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2023.03.02

Moodle

Moodleのクラウドサービスのメリットと注意点

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    Moodle導入支援・運用サービス
    eラーニング教材制作サービス


    1. Moodleの概要

    Moodleは、ライセンス料無料のオープンソース型オールインワン学習プラットフォームです。2023年2月の時点ですが、Moodle HQの統計によるとサイト数16万以上、ユーザー数3億以上、240カ国・地域で利用されています。まさに世界最大規模の学習プラットフォームとなっています。ヨーロッパや日本の大学ではシェアNo.1です。それに加え、教育現場だけではなく世界中のグローバル企業、政府機関その他の組織にも広く導入されています。

    大きな特徴は、世界中の開発者が開発したプラグインがあることです。プラグインとは、ソフトウェアに機能を追加するためのプログラムのことです。学習の目的や管理者・受講者のニーズに合わせた機能を豊富なプラグインの中から探し出すことができます。次のMoodleの公式サイトから確認してみてください。
    > https://moodle.org/plugins/

    また、使いやすいエディターも搭載されていて(HTMLエディター、Attoエディター)、画像や動画も簡単に入れ込むことができるので、簡単に教材を作成できます。さらに、スマートフォンやタブレットに対応しているので、場所にしばられずに受講者はいつでもどこでも快適に講義を受けることができます。

    Moodleが世界中で選ばれ続ける最大の理由は世界標準のLMS(※1)であること、つまり世界中の大学、その他の組織によって磨き上げられ、標準化されたシステムであるという実績にあります。世界標準システムを使用し、システムに合わせた組織改革を行うことで組織の仕組みや在り方を見直し、国際競争力を向上させることが可能となります。

    詳細は下記リンクに記載しておりますので是非ご覧ください。
    > 【Moodle基本講座】Moodleとは?
    > 【Moodle基本講座】eラーニング学習管理システムのMoodleって何ができるの?
    > 【Moodle基本講座】Moodleのデフォルト機能でできること

    ※1 LMSとは、Learning Management Systemの略称で、日本語では学習管理システムと訳されています。LMSはeラーニングで必要な受講者や教材、進捗、成績等の情報管理を一元的に行うシステムです。


    2. オンプレミスとクラウドについて

    Moodleを導入する方法は大きく分けて「オンプレミス」と「クラウド」の二つになります。それぞれの概要を簡単にいうと下記のようになります。

    ■オンプレミス
    サーバーやネットワーク設備、パッケージソフトなどのITリソースを自社内やデータセンター内に設置し、ユーザー自身が管理運用する方式のことです。

    メリット:

    • ・インターネットとは接続しない社内の閉じられたネットワークで運用ができます。社外のネットワークに情報を出したくない場合に有効と言えます。
    • ・自社の都合を優先してシステムを導入したり運用したりすることができます。

    デメリット:

    • ・利用者が増減しても、それに合わせてハードウェア・インフラを増減することは簡単ではありません。
    • ・ハードウェアを自社で資産として持つ必要があるので、資産台帳などで管理する必要があります。
    • ・システムに精通した人材が、導入や運用・保守で必要となります。(ハードウェアのスペック選定やミドルウェアのインストールなどサーバーの技術的な知識が必要になりますし、セキュリティ対策もユーザー自身が対策しなければなりません)。

    ■クラウド
    クラウドベンダーが用意したITリソースをネットワーク越しに利用することです。利用量に応じて料金を支払うことになります。

    メリット:

    • ・ハードウェアやインフラをデータ量やアクセス頻度などに応じて利用することができます。また、必要に合わせてシステムを増やしたり減らしたりすることが簡単にできます。
    • ・システムを会社の資産として保有する必要がなくなるので、資産台帳で管理したりすることがなくなります。
    • ・サーバーの管理はすべて事業者側でやってくれます。
    • ・クラウドサービスを提供しているAmazonやGoogle、Microsoftなど大手IT企業の製品は、特にセキュリティが高い製品が多いです。そのため、セキュリティリスクが少なく、安心して業務に使用できます。

    デメリット:

    • ・アプリケーションやデータを社外に情報を置くことになるので、利用しているクラウドサービスがサイバー攻撃被害などに遭った場合は、情報漏えいが起こる可能性があります。これはオンプレミスと同じですが、同じリスクがあることを意識しておく必要があります。

    ※クラウドで導入する際のメリットと注意点は次章で詳細に説明します。

    自社でハードウェアやインフラを持つ代わりにクラウドサービスを契約して、その上にMoodleとそれに必要なミドルウェアをインストールして利用することが増えています。また、ある事業者は、クラウドサービスの契約からMoodleの導入までを一気通貫に提供するパッケージサービスを展開しています。その場合、次のようなサービスをまとめて受けることができるようになります。

