eラーニングブログ

Blog

2023.11.21

2025.10.31

Vyond
iSpring
教材作成

eラーニング教材作成の強い味方「eラーニング作成ツール」とは? おすすめ3選や開発のポイントも解説!

  • カテゴリ

  • おすすめ記事

  •  

    Moodle導入支援・運用サービス
    eラーニング教材制作サービス


    eラーニングの普及が広がる中、「効果的な教材を作成したいが、何から始めればいいかわからない」「コストや時間を抑えつつ、高品質なコンテンツを作りたい」といったお悩みを抱える企業担当者の方も多いのではないでしょうか。そんなときに役立つのが「eラーニング作成ツール」です。これらのツールを活用すれば、教材制作の専門知識がなくても手軽な操作でクオリティの高い教材を作成でき、学習効果を高めることも期待できます。

    今回は、eラーニング作成ツールの基本を解説するとともに、おすすめのツール3選をご紹介。効果的な教材を開発するためのポイントについても解説します。



    1. eラーニングの作成に必要となる「教材」

    eラーニング作成ツールを説明する前に、eラーニングの基本的な知識をおさらいしておきましょう。作成する際に必要となるeラーニングの「教材」についても解説します。

    〈eラーニングとは・特徴とメリット〉
    eラーニングは、インターネット回線を通じて電子デバイス(パソコンやスマートフォン、タブレットなど)を活用して学習を行う方法で、その教育システム全体を指して言うこともあります。インターネット環境があれば学習可能なので、時間や場所を選ばずに、自分のペースで学ぶことができます。また、アニメーションやクイズなど多彩な形式の教材があることも魅力です。

    〈eラーニング運用に欠かせない、配信システムと教材〉
    eラーニングを実施するためには、配信するための「システム」と、コンテンツとなる「教材」が必要となります。

    ●eラーニングの配信システムとは

    eラーニングの配信システムはLMS(Learning Management System ※)と呼ばれるツールで、学習プログラムの配信や管理などを行います。また、学習コンテンツへのアクセスを提供し、進捗の追跡や評価、報告を行うためのプラットフォームとしても機能します。
    ※現在は、教育に特化したLMSにとどまらず、人事情報と関連付けて管理をする「タレントマネジメントシステム」が主流になりつつあります。

    ●コンテンツとなる教材とは

    テキストや図説はもちろんのこと、動画や映像、アニメーション、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)など、eラーニングではさまざまな形式を活用することができます。これらにより学習者は視覚的・聴覚的に情報を理解しやすく、学習効果を高めることが期待できます。

    〈eラーニング教材を入手する方法〉

    ●入手方法.1 既製品の教材を購入する

    既製の教材パッケージを購入して活用する方法です。コンテンツ内容があらかじめ設定されているため、自社のオリジナル要素をプラスすることはできません。ビジネスマナーやコンプライアンス知識などの一般的なトピックスであれば、既製品の教材でも、多くの企業で十分活用できます。
    教材を購入する際、自社にLMSがある場合と、ない場合とで、購入方法は変わってきます。

    ▶自社にLMSがある場合
    自社のLMSと教材の規格が合えば、その教材を自社のLMSに登録・運用することが可能です。規格を確認し、教材のみを購入しましょう。

    ▶自社にLMSがない場合
    教材を提供しているベンダー(販売会社)から配信サービス(クラウドサービス)を受けましょう。サーバーなどの物理的な設備が不要なので手間がかからず、セキュリティ管理も管理会社が対応してくれます。
    なお、学習管理は特に行わない場合など、LMSが必須でないケースも考えられますので、それぞれの状況に応じてご対応をお願いいたします。

    ●入手方法.2 既製品の教材をカスタマイズする

    既製の教材パッケージの一部を自社向けの内容にカスタマイズする方法です。ある程度は既存のものでカバーしつつ、情報を追加・変更することで、自社の目的に沿った教材を作成します

