2025.07.10
eラーニングを内製化するメリットは?内製化の流れや注意点も解説
現在、多くの企業が研修や教育の手法としてeラーニングを取り入れていますが、教材制作や運用を外部の業者に委託せずに「内製化」する動きが注目されています。
この記事では、eラーニングを内製化することで得られるメリットをはじめ、導入までの流れや注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。内製化を検討中の方や、eラーニング導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
1. eラーニングの内製化とは?
まずはeラーニングの基本を押さえたうえで、内製化の概要について理解しておきましょう。
〈eラーニングとは?〉
eラーニングは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの電子デバイスを使用し、場所や時間を問わず自分のペースで学習できる教育手段です。企業では、社員研修やスキルアップ、コンプライアンス教育など幅広い分野で活用されています。学習の進捗管理やテスト、アンケートなど、機能が充実しており、効率的・効果的な教育が可能です。
〈eラーニングの内製化とは?〉
eラーニングを導入する際は、学習内容に応じた教材が必要になります。一般的には、市販の教材を利用したり、専門の制作会社に依頼する方法がありますが、自社で教材を制作・運用するという方法もあります。これが「内製化」です。
教材を内製するには、主にeラーニング作成ツールなどを活用します。
内製化の最大のメリットは、自社の状況や業務に直結したオリジナルの教材を作成できる点です。このような柔軟性や、コスト面でのメリットがある一方で、制作スキルやリソースの確保といった課題もあります。
次の章では、内製化によって得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。
>eラーニングとは? 目的から歴史、メリット・デメリット、使い方、導入のポイントまで解説!
>eラーニング教材作成ツールとは? 教材作成の強い味方!メリットとおすすめツール8選をご紹介
2. eラーニングを内製化するメリット
自社の課題にマッチした質の高い教育を、コストを抑えながら実現したい企業にとって、「内製化」はとても有効な選択肢といえます。ここでは、そんな内製化のメリットを整理していきます。
〈メリット.1〉自社独自のニーズや状況に応じた教材コンテンツによる研修が可能
内製化の最大のメリットは、企業の文化や業務内容、社員のスキルレベルなどに合わせたオリジナル教材を作成できる点です。既存の教材では、どうしても一般的な内容に終始してしまいますが、オリジナル教材であれば、自社固有のノウハウやルールだけを教育できます。
〈メリット.2〉制作スピードが速い
社内で制作体制を整えておけば、教材の企画から完成までをスムーズに、かつ短期間で進めることが可能です。
〈メリット.3〉外注コスト削減
外部のベンダーに依頼する場合に比べて、制作・運用のコストを抑えられます。長期的に見れば、継続的な教材開発が必要な企業ほど内製化の費用対効果は大きいといえます。
〈メリット.4〉更新性・柔軟性が高い
法改正や社内ルールの変更などに応じて、教材を素早く修正・更新できます。変更のたびに外注先とのやり取りや調整が不要なので、手間やタイムラグが発生せず、教育内容の最新性を維持しやすくなります。
〈メリット.5〉 社員の教材作成スキル向上
内製化を行うことで、担当者が動画編集やナレーション、教材の企画構成などのスキルを身につけ、社内にノウハウが蓄積されていきます。これにより、回を追うごとに教材開発がよりスムーズになります。
eラーニングの内製化は、自社に最適な教材をスピーディかつ低コストで作成できる優れた手法です。教育の質と柔軟性を両立したい企業は、内製化を選択肢の一つとして検討することをおすすめします。
3. eラーニングの内製化の流れ(ステップ)
eラーニングの内製化を成功させるためには、教材作成の適切な手順を理解し、計画的に進めることがポイントです。この章では、内製化の一般的なステップを紹介します。
〈Step.1〉目的の明確化
最初に、「何のための教育なのか」「誰を対象にするのか」「どのようなスキルや知識を習得させたいのか」などの明確な目的を定めましょう。ゴールを設定することで教材の内容に一貫性が生まれ、高い学習効果を狙える研修設計が可能になります。
〈Step.2〉人員・ツールの確保
教材制作や運用に関わるメンバーを確保し、LMS(学習管理システム)やオーサリングツールなどの必要なシステムを整備しましょう。専門知識を持った担当者がいれば、よりスムーズに内製化を進めることができます。
〈Step.3〉教材の設計
教材の構成やシナリオ、学習ステップを設計します。「動画」「クイズ」「スライド」など、どのような形式や演出方法を用いるかもこの段階で決めましょう。学習者が飽きずに理解を深められる構成が理想です。
