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2023.11.21

教材作成
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eラーニングの教材はどう準備する?入手方法や優れた教材を作るポイントを解説!

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    場所や時間に縛られない高効率な学習方法として、すっかり定着したeラーニングですが、肝心の中身、つまり「教材」の質が高くなければ、せっかくの高効率さも意味をなしません。しかし、eラーニングの教材をどのように準備したらよいのか、どうやったら優れた教材を作成できるのか、よくわからないと思われる方も多いのではないでしょうか。

    今回は、eラーニング教材の種類や入手方法、優れた教材を作るポイントなど幅広く解説し、効果的な教材設計と、その準備に関するヒントをご提案します。



    1. eラーニング教材とは

    まずはeラーニングやeラーニング教材の基本的な情報を確認しておきましょう。

    eラーニングは、インターネット回線を通じて電子デバイス(パソコンやスマートフォン、タブレットなど)を活用して学習を行う方法で、その教育システム全体を指して言うこともあります。

    〈eラーニングの主な特徴・メリット〉
    ・ 自分のペース学習できる: 学習者は自分の学習進度に合わせて学習できます
    ・ 高い柔軟性:インターネット環境があれば、時間や場所を選ばず学習が可能です
    ・ 多様な学習方法をカバー:テキストや動画、クイズ形式など多彩な教材があります
    ・ リアルタイム評価:管理者は進捗状況をリアルタイムでモニタリングできます
    ・ 費用対効果が高い:物理的なスペースが不要なので、会場費や移動費がかかりません

    eラーニングを実施するためには、配信するための「システム」と、コンテンツとなる「教材」が必要となります。

    〈eラーニングの配信システムとは〉 eラーニングの配信システムはLMS(Learning Management System ※)と呼ばれるツールで、学習プログラムの設計や実施、管理などを行います。また、学習コンテンツへのアクセスを提供し、進捗の追跡や評価、報告を行うためのプラットフォームとしても機能します。

    ※現在は、教育に特化したLMSではなく、人事情報と関連付けて管理をする「タレントマネジメントシステム」が主流になりつつあります。

    ●LMSで利用できる具体的な機能の例

    ・学習者ごとにIDを発行し、個別の履歴を記録する
    ・学習者ごとに教材を割り当てる(管理者向け、技術職向けなど)
    ・教材ごとに学習状況を管理する(学習時間やテストの成績など)
    ・学習期間を設定する
    ・受講率や学習時間、正答率などの統計データを取得する

    〈コンテンツとなる教材とは〉
    テキストや図説はもちろんのこと、動画や映像、アニメーション、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)など、eラーニングではさまざまな形式を活用することができます。これらにより学習者は視覚的・聴覚的に情報を理解しやすく、学習効果を高めることが期待できます。

    多種多様なeラーニング教材の形式については次章で詳しく説明します。

    2. eラーニング教材の形式の種類

    コンテンツとなる教材にはさまざまなメディアの形式があり、それぞれに異なるメリットと適性を持ちます。形式を使い分けることで、学習者にとって最適な学習体験を提供できます。以下に、主なeラーニング教材の形式や特徴、教材例について解説します。

    ●映像・ビデオ形式

    ビデオカメラやスマートフォンで撮影した映像を編集。字幕やキャプションを入れて説明を補足し、作成します。言葉で説明するだけではわかりにくい情報が一目瞭然なので、複雑なプロセスや手順の学習に向いています。

    (教材例)機器の操作方法、工事の際の工具の使い方など

    ●アニメーション形式

    イラストやアニメーションを使って解説します。豊かな表現力で理解を促進し、学習者のモチベーションアップが期待できます。また、実写での再現が難しいシーンを表現できる点もメリットです。

    (教材例)業務手順や画面操作、事故事例、ハラスメント系のNG事例など

    ●パワーポイント・PDF形式

    パワーポイント形式やPDF形式の資料を教材として活用します。同形式であれば既存資料をそのまま流用したり、再構成したりするだけで作成できるので、手間や工数を抑えることが可能です。ただ、表現方法が限られているので、学習効果や学習者の履修率が低くなる場合があります。

