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2025.10.29

Moodle

【Moodleマニュアル⑤】2025年版|グループ/グルーピングの設定方法と活用法をサポート担当者が解説!

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    「グループごとに課題を出したい」「特定のグループにだけ資料を配布したい」

    Moodleを使った授業や研修で、こうした悩みを感じたことはありませんか? Moodleには、受講者を柔軟に管理するためのグループ機能があり、これらを活用することで、学習活動の割り当てや資料の配布を効率的に行うことができます。

    本記事では、グループ・グルーピング機能の違いや設定方法を教育現場での活用例を交えながら、すぐに実践できるよう丁寧に解説します。



    1. Moodleの「グループ」と「グルーピング」機能とは?

    Moodleを使った授業や研修では、受講者をグループ分けして活動させたい場面が多くあります。
    たとえば、クラスごとに課題を提出させたり、特定のグループにだけ資料を配布したり、グループごとにディスカッションを行わせたりと、教育現場ではさまざまなニーズが存在します。

    こうした運用を支えるのが、Moodleの「グループ」および「グルーピング」機能です。
    一見似ているこの2つの機能ですが、それぞれの役割や使い方には明確な違いがあります。

    グループとグルーピングの基本的な仕組みと違いについてみていきましょう。

    1-1. グループとは?基本の仕組みと役割

    Moodleにおける「グループ」とは、同じコースに登録された受講者を小さな単位に分けて管理する機能です。これにより、グループごとに異なる活動や教材を割り当てたり、ディスカッションを分けることが可能になります。

    たとえば、ある大学の「英語プレゼンテーション」コースに30名の学生が登録されている場合、教員はこの受講者を「グループA」「グループB」「グループC」に分けることができます。各グループは、異なるトピックでプレゼンテーションを行ったり、グループ内で課題を提出したりすることができます。

    1-2. グルーピングとは?複数グループの管理方法

    Moodleにおける「グルーピング」とは、複数のグループをまとめて一つの単位として扱うための機能です。グループが「学生の小分け単位」だとすると、グルーピングは「グループの集合体」と言えます。これにより、特定のグルーピングに属するグループだけに活動や教材を表示するなど、より柔軟なコース運営が可能になります。

    たとえば、大学の「情報リテラシー」コースに1年生と2年生が混在している場合、1年生用に「グループA・B」、2年生用に「グループC・D」を作成し、それぞれを「1年次」「2年次」というグルーピングにまとめます。これにより、1年次のグルーピングにだけ表示される課題やフォーラムを設定することができます。

    ▽グループとグルーピングの図解

     

    2. 【2025年最新版】Moodleでのグループ/グルーピングの設定方法

    ここからはMoodle4.5のインタフェースに沿ってグループおよびグルーピングの具体的な設定方法を解説いたします。Moodleのグループ機能は、授業設計に沿った柔軟な設定が可能です。設定のポイントを押さえ、授業を効果的に進めましょう。

    2-1. グループの作成方法

    コースに登録されている参加者をグループ分けします。

    1) コースの参加者一覧を開きます。
    2) 画面左上「登録済みユーザ」のプルダウンよりグループを選択します。
    3) グループの設定画面が表示されます。グループは手動作成、自動作成、CSVでのインポート3つの方法で作成が可能です。ここでは、手動作成と自動作成について解説します。

    〇グループの手動作成
    1) 管理エリアより「グループを作成する」をクリックし、グループ名などを登録します。
    2) 作成されたグループごとに「ユーザを追加する」より参加者を登録します。

    〇グループの自動作成
    自動作成では、グループの数やグループの人数に応じて、簡単にグループを作成することができます。参加者数が多いコースでは自動作成がおすすめです。

    1) 管理エリアより「グループを自動作成する」をクリックします。
    2) グループの数や人数、割り当て方法などを決定し登録します。
    3) 条件によって自動でグループが作成されました。

    ▽グループは人数やグループ数など任意の条件に応じて自動で割り当てが可能です。

     

    2-2. グルーピングの作成方法

    グループを設定した上でさらに大きな塊としてグルーピングを設定します。

    1) コースの参加者一覧を開きます。
    2) 画面左上「登録済みユーザ」のプルダウンよりグルーピングを選択>「グルーピングを作成する」をクリックします。
    3) グルーピングの設定画面が表示されます。任意の名称をいれて、保存します。
    4) グルーピングの一覧画面の右側人型のアイコンをクリックすると、グループをグルーピングに割り当てる画面が表示されます。追加ボタンで割り当てを行ってください。

