画教材は大きく分けて3タイプ
動画教材を分類すると、大きく3つのタイプに分かれます。タイプによって、メリット・デメリットがあり、また、向いている題材なども異なります。
それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
〈タイプ1. 資料型〉
パワーポイント形式やPDF形式の資料データを動画教材として活用するのが「資料型」です。原稿の作成開始から配信までが比較的短期間で済み、その分コストを抑えることができます。そのため、更新頻度の高い教材や素早く周知したい事項の共有に向いています。
※資料型の教材の作り方は、こちらのページで詳しく解説しています
〈タイプ2. 映像・ビデオ形式型〉
ビデオカメラやスマートフォンで撮影した映像をベースに、補足説明として字幕やキャプションを挿入し、動画教材にしたものが「映像・ビデオ形式型」です。主な例として、講師が講義をしている様子を撮影し、教材として配信するなどが挙げられます。動画ファイル形式なので、パソコンやスマートフォンといったメディアを選ばずに学習できる点も魅力です。
※映像・ビデオ形式型の教材の作り方は、こちらのページで詳しく解説しています
〈タイプ3. 映像・アニメーション型〉
キャラクターやイラストを使って解説を行う「アニメーション型」は、豊かな表現力を活かし、無形サービスや経営理念、事件・事故事例など、抽象的な事項や再現が難しい部分を分かりやすくアピールすることができます。また、受講者が教材内で操作を行うクイズやシミュレーションなど、インタラクティブな要素を盛り込むことも可能です。
5.eラーニングで動画教材を作るときのポイント
ここまで読んでいただいた方は、動画教材の魅力に触れ、実際に作ってみたくなったのではないでしょうか。動画教材を作成する際には、いくつかのポイントを頭に入れておく必要があります。以下のポイントを考慮し、質の高い動画教材を作成しましょう。
(ポイント.1)ターゲットオーディエンスを明確に設定
動画教材は学習者個人が直接視聴するため、ターゲットオーディエンスのニーズやレベルを理解することが求められます。学習者の背景、前提知識、学習スタイルなどを考慮し、内容や言語などを適切に設計しましょう。
(ポイント.2)短くてシンプルなコンテンツに
長すぎる動画は学習者の集中力を損なう可能性があるため、動画教材は短くて分かりやすいものが効果的です。一つの動画に情報を詰め込みすぎず、重要なポイントを明確にし、無駄のない内容を提供するように心がけることが大切です。
(ポイント.3)デザインや音声にも気を配る
動画のデザインにも配慮しましょう。グラフ、図解、アニメーションなどを上手に組み込み、内容を視覚的に補完することが重要です。また、音声や映像のクオリティにも注意し、効果的な学習につながるよう意識しましょう。
(ポイント.4)インタラクティブな要素をプラス
動画教材にインタラクティブな要素を加えることで、学習者の意欲を高め、学習の定着を促す効果も期待できます。クイズや演習、アンケートなどの参加型コンテンツを挿入し、学習者に“理解度を確認する機会”を提供することもおすすめです。
(ポイント.5)モバイルへの対応
移動中やすきま時間を学習に充てる方も多いため、動画教材は、モバイルデバイスでも快適に視聴できるようにしましょう。画面サイズやレスポンシブデザインに注意し、学習者が快適に学べる環境を提供することが重要です。
(ポイント.6)多彩なバリエーションを用意
単調な動画教材では学習者の興味を惹きつけたり、集中力を持続させたりすることが難しい場合もあります。例えば、シナリオやストーリーテリングを取り入れるなどして、バリエーション豊かなコンテンツを用意してみるのはいかがでしょうか。“魅せる”コンテンツにより、学習者は飽きることなく、意欲的・継続的に学習に取り組むことができるでしょう。
(ポイント.7)レビュー&テストで、質の高い動画教材に
動画教材の制作が完了したら、不備や誤りがないかを確認するためのレビューとテストを実施しましょう。また、さまざまな人に視聴してもらい、フィードバックを取り入れて、修正を行うことも大切です。このようなチェックを繰り返すことで、より質の高い動画教材を提供することが可能になります。
eラーニングで動画教材を作成する際は、学習者の視点に立ち、内容の質と分かりやすさを追求することが重要です。配慮と工夫を持って制作することで、効果的な学習体験を提供し、学習者の成果を最大化しましょう。
6.まとめ
eラーニングにおいて動画教材を活用することは、学習者の理解と興味関心を高める上で重要な役割を果たします。ただ、動画教材は視覚的な理解を高める手段として有用ですが、学習のバランスを保ち、より効果的な学びを実現させるためにも、さまざまな教材を組み合わせることも大切です。
ヒューマンサイエンスでは、eラーニング教材制作の豊富な実績があります。プロジェクトの進行管理のノウハウを活かし、eラーニングの企画や設計から支援します。各プロジェクトには、経験豊富な専任のプロジェクトマネージャが割り当てられ、専門のコンサルタントチームが納品までしっかりとサポートします。教材制作のお悩みがありましたら是非お気軽にご相談ください。
各サービスについては、下記よりご覧ください。
> Moodle導入支援・運用
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