    ●入手方法.3 教材をオーダーメイドする

    ベンダーに教材をオーダーしオリジナルの教材を制作する方法です。プロによるサポートを受けながら、自社独自の教材を一から作成することができるのは大きなメリットです。どんな教材にすればよいのかわからないような場合や、自社のノウハウをeラーニング化したいと考えている企業は、オーダーメイドを検討してもよいかもしれません。

    ●入手方法.4 自社でオリジナル教材を作成する

    教材を自社で制作する方法です。すべての工程を行うケースと、「教材作成ツール」を利用するケースの2種類がありますが、後者の方が容易で一般的です。プロに依頼する必要がないので、コストを抑えられることが利点です。

    2. eラーニング作成ツールとは

    eラーニング作成ツールは、テキストや画像、音声、動画など、多彩なメディアを組み合わせて、インタラクティブな教材を、比較的手軽に作成することができるツールです。
    eラーニング作成ツールには、効果的かつ魅力的な教材を作成するためのさまざまな機能が搭載されています。

    〈eラーニング作成ツールの主な機能〉
    ・PowerPointなどの資料を基にコンテンツを作成
    ・動画撮影や編集
    ・画面操作の自動キャプチャ
    ・ナレーション音声作成
    ・テスト、クイズ、アンケートなどの作成
    ・マルチデバイス対応の表示形式での生成(HTML5化)
    ・LMS(学習管理システム)対応の標準化(SCORM変換)など

    eラーニング作成ツールはプログラミングなどの専門知識がなくても、これらの機能を活用して質の高い教材を作り出すことができます。その手軽さとコストパフォーマンスのよさから、幅広く利用されています。


    3. eラーニング作成ツールのメリット

    eラーニング作成ツールを利用するメリットを以下にまとめました。

    〈メリット.1〉自社の既存の資料を活かせる

    自社内で既に作成されているPowerPointの資料を活用して、eラーニングコンテンツを作成できます。HTML5形式や動画形式に変換すれば、オンライン上で閲覧したり、利用したりすることが可能に。さらに、SCORM(eラーニングの標準規格)変換に対応したツールを使えばLMSに搭載できる教材を作成できます。このように、自社内の既存資料が手軽に共有されることによって、学習の提供や管理が効率化されます。

    〈メリット.2〉動画形式の教材も手軽に作成できる

    eラーニング作成ツールは動画形式の教材もカンタンに作成することができます。使用する素材は、手持ちのスマホで撮影したデータでOK。動画をアップロードし、わずかな編集を行うだけで教材が作成できるソフトもあります。特別な機材を用意する必要も、スタジオを借りる手間もなく、作業工数を大幅に軽減できることが利点です。

    〈メリット.3〉操作シミュレーションを手軽に記録できる

    PCの使い方やソフト/アプリケーションの操作手順などをマニュアルや教材にする場合、画面録画や編集が付き物です。これらの作業は概ね煩雑で、手間がかかるのが難点でしたが、この問題もeラーニング作成ツールが解消。操作画面の自動キャプチャや、吹き出しや枠囲みを使った解説表示などの機能を駆使することで、容易に操作シミュレーションを作成することができます。

    〈メリット.4〉修正や更新の対応もカンタン

    教材を作成した後の修正や更新もeラーニング作成ツールならカンタン。直感的な手順でアップデートできるので、内容の変更や追加、コンテンツの改良もスピーディに行うことが可能です。特に、情報が定期的に更新されることが多い法律や技術分野の教材で重宝します。

    4. eラーニング教材を作成するためのおすすめツール3選

    eラーニング作成ツールにはさまざまな種類があります。教材の方向性や学習者のニーズに合わせて、最適なものを選ぶようにしましょう。この章では、3つのおすすめツールをご紹介します。

    PowerPoint

    eラーニング教材を作成する際、PowerPointは最も手軽なツールの一つです。原稿の作成開始から配信までの期間が比較的短く、さらに既存の資産(既にある集合研修向けの資料など)を活用することで、より効率的に教材を作成できます。更新頻度が高い教材や、素早く周知したい事項の共有に適しています。