    3. Moodleグループ/グルーピングの活用事例

    実際の授業や研修で、グループ・グルーピング機能はどのように活用されているのでしょうか?ここでは、教育現場や企業研修での具体的な活用シーンをご紹介します。

    3-1. 課題をグループごとに提出させる

    グループワークの提出物として、グループの代表者に課題を提出させたいといった場面はよくあります。Moodleでは課題の設定でグループ提出を「yes」にすることで、グループごとの提出管理が可能です。評価もグループごとに一括で行えるため、未提出グループの把握が容易になり、管理効率が向上します。

    ▽課題のグループ提出画面。自分が属しているグループが表示されます。

    3-2. グループごとに閲覧できる資料を変える

    グループは「利用制限」でも設定することができます。Moodleにおける利用制限とは、日付や状態、
    ユーザの属性などによって、モジュールの利用を制限する機能です。こちらの利用制限を活用すると、例えばAグループには××の資料、Bグループには△△の資料といったように、グループごとに閲覧できる資料を変えることができます。

    ▽利用制限でグループを設定した画面。Aグループ以外は資料を閲覧できません。

    3-3. グループごとにMoodle内でディスカッションさせる

    グループワークとして、グループごとに異なるスレッドでコミュニケーションをとってほしいといった場合は、フォーラムのグループモードを設定しましょう。グループごとにスレッドができ、その中でメンバー同士が自由にディスカッションできます。

    ▽グループごとのフォーラムが表示された画面

    4. FAQ|“よくある質問”をMoodleサポートデスクが解説

    ここからはMoodleのグループ・グルーピングについて、サポートデスクに多く寄せられる質問について解説いたします。

    4-1. グループモードの可視グループと分離グループとは何ですか?

    A.可視グループは他グループの活動を閲覧でき、分離グループは自分のグループの活動しか見られません。
    Moodleの活動設定で選べる「グループモード」には、可視グループと分離グループの2種類があります。可視グループでは、受講者は自分のグループの活動に参加しながら、他グループの投稿や提出物も閲覧可能です。たとえば、他グループのディスカッションを参考にしたい場合などに適しています。

    一方、分離グループでは、受講者は自分のグループの活動しか閲覧・参加できません。他グループの情報は一切見えないため、プライバシーを保ちつつ独立した活動を行いたい場合に有効です。

    4-2. 学生に自分がどのグループに所属しているか分からないようにすることはできますか?

    A. グループ設定で「グループメンバシップを表示しない」にすることで、学生は自分の所属グループを確認できなくなります。
    Moodleでは、グループ設定時に「グループメンバシップを表示するかどうか」を選択できます。デフォルトでは、学生は「参加者」ページなどから自分がどのグループに属しているかを確認できますが、この表示を無効にすることで、所属グループを非公開にすることが可能です。

    グループ分けの公平性を保ちたい場合や、グループ活動の独立性を重視する場面で設定するとよいでしょう。

    4-3. 授業回ごとにグループを分けることはできますか?

    A. グルーピングを使えば、授業回ごとにグループを分けることが可能です。
    Moodleでは、グルーピング機能を活用することで、授業回ごとに異なるグループ構成を設定し、それぞれに対応した活動を表示することができます。たとえば、第1回目授業グループA・B、第2回目授業グループ C・Dの4つのグループを作成し、授業回ごとにグルーピングをすることで、同じユーザでも複数のグループデータを保持することが可能です。

    グルーピングを設定したら、あとは活動(フォーラム、課題など)を作成する際に、対象となるグルーピングを指定することで、過去のグループはそのままで、新たなグルーピングのグループで活動ができるようになります。

    5. まとめ|柔軟なグループ機能で授業設計をもっと自由に

    Moodleの「グループ」や「グルーピング」機能は、他の学習管理システムと比べて高い柔軟性を持ち、授業の目的や構成に応じた細かな設定が可能です。課題提出、ディスカッション、資料の出し分けなど、多様な教育ニーズに対応できるため、教員からは「こんな使い方もできる?」といったご相談をいただくことも少なくありません。
    こうした運用に関するご質問やサポートニーズに対して、ヒューマンサイエンスではMoodle専門のヘルプデスク代行サービスをご提供しています。

    「教師や学生からの問い合わせ対応に手が回らない…」とお困りのご担当者様も、どうぞお気軽にご相談ください。メールはもちろん、電話でも対応可能で、コース設計や設定に関するお悩みにも丁寧にサポートいたします。


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