    • ・Moodleの運用・保守(定期的なバージョンアップ、脆弱性の対応、障害時の対応)
    • ・Moodleへのプラグイン(追加機能)のインストール
    • ・Moodleの使い方の問い合わせ対応(電話やメール)
    • ・システム全体の運用・保守

    ※サービス内容は提供事業者によって異なりますのでご確認ください。


    3. Moodleクラウドのメリットと注意点

    Moodleをクラウドサービスで導入するメリットと注意点を説明していきます。ここでは、Moodleのアプリケーションも含めたパッケージとしてクラウドサービスを利用することを前提とします。

    <メリット>

    • メンテナンス:クラウドサービスはプロバイダが運用・保守を行うため、導入元はソフトウェアのバージョンアップやバックアップなどを行う必要がありません。
    • システムの増減:クラウド環境は、必要に応じてリソースを増やすことができるため、受講者数の増加にすぐに対応できます。例えば、受講者が増える5月と11月だけ倍のスペックにする、ということができます。また、運用開始時の利用人数は100人程度とし、1年間運用したら1000人に増やしたい、将来は1万人が利用できるようにしたい、という要望にも簡単に応えられます。
    • コスト:クラウドサービスは、必要に応じて利用するため、固定費用でなく、利用者数などに応じた費用になります。運用・保守などの人件費を含めた労力を考えると、低価格に抑えられることができます。また、オンプレの場合は構築時に多くの費用が必要になりますが、クラウドサービスの場合は毎月または毎年の利用費を支払うので、費用を平準化することができます。
    • セキュリティ:最近のクラウドサービスは、以前に比べ高いセキュリティが提供されるようになったと言われています。ユーザー情報や講義資料などの機密性の高いデータを利用するユーザーも増えてきています。また、クラウド環境では、自動的にバックアップが取られるため、データの消失や破損などのリスクが少なくなります。
    • OSやミドルウェア:オンプレの場合、自分でOSやミドルウェアのバージョンアップ時期を定めて行う必要がありますが、クラウドサービスならベンダーが最善の時期を定めて行ってくれます。また、オンプレではOS・ミドルウェア・アプリケーションのベンダーが異なることがあるので、その際はベンダー間の調整が必要になりますが、クラウドサービスではクラウドとアプリケーションを一緒に提供しているため、1社に依頼すればよいことになります。
    • サーバー環境:オンプレではサーバーを設置する場所や空調を用意する必要がありますが、クラウドサービスではその必要がありません。また、サーバーの購入や設置が不要になるので、アプリケーションのベンダーも導入しやすくなります。
      更にオンプレでは、顧客の構内への設置の際に、顧客の立ち会いが必要になり、顧客の設備部門との調整も発生します。

    <注意点>

    • ・プロバイダの選定:クラウドサービスは多数のプロバイダから提供されているため、利用するプロバイダを選ぶ際には、セキュリティやメンテナンス、サポートなどのサービス内容を確認することが重要です。Moodleのセキュリティ対策については下記記事で詳しく紹介しておりますので気になる方はぜひご覧ください。
      > 【Moodle基本講座】Moodle のセキュリティ対策
    • ・メンテナンスの影響:クラウドサービスがメンテナンスのためなど、サービスを停止することがあれば、その影響を受けてしまいます。また、OSやミドルウェアのアップデートは、クラウドサービスが決めた時期に行うことになるので、その場合もシステムの停止に従う必要があります。
    • ・カスタマイズ:クラウドサービスは、一般的にカスタマイズが制限されているため、特定のニーズに対応することができない場合があります。そのため、導入前にカスタマイズに関する要件を検討し、適切なプロバイダを選ぶことが重要です。Moodleの場合はオープンソースなので、カスタマイズは自由に行なえます。
    • ・データの置き場所:自社で開発している製品などの情報を社外に出したくない、という声を時々聞くことがあります。クラウドサービスを利用するには、データの内容がどのようなものか確認する必要があります。
    • ・利用期間:クラウドサービスは、一般的に期間契約をするため、利用期間の終了時には、データの移行や終了手続きを行う必要があります。その手段があるかどうか確認しておく必要があります。
    • ・契約条件:クラウドサービスは、契約条件によってサービス内容や利用料金が異なるため、契約条件を確認し、適切な選択を行うことが重要です。

    上記では、システムを新規導入することを想定して記載していましたが、既存システムのオンプレミスからクラウドへの切り替えも新規導入と同様にたくさんメリットを得ることができます。その場合、以下の点も加えて注意する必要があります。