    〈主な機能〉
    ・アニメーションやナレーションを付けられる
    ・箇条書きを順番に表示する
    ・ナレーションに合わせて対象部分を強調させる
    →これらの動きを記録し、動画形式で書き出せば立派な教材になります。

    〈向いている教材の例〉
    ・法律や法令など定期的な改正があるもの
    ・社内制度やルールの改訂周知などタイムリーな対応が必要なもの

    iSpring Suite(アイスプリング スイート)

    iSpring Suiteは、PowerPointのアドインソフト※として使用します。PowerPointのプレゼンテーションファイルをベースに、タイムラインを使用してナレーションやアニメーションの細かな調整・修正を行います。豊富なテンプレートや素材を備えている点も魅力で、教材のデザイン性や学習効果の向上が期待できます。さらに、クイズやテストの生成ツールやスクリーンキャプチャ(画面上での操作を記録する機能)なども搭載され、よりインタラクティブな要素を教材に盛り込むことができます。
    ※追加機能として追加インストールされ、拡張機能を提供するソフトのこと

    〈主な機能〉
    ・ナレーションやアニメーションの細かな調整・修正
    ・クイズやテストなどの生成
    ・スクリーンキャプチャ
    ・教材の形式や体裁を選択できる

    〈向いている教材の例〉
    ・語学学習や技術トレーニングなど、クイズやテストが効果的な分野
    ・顧客対応などのロールプレイングシミュレーションが求められる教材
    関連コラム:iSpring Suiteとは?特徴・価格・導入メリットを紹介
    使い慣れたいつものPowerPointでリッチなeラーニング教材を作成 iSpring導入支援

    Vyond(ビヨンド)

    Vyondは、全世界で利用されているアニメーションに特化したクラウドサービスです。多種多様なキャラクターや背景、イラストなどがあらかじめ用意されていて、それらを組み合わせるだけでプロフェッショナルなアニメーションコンテンツの作成が可能。特別な知識やスキルは必要ありません。完成したアニメーションはそのまま公開することはもちろん、PowerPointやiSpring Suiteなどにインポートして、eラーニング教材として活用することができます。

    〈豊富なテンプレート〉
    ・背景:1,900点以上
    ・キャラクター:1,300点以上
    ・小物イラスト:14,000点以上
    ・アクション(キャラクターの表情や動き):2,400パターン以上

    〈向いている教材の例〉
    ・複雑なコンセプトや手順などが含まれる教材(アニメーション化でわかりやすい表現に)
    ・実写での再現が難しいシーンが含まれる教材(例:事故事例、ハラスメント系NG事例)
    ・ストーリーテリング

    5. eラーニング教材の開発のポイント

    効果的なeラーニング教材を開発するには、eラーニング作成ツールを上手に活用しながら、学習者が理解しやすいコンテンツを作ることが重要です。ここでは、eラーニング教材の開発のポイントを解説します。

    〈ポイント.1〉開発前に構想を具体化する
    教材作成を始める前に、まずは「誰に」「何を」「どのように」伝えるのかを明確にしましょう。履修後の学習者のあるべき姿を想像することで、教材の方向性や目的が見えてきます。次に、教材の構成や作成方法を考え、学習の流れを整理します。このような事項が具体的になるほど、より質の高い教材が作成できます。さらに、ゴールが明確なことで効率化でき、完成までの時間短縮にもつながります。

    〈ポイント.2〉最適な形式を選択する
    eラーニング教材にはさまざまな形式があり、学習内容や対象者に応じて適切なものを選ぶことがポイントです。主な形式は以下の3つです。

    (1)アニメーション(HTML5形式)
    アニメーションを使うと、情報を視覚的に伝えやすくなります。また、実写での再現が難しい事項を表現できる点も魅力です。操作体験が必要な教材や、動きのある説明にも適しています。