〈Step.4〉設計に基づくコンテンツ作成
Step.3の設計図をベースに、教材作成に着手します。ナレーション原稿やスライド資料、動画撮影・編集など、コンテンツを具体的な形に落とし込んでいきます。
〈Step.5〉テスト・フィードバック
完成した教材は、まずは対象者を絞って試験的に実施しましょう。そして、学習者の反応や理解度を確認し、意見を集めて改善点を洗い出します。ここでのフィードバックは質の高い教材づくりのカギを握ります。
〈Step.6〉テスト結果をもとに修正
テスト結果や学習者からの意見を反映し、コンテンツの修正や再構成を行います。ここでの細やかな調整が、教材の完成度を大きく引き上げます。
〈Step.7〉本番運用
教材を正式に公開・運用していきます。LMSの機能を活用しながら、運用をスムーズに進めましょう。
〈Step.8〉評価
設定したゴールに対して、どの程度の学習効果があったのかを評価します。学習者の理解度を、テストやアンケート、その後の業務への影響など「多角的な視点」で検証することが大切です。
〈Step.9〉改善・更新
Step.8の評価結果をもとに、教材内容や構成、運用方法などを定期的に見直しましょう。迅速かつ柔軟にアップデートを行うことが、eラーニングの継続的な学習効果を支えます。
eラーニング教材は一度作ったらそれで終わり、ではなく、計画・制作・運用・改善のサイクルを繰り返すことで、より質の高いものに更新されていきます。上記のステップを意識して、ぜひ内製化を成功させましょう。
4. eラーニングを内製化するときの注意点
eラーニングを内製化する際の注意点を解説します。よくある落とし穴と、その対策を押さえておきましょう。
〈1〉行き当たりばったりに内製化を進めると、うまくいかない
学習の目的や対象者を明確にしないまま教材作りに着手すると、方向性がブレてしまい、結果として内容の薄い教材になりがちです。
▶〈1〉の解決策
前章の「〈Step.1〉目的の明確化」で触れたように、目的や対象の定義を明確にし、前述のステップに沿って段階的に進めることがポイントです。
〈2〉専門知識やスキルの不足が課題
動画編集や教材設計など、eラーニングの内製化には一定の専門知識が求められます。担当者にそのようなスキルがないと、質の低い教材になってしまう恐れがあります。
▶〈2〉の解決策
ベンダーのサポートを受けたり、担当者向けのトレーニングを受講するなど、必要なスキルを補完しましょう。
〈3〉人的・時間的リソースの確保
ほかの業務と並行して教材作成を行うのは、想像以上に負担がかかります。また、人的リソースが不足すると制作が長期化したり、教材のクオリティが低下することも。
▶〈3〉の解決策
制作体制を調整する段階で、専任担当者や時間の確保を計画しておきましょう。また、作業の分業化やiSpring Suite MAXなどの作成ツールを活用するなど、負担を軽減する工夫を取り入れることも重要です。
eラーニングの内製化では、準備不足や計画性の欠如がトラブルを引き起こす原因となります。適切なプロセスやスキルの補完、リソース確保を意識すれば、きっと質の高い教材を作成することができます。
5. まとめ
eラーニングの内製化は、自社のニーズに最適化された教育が実現でき、さらにコストや運用面でもメリットが期待できます。もちろん教材をつくる手間はかかりますが、iSpring Suite MAXのような作成ツールを活用すれば、PowerPointを操作する感覚で直感的に教材を作成でき、スムーズな内製化を後押ししてくれます。
とはいえ、内製化には専門的な知識や体制づくりも求められます。「何から始めたらいいかわからない」という方は、eラーニングの導入をサポートするベンダーに相談するのも一つの方法です。
ヒューマンサイエンスは2000年のサービス開始以来、約3,000件のeラーニング教材を制作してきました。iSpring社認定リセラーでもあり、iSpring社製品のご提案や使い方セミナーの開催など、eラーニング制作に関する広い範囲でご支援も行っています。社内教育の質を高めたいとお考えの方は、ぜひヒューマンサイエンスにご相談ください。
iSpring社製品に関するサービスの詳細は、以下のページからご確認いただけます。
> 使い慣れたいつものPowerPointでリッチなeラーニング教材を作成iSpring導入支援
iSpring Suite / iSpring MAX の機能や使い方がわかる!iSpring徹底ガイド

アニメーション教材制作ツール「iSpring」の概要や使用方法についてご紹介しています。
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【内容】
- iSpring Suite/ iSpring Suite MAXとは
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- iSpring Suite (MAX) の概要と活用方法
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