    • 既存システムの要件がクラウドにマッチしているかを十分検討すること
      クラウドのメリットであるコスト削減を実現するには、現状のシステム要件の洗い出しが非常に重要なポイントです。セキュリティ要件や運用マネジメント、ほかの社内システムとの連携をどうするかなど事前に検討しておくとよいでしょう。

    以下に、クラウドサービスの代表例を4つあげます。参考にしてください。

    AWS
    AWSは「Amazon Web Services」の略称で、Amazonが提供しています。2006年にサービス提供が開始され、クラウド全体における世界的シェアが33%で1位です。

    Microsoft Azure
    Microsoft Azureは、Microsoftが提供しているクラウドサービスです。SaaS、PaaS、IaaSの合計で600を超える数のサービスを提供し、マイクロソフト独自とサードパーティ製の両方の多くのプログラミング言語、ツール、フレームワークが利用できます。

    GCP
    GCPは「Google Cloud Platform」の略称で、Googleが提供するクラウドサービスです。クラウド全体における世界的シェアが10%で3位です。Google検索やYouTubeなどのエンドユーザー向けのサービスにおいても、同じインフラストラクチャーが利用されています。

    さくらのクラウド
    さくらのクラウドは、サーバーやストレージなどの多彩なサービスが利用できるIaaS型クラウドです。インターネットサービスのインフラ基盤としてはもちろん、大規模法人・公的機関向け業務システムなど、幅広い業種に導入実績があります。


    4. まとめ

    前章ではMoodleをクラウドで導入するメリットと注意点について記載しました。
    もちろん自社だけでもMoodleを運用していくことはできますが、Moodleを最大限活用していくにはMoodleの公式パートナーの手を借りるのが良いでしょう。
    日本に置いてMoodleの公式パートナーは数社ありますが、豊富な実績をもつ株式会社ヒューマンサイエンスを紹介します。

    4-1. ヒューマンサイエンスとは

    ヒューマンサイエンスはMoodleの公式パートナーです。2017年に、オーストラリアのMoodle本部より認定を受け、Moodle公式パートナーとなりました。Moodleの構築・開発のノウハウ・実績がある企業だけが認定されます。認定企業は世界各地に存在しますが、日本では、数社しか存在しません。
    そしてこれまで培ってきたノウハウと国内運用実績№1(プロジェクト:700件以上、企業・学校・団体:80事例以上)を活かし、Moodleの導入から運用支援までのトータルソリューションを提供しております。

    4-2. Moodleクラウドパッケージ「e-CoreLea」とは

    e-CoreLea(イーコアラ)は、ヒューマンサイエンスが提供するMoodleのクラウドサービスで、インフラ環境の準備は一切不要です。初期設定不要なことはもちろん、サービス開始後のMoodleバージョンアップ対応、バックアップ対応も含んだパッケージサービスです。

    Moodleがインストール・構築済みの環境をご使用いただけますので、お客様によるサーバー・ネットワークなど準備・構築、インストール・初期設定などは一切不要です。

    ・Moodleクラウドパッケージ「e-CoreLea」の特長

    • 1.安全稼働
      Moodleの安定稼働のため、大手外資系企業クラウドを利用しています。アクセス集中時のクラウド環境の拡大にも対応しています。
    • 2.バージョンアップ・バックアップ対応
      データ保全のため、定期的なバックアップをとります。機能増強やセキュリティ対応のため、Moodleをバージョンアップします。
      > Moodleバージョンアップサービス
    • 3.導入費用が抑えられる
      クラウド型のe-CoreLeaは、初期費用、コストを抑えながらの運用が可能です。例えば、200人まで対応のライトプランは月額41,600円でご利用可能です。その他、標準プラン、動画配信プラン、教材コンテンツ込みプランなど、お客様の利用状況に合わせたプランをご用意しております。価格詳細はこちらをご覧ください。
      > Moodleクラウドサービス
    • 4.導入までの期間が短い
      一般的な利用を想定し、プランを用意しています。早期の使用が可能です。
      ※ライトプラン、標準プラン
    • 5.管理の負担が少ない
      サーバースペックの選定・サーバーの経年劣化への対応・障害対応などのサーバーの管理はすべて弊社で対応するため、お客さま管理者の負荷を軽減します。

    関連コラムはこちら
    > 需要高まるeラーニングシステムのクラウドサービス(moodle、Totara)

    次からはヒューマンサイエンスの提供するサービスについて段階ごとに説明していきます。

    4-3. 導入設計

    <クライアントの状況をヒアリング・提案>
    お客様が行いたい教育フローを実現するためのMoodle設定支援を行います。
    Moodleには豊富な機能があるため、使用方法を想定して、学習者にとって使いやすくいたします。Moodleの設定により、機能を表示/非表示にすることができます。

