2025.10.29
【Moodleマニュアル⑤】2025年版|グループ/グルーピングの設定方法と活用法をサポート担当者が解説!

「グループごとに課題を出したい」「特定のグループにだけ資料を配布したい」
Moodleを使った授業や研修で、こうした悩みを感じたことはありませんか? Moodleには、受講者を柔軟に管理するためのグループ機能があり、これらを活用することで、学習活動の割り当てや資料の配布を効率的に行うことができます。
本記事では、グループ・グルーピング機能の違いや設定方法を教育現場での活用例を交えながら、すぐに実践できるよう丁寧に解説します。
目次
- 1. Moodleの「グループ」と「グルーピング」機能とは? 1-1. グループとは?基本の仕組みと役割
- 2. 【2025年最新版】Moodleでのグループ/グルーピングの設定方法 2-1. グループの作成方法
- 3. Moodleグループ・グルーピングの活用事例と使い方 3-1. グループで課題を提出させる
- 4. FAQ|“よくある質問”をMoodleサポートデスクが解説 4-1. グループモードの可視グループと分離グループとは何ですか?
- 5. まとめ|柔軟なグループ機能で授業設計をもっと自由に
1-2. グルーピングとは?複数グループの管理方法
2-2. グルーピングの作成方法
3-2. グループごとに閲覧できる資料を変える
3-3. グループごとにディスカッションをさせる
4-2. 学生に自分がどのグループに所属しているか分からないようにすることはできますか?
4-3. 授業回ごとにグループを分けることはできますか?
1. Moodleの「グループ」と「グルーピング」機能とは?
Moodleを使った授業や研修では、受講者をグループ分けして活動させたい場面が多くあります。
たとえば、クラスごとに課題を提出させたり、特定のグループにだけ資料を配布したり、グループごとにディスカッションを行わせたりと、教育現場ではさまざまなニーズが存在します。
こうした運用を支えるのが、Moodleの「グループ」および「グルーピング」機能です。
一見似ているこの2つの機能ですが、それぞれの役割や使い方には明確な違いがあります。
グループとグルーピングの基本的な仕組みと違いについてみていきましょう。
1-1. グループとは?基本の仕組みと役割
Moodleにおける「グループ」とは、同じコースに登録された受講者を小さな単位に分けて管理する機能です。これにより、グループごとに異なる活動や教材を割り当てたり、ディスカッションを分けることが可能になります。
たとえば、ある大学の「英語プレゼンテーション」コースに30名の学生が登録されている場合、教員はこの受講者を「グループA」「グループB」「グループC」に分けることができます。各グループは、異なるトピックでプレゼンテーションを行ったり、グループ内で課題を提出したりすることができます。
1-2. グルーピングとは?複数グループの管理方法
Moodleにおける「グルーピング」とは、複数のグループをまとめて一つの単位として扱うための機能です。グループが「学生の小分け単位」だとすると、グルーピングは「グループの集合体」と言えます。これにより、特定のグルーピングに属するグループだけに活動や教材を表示するなど、より柔軟なコース運営が可能になります。
たとえば、大学の「情報リテラシー」コースに1年生と2年生が混在している場合、1年生用に「グループA・B」、2年生用に「グループC・D」を作成し、それぞれを「1年次」「2年次」というグルーピングにまとめます。これにより、1年次のグルーピングにだけ表示される課題やフォーラムを設定することができます。
▽グループとグルーピングの図解

2. 【2025年最新版】Moodleでのグループ/グルーピングの設定方法
ここからはMoodle4.5のインタフェースに沿ってグループおよびグルーピングの具体的な設定方法を解説いたします。Moodleのグループ機能は、授業設計に沿った柔軟な設定が可能です。設定のポイントを押さえ、授業を効果的に進めましょう。
2-1. グループの作成方法
コースに登録されている参加者をグループ分けします。
1) コースの参加者一覧を開きます。
2) 画面左上「登録済みユーザ」のプルダウンよりグループを選択します。
3) グループの設定画面が表示されます。グループは手動作成、自動作成、CSVでのインポート3つの方法で作成が可能です。ここでは、手動作成と自動作成について解説します。
〇グループの手動作成
1) 管理エリアより「グループを作成する」をクリックし、グループ名などを登録します。
2) 作成されたグループごとに「ユーザを追加する」より参加者を登録します。
〇グループの自動作成
自動作成では、グループの数やグループの人数に応じて、簡単にグループを作成することができます。参加者数が多いコースでは自動作成がおすすめです。
1) 管理エリアより「グループを自動作成する」をクリックします。
2) グループの数や人数、割り当て方法などを決定し登録します。
3) 条件によって自動でグループが作成されました。
▽グループは人数やグループ数など任意の条件に応じて自動で割り当てが可能です。