    (教材例)法律関連など更新頻度の高い教材、辞書的な使用が想定される業務手順など

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    ●シミュレーション形式

    システムの操作方法を習得するためのシミュレーション動画です。実際に操作を疑似体験したり、操作の仕方がわからないときにヘルプ的に使ったりするなど、さまざまシーンで利用することができます。

    (教材例)Officeソフトの操作学習、社内システムの操作マニュアルなど

    ●クイズ・テスト形式

    クイズやテストを盛り込み、知識の定着化や研修の効果測定を図ります。インタラクティブな要素が加わるので、学習者の参加意欲や学びへのモチベーションを促進し、実践的なスキルの向上に役立ちます。

    (教材例)コンプライアンストレーニング、言語学習など

    ●バーチャルリアリティ(VR)/拡張現実(AR)形式

    バーチャルリアリティや拡張現実といった最新技術を駆使し、学習者にリアルな体験を提供。抽象的な情報やコンセプトも視覚化されるので、実践的な学習効果が期待できます。高度なシミュレーションが求められるシーンに適しています。

    (教材例)製造業や建設業での作業訓練、サービス業界での接客トレーニングなど

    これらの形式を組み合わせることでeラーニング教材の質や学習効果が高まり、学習者一人ひとりのニーズに沿った、最適な学習体験を提供することができます。


    3. eラーニング教材を入手する方法

    eラーニング教材にはさまざま種類があることがわかりましたが、それらを入手するためにはどうしたらよいのでしょうか。この章では、教材を入手するための方法やポイントをご紹介します。

    〈入手方法.1〉既製品の教材を購入する
    既製の教材パッケージを購入して活用する方法です。コンテンツ内容があらかじめ設定されているため、自社のオリジナル要素をプラスすることはできません。しかし、プロの手によって作られているため教材のクオリティは一定以上と考えられます。ビジネスマナーやコンプライアンス知識などの一般的なトピックスであれば、既製品の教材でも、多くの企業で十分活用できます。

    教材を購入する際、自社にLMSがある場合と、ない場合とで、購入方法は変わってきます。

    ▶自社にLMSがある場合
    自社のLMSと教材の規格が合えば、その教材を自社のLMSに登録・運用することが可能です。規格を確認し、教材のみを購入しましょう。

    ▶自社にLMSがない場合
    教材を提供しているベンダー(販売会社)から配信サービス(クラウドサービス)を受けましょう。サーバーなどの物理的な設備が不要なので手間がかからず、セキュリティ管理も管理会社が対応してくれます。

    なお、学習管理は特に行わない場合など、LMSが必須でないケースも考えられますので、それぞれの状況に応じてご対応をお願いいたします。

    〈入手方法.2〉既製品の教材をカスタマイズする
    既製の教材パッケージの一部を自社向けの内容にカスタマイズする方法です。ある程度は既存のものでカバーしつつ、情報を追加・変更することで、自社の目的に沿った教材を作成します。複数の教材を統合したり、ケーススタディを実際に自社で起きた内容に変更したりと、フレキシブルに調整することが可能です。

    ●カスタマイズの例

    ・教材に情報を追加する
    ・ケーススタディを自社用に変更する
    ・教材を統合したり、分割したりする
    ・テスト内容を変更する
    ・専門用語や表現を自社向けに追加・変更する

    〈入手方法.3〉教材をオーダーメイドする
    ベンダーに教材をオーダーメイドする方法です。プロによるサポートを受けながら、自社独自の教材を一から作成することができるのは大きなメリットです。どんな教材にすればよいのかわからなかったり、自社のノウハウをeラーニング化したいと考えている企業は、オーダーメイドを検討してもよいかもしれません。

    大まかな制作工程は以下のような流れです。

    (1)情報収集
    (2)概要仕様の決定
    (3)詳細仕様の決定
    (4)教材の内容制作(原稿や絵コンテ、NAやイラストなど教材の素材づくり)
    (5)オーサリング※
    (6)確認・修正
    (7)eラーニング教材の完成