    • 要件定義
      eラーニング導入にあたってお客様が実現したいことをヒアリングし、仕様詰めを行います。
    • eラーニング運用業務プロセス構築支援
      eラーニング運用には、コース登録、ユーザーへの連絡、配信、効果測定など様々な業務が発生します。導入・運用を成功させるために、業務フローの構築をお手伝いします。
    • デモサイトの構築
      デモサイトを立ち上げ、お客様に実際のMoodleの動きをご確認いただきながら、設定・機能をチューニングしていきます。

    <Moodle構築>
    Moodleをインストールし、使用できる状態にします。
    オンプレミス(自社保有、自社運用)はもちろん、AWSやMicrosoft Azure、GCP等のクラウドへの構築も行います。
    ご使用中の既存システムからMoodleへのリプレイスも行っています。

    • ハードウェアのスペックの選定
      利用者数や利用の仕方によって決定します。
    • ミドルウェアのインストール
      apache(Nginx) php(php-fpm) postgresqlなどのオープンソースのミドルウェアをインストールします。
    • Moodleのインストール
    • Moodleの設定
      利用想定に基づきMoodleの設定をします。
      サービスの詳細はこちら
      > Moodle構築
    • カスタマイズ、プラグイン開発
      Moodleの標準機能だけでは実現が難しい機能を、カスタマイズ・プラグイン開発を行います。
      サービスの詳細はこちら
      > Moodleプラグイン・カスタマイズ

    また、e-CoreLea(イーコアラ)というクラウドサービスも提供しております。
    e-CoreLea(イーコアラ)は、ヒューマンサイエンスが提供するMoodleのクラウドサービスパッケージで、インフラ環境の準備は一切不要です。初期設定不要なことはもちろん、サービス開始後のMoodleバージョンアップ対応、バックアップ対応も含んだパッケージサービスです。
    Moodleがインストール・構築済みの環境をご使用いただけますので、お客様によるサーバー・ネットワークなど準備・構築、インストール・初期設定などは一切不要です。動画配信プラン、教材コンテンツ込みプランなどもございます。お気軽に下記リンクからお問い合わせください。
    > Moodle クラウドサービス(e-CoreLea)

    関連コラムはこちら
    > 需要高まるeラーニングシステムのクラウドサービス(moodle、Totara)

    4-4. 運用支援

    <使い方セミナー>
    Moodleの基本的な使い方についてセミナーを行います。
    Web会議システム(Zoomなど)での講義形式で1日5時間程度を想定しています。
    説明内容は事前準備・ユーザー登録・コース登録・小テスト作成・評定のダウンロード・アンケート作成です。

    <運用マニュアル>
    Moodleの使用方法についてチュートリアルマニュアルを提供します。
    サービスの詳細はこちら
    > Moodle 導入・セミナー・マニュアル

    <定期メンテナンス(バージョンアップ)>
    Moodleは、数多くのバージョンが存在します。ヒューマンサイエンスでは、バージョンアップをご支援しています。
    サービスの詳細はこちら
    > Moodle バージョンアップ

    <問い合わせサポート>
    電話・メールでのMoodleのサポートサービスを提供しております。
    Moodleはオープンソースで無料であることが最大のメリットですが、運用・保守はユーザーの責任となります。
    主な内容は下記のようなものがあります。

    • ・Moodleの操作に対するお問い合わせへの電話・メールでのサポート
    • ・お問い合わせ内容をレポートにまとめたものを月次報告書として納品
    • ・Moodleのバグについては、原因までの調査(修正は別途)

    ※Moodleの操作・運用に関するサポートはもちろん、頻繁にあるMoodleのアップデート、それに伴うサーバー環境のバージョンアップなどの定期メンテナンス、新機能など新しい情報も提供します。

    サービスの詳細はこちら
    > Moodle 保守・運用

    以上のことからヒューマンサイエンスはMoodleの導入から運用サポートまで行っていることが分かりましたが、さらに詳細を知りたい方は下記リンクから資料を入手することができます。

    > Moodle導入支援サービスのご紹介|事例集・お役立ち資料ダウンロード|実績2,693件以上のヒューマンサイエンス (hs-learning.jp)

    ヒューマンサイエンスでは、お客様がeラーニングを導入・運用するためのさまざまなサービスを承っています。
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    > eラーニング教材翻訳
    > 教材内製支援
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    > マイクロラーニング導入支援
    > Flash のHTML5 移行・変換
    > MoodleおよびTotara Learn(オープンソースLMS)の導入・運用支援

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