2-2. グルーピングの作成方法
グループを設定した上でさらに大きな塊としてグルーピングを設定します。
1) コースの参加者一覧を開きます。
2) 画面左上「登録済みユーザ」のプルダウンよりグルーピングを選択>「グルーピングを作成する」をクリックします。
3) グルーピングの設定画面が表示されます。任意の名称をいれて、保存します。
4) グルーピングの一覧画面の右側人型のアイコンをクリックすると、グループをグルーピングに割り当てる画面が表示されます。追加ボタンで割り当てを行ってください。
3. Moodleグループ/グルーピングの活用事例
実際の授業や研修で、グループ・グルーピング機能はどのように活用されているのでしょうか?ここでは、教育現場や企業研修での具体的な活用シーンをご紹介します。
3-1. 課題をグループごとに提出させる
グループワークの提出物として、グループの代表者に課題を提出させたいといった場面はよくあります。Moodleでは課題の設定でグループ提出を「yes」にすることで、グループごとの提出管理が可能です。評価もグループごとに一括で行えるため、未提出グループの把握が容易になり、管理効率が向上します。
▽課題のグループ提出画面。自分が属しているグループが表示されます。

3-2. グループごとに閲覧できる資料を変える
グループは「利用制限」でも設定することができます。Moodleにおける利用制限とは、日付や状態、
ユーザの属性などによって、モジュールの利用を制限する機能です。こちらの利用制限を活用すると、例えばAグループには××の資料、Bグループには△△の資料といったように、グループごとに閲覧できる資料を変えることができます。
▽利用制限でグループを設定した画面。Aグループ以外は資料を閲覧できません。

3-3. グループごとにMoodle内でディスカッションさせる
グループワークとして、グループごとに異なるスレッドでコミュニケーションをとってほしいといった場合は、フォーラムのグループモードを設定しましょう。グループごとにスレッドができ、その中でメンバー同士が自由にディスカッションできます。
▽グループごとのフォーラムが表示された画面

4. FAQ|“よくある質問”をMoodleサポートデスクが解説
ここからはMoodleのグループ・グルーピングについて、サポートデスクに多く寄せられる質問について解説いたします。

4-1. グループモードの可視グループと分離グループとは何ですか?
A.可視グループは他グループの活動を閲覧でき、分離グループは自分のグループの活動しか見られません。
Moodleの活動設定で選べる「グループモード」には、可視グループと分離グループの2種類があります。可視グループでは、受講者は自分のグループの活動に参加しながら、他グループの投稿や提出物も閲覧可能です。たとえば、他グループのディスカッションを参考にしたい場合などに適しています。
一方、分離グループでは、受講者は自分のグループの活動しか閲覧・参加できません。他グループの情報は一切見えないため、プライバシーを保ちつつ独立した活動を行いたい場合に有効です。
4-2. 学生に自分がどのグループに所属しているか分からないようにすることはできますか?
A. グループ設定で「グループメンバシップを表示しない」にすることで、学生は自分の所属グループを確認できなくなります。
Moodleでは、グループ設定時に「グループメンバシップを表示するかどうか」を選択できます。デフォルトでは、学生は「参加者」ページなどから自分がどのグループに属しているかを確認できますが、この表示を無効にすることで、所属グループを非公開にすることが可能です。
グループ分けの公平性を保ちたい場合や、グループ活動の独立性を重視する場面で設定するとよいでしょう。
4-3. 授業回ごとにグループを分けることはできますか?
A. グルーピングを使えば、授業回ごとにグループを分けることが可能です。
Moodleでは、グルーピング機能を活用することで、授業回ごとに異なるグループ構成を設定し、それぞれに対応した活動を表示することができます。たとえば、第1回目授業グループA・B、第2回目授業グループ C・Dの4つのグループを作成し、授業回ごとにグルーピングをすることで、同じユーザでも複数のグループデータを保持することが可能です。
グルーピングを設定したら、あとは活動(フォーラム、課題など)を作成する際に、対象となるグルーピングを指定することで、過去のグループはそのままで、新たなグルーピングのグループで活動ができるようになります。
5. まとめ|柔軟なグループ機能で授業設計をもっと自由に
Moodleの「グループ」や「グルーピング」機能は、他の学習管理システムと比べて高い柔軟性を持ち、授業の目的や構成に応じた細かな設定が可能です。課題提出、ディスカッション、資料の出し分けなど、多様な教育ニーズに対応できるため、教員からは「こんな使い方もできる?」といったご相談をいただくことも少なくありません。
こうした運用に関するご質問やサポートニーズに対して、ヒューマンサイエンスではMoodle専門のヘルプデスク代行サービスをご提供しています。
「教師や学生からの問い合わせ対応に手が回らない…」とお困りのご担当者様も、どうぞお気軽にご相談ください。メールはもちろん、電話でも対応可能で、コース設計や設定に関するお悩みにも丁寧にサポートいたします。
▽Moodle運用、どう支える?専門ヘルプデスクの導入事例はこちら
>専門性の高いヘルプデスクでMoodleの“困った”を即解決(学習院大学様)
>教員向けヘルプデスクとマニュアル公開で問い合わせ対応時間が10分の1に!(東京理科大学様)
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