    ※文字や画像、音声、動画などを組み合わせて一つのデジタルコンテンツを作成すること。オーサリングをしないとLMSから配信することができません。

    〈入手方法.4〉自社でオリジナル教材を作成する
    教材を自社で制作する方法です。すべての工程を行うケースと、「教材作成ツール」を利用するケースの2種類がありますが、後者の方が容易です。
    教材作成ツールは、オーサリング作業を自動で行ってくれます。使用する素材はパワーポイントやエクセルで用意すればOK。音声ファイルや動画ファイルを組み込むことも可能です。プロに依頼する必要がないので、コストを抑えられることが利点です。
    社内でeラーニング教材を作成できるだけのスキルやノウハウがあれば、自社制作を検討してみることも一つの手です。

    4. 優れたeラーニング教材を制作するポイント

    既製品以外の教材を採用する方法を選んだ場合、次のステップとして、「質の高い教材」を作成するためのポイントを押さえておきましょう。以下のような点に気を配ることで、学びやすさや学習効果の向上を促し、学習者にとって有益な教材を提供できます。

    〈ポイント.1〉どのような教材にしたいのかをイメージし、構想を具体化する
    まずは、どのような教材にしたいのかをイメージし、目標を設定することが重要です。履修後の学習者のあるべき姿を想像することで、教材の方向性や目的が見えてきます。
    次に、教材の中身や作成方法などを考え、骨組みをまとめていきましょう。学習の構成やカリキュラムを練り、教材がどのように進行し、学習者がどのように進むべきかを検討します。
    このような事項が具体的になっているほど、より質の高い教材を作成できます。また、完成までの時間短縮にもつながります。

    〈ポイント.2〉教材のテーマに沿った最適な形式を選ぶ
    2章で解説しましたが、eラーニング教材には多種多様な形式があります。情報をコンパクトに伝えられるテキストや、視覚的な情報伝達に優れた動画やイラスト、疑似体験を叶えるシミュレーションなど、得意とすることはそれぞれ異なるため、教材のテーマに適した形式を選択することが大切です。もちろん、複数の形式を組み合わせることも有効です。

    〈ポイント.3〉学習者にとって、わかりやすい内容を意識する
    eラーニング教材を作成する際、情報を盛り込み過ぎてしまうというケースがしばしば起こります。情報が多すぎる教材は要点が掴みにくく、さらに、学習者の意欲や集中力を削いでしまうリスクも高まります。
    目を向けるべきなのは、その教材が学習者にとって「わかりやすい内容であるか」です。最初に策定した教材の目標から逸脱したり、散漫にならないように、シンプルで明快な内容を意識しましょう。情報を補足するためにイラストや画像、動画などを活用することもおすすめです。
    なお、学習者の意欲が非常に高い、ある資格を得るためには必須の知識であり、その量は膨大である、といった場合には、「わかりやすさ」の優先度が低くなるケースもあります。

    〈ポイント.4〉学習意欲や効果を高める仕組みを教材に盛り込む
    時間や場所を選ばずに学習できるeラーニングは、自分のペースで進められることが魅力ですが、集中力やモチベーションを保つことが難しい場合もあります。そのため、学習の意欲や効果を高める“仕組み”をeラーニング教材に加えることも大切です。
    例えば、クイズやゲーム、演習、模擬テストなどのインタラクティブな要素を組み込むことで、学習者は楽しみながら学ぶことができ、履修率やモチベーションのアップも期待できます。


    5. まとめ

    今回は、eラーニングの「教材」にスポットを当て、解説をしてきました。
    eラーニング教材を作成するために最も重要となるプロセスは、教材の構想と設計です。
    自社で行うこともできますが、さまざまなノウハウを蓄積したベンダーのサポートを受けることで、より効果的、かつ魅力的なeラーニング教材を生み出すことができます。

    そんなベンダーの一つであるヒューマンサイエンスは、2000年のサービス開始以来、2,700件を超えるeラーニング教材を制作してきました。企画・設計はもちろんのこと、動画やHTML5などによるモバイル対応、LMSリプレース対応に伴うコンテンツの移行など、お客さまのご要望にフレキシブルにお応えしています。eラーニング導入のご検討や、教材に関するご相談などは、ぜひヒューマンサイエンスにお問い合わせください。

    また、近年はアニメーションを活用した教材の需要が増加し、ヒューマンサイエンスでもアニメーション制作ツール「Vyond」の販売や制作代行を行っています。アニメーション教材についても、お気軽にご相談ください。

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