    (適している教材例)
    ・事故事例やハラスメント系のNG事例
    ・操作手順の説明
    ・自動車のエンジンなど機械の仕組みや動き

    (2)映像・ビデオ形式
    講師の説明や実演を録画した映像で学習する形式です。リアルなシチュエーションを伝えやすく、直感的に理解しやすいという利点があります。説明を補足する字幕やキャプション、図説を挿入するなどの編集を行うことでよりわかりやすくなります。

    (適している教材例)
    ・機器の操作方法(特に複雑な操作手順)
    ・工具の使い方
    ・ビジネスマナーなどの対話形式の研修

    (3)PowerPoint・PDF形式
    スライド資料を活用した教材で、簡単に作成・編集が可能です。静的なコンテンツなので、シンプルな解説に向いています。取り扱いや修正対応がしやすく、工数やコストを抑えられる点がメリットです。

    (適している教材例)
    ・法律関連など更新頻度の高い教材
    ・業務ルールや比較的簡易な業務手順
    ・業務上必須の知識やマニュアル(テキスト中心で辞書的な使い方が想定されるケース)

    〈ポイント.3〉受講者にとってわかりやすい内容を心がける
    eラーニング教材は情報を詰め込みすぎると要点がぼやけ、学習者の集中力を削ぐ恐れがあります。大切なのは「わかりやすさ」です。最初に策定した教材の目標から逸脱したり、散漫にならないように、シンプルな構成を心がけ、複雑な部分はイラストや動画で補いましょう。ただし、学習者の意欲が非常に高いケースや、資格取得などで膨大な知識が必要などの場合は、情報量を優先することもあります。

    〈ポイント.4〉ツールを活用してリッチなコンテンツを作成
    eラーニング作成ツールには、テキストを自動で読み上げる音声合成機能や、アバターやアニメーションのキャラクターを使い、親しみやすい演出を加えることができるキャラクター作成機能が搭載されているものもあります。このような機能を活用することで、視覚・聴覚の両方を刺激し、学習意欲を高めることが期待できます。

    〈ポイント.5〉更新しやすい仕組みづくりと定期的なブラッシュアップ
    eラーニング教材は“一度作ったら終わり”ではなく、定期的な更新が必要です。例えば、法改正や業界の変化などに合わせて、内容を最新のものにアップデートしなければ、誤った情報を伝えてしまうことになります。また、学習者の声や学習効果測定の結果などに合わせて、定期的にブラッシュアップすることも重要です。そのため、更新や管理がしやすい仕組みにしておくことも念頭に置きましょう。

    効果的なeラーニング教材を作成するには、事前の構想、適切な形式選び、分かりやすさの追求、ツールの活用、そして定期的な更新が重要です。eラーニング作成ツールを上手に活用しながら、学習効果の高いコンテンツを作成していきましょう。


    6. まとめ

    eラーニング教材を作成するための選択肢は多岐にわたりますが、そのなかでもeラーニング教材作成ツールは高品質な教材を手軽につくるための心強い助っ人となります。

    もちろん自社内ですべての工程をカバーされてもよいですが、工程や素材の一部のみであっても、社外のリソースを活用いただくと、よりクオリティの高い教材を効率よく作成できると思います。また、ベンダーなどの“eラーニングのプロ”のアドバイスを受けることにより、学習者のモチベーションアップや学習効果の向上につながる工夫を教材にプラスすることも可能になります。

    そんなベンダーの一つであるヒューマンサイエンスは、2000年のサービス開始以来、3,000件を超えるeラーニング教材を制作してきました。企画・設計はもちろんのこと、動画やHTML5などによるモバイル対応、LMSリプレース対応に伴うコンテンツの移行など、お客さまのご要望にフレキシブルにお応えしています。eラーニング導入のご検討や、eラーニング作成ツールに関するご相談などは、ぜひヒューマンサイエンスにお問い合わせください。

    サービスの詳細はヒューマンサイエンスのeラーニングサイトからご確認いただけます。
    eラーニングコンテンツ制作
    使い慣れたいつものPowerPointでリッチなeラーニング教材を作成iSpring導入支援