2023.08.08
社員教育や研修にeラーニングが有用な理由とは?
ビジネス環境が目まぐるしく変化する現代。企業にとって、競争力の維持や持続的な成長は重要な課題となっています。その課題を解決するためには、絶えず進化するスキルと、正しい知識を持った社員が不可欠です。つまり「効果的な社員教育が、企業の成功のカギを握る」と言っても過言ではありません。
そこで、社員教育にぜひ活用していただきたいのがeラーニングです。
インターネットやデジタル技術を駆使して学びの機会を提供するeラーニングは、効果性と効率性を兼ね備えた学習手法であり、数多くの企業で利用されています。
今回のブログでは、社員教育に使える多様なeラーニングの機能から、活用事例、導入時のポイントまで幅広く解説。社員教育の成果を高める、eラーニングの効果的な活用方法を探っていきます。
1. 社員教育が企業にもたらす恩恵
冒頭でも触れたように、企業にとって社員教育は必要不可欠です。ここでは、社員教育が企業にどのような恩恵をもたらすのか、改めてまとめてみます。
(1)技術や業務の進化への適応
ビジネス環境は日進月歩で、新しい技術や業務手段が次々に登場しています。社員教育は、企業が最新技術やベストプラクティスに対応し、競争力を保つために重要です。社員が最新のスキルや知識を身につけることで、効率的に業務が遂行できるようになり、イノベーションの促進も期待できます。
(2)企業の競争力の強化
企業間の競争が激化する中、社会人は常に新たなスキルや知識を身につけることが求められます。つまり、社員教育とは、企業の競争力を強化するための基盤ともいえます。
社員教育とは、市場の要求に応えられる人材を育成することでもあるのです。その結果、競合他社に対して優位性を持ち、持続的な成長の実現につながります。
(3)リーダーシップの育成
社員教育は、リーダー候補の育成にも役立ちます。リーダーシップのスキルは、単に組織を運営するだけではなく、ほかの社員を指導し、育成するためにも不可欠。リーダーシップのトレーニングを提供することで、将来のリーダー層を育成・強化することができ、企業の存続や発展に寄与します。
(4)モチベーションとエンゲージメントの向上
社員教育を通して、自身の成長へのサポートを受けた社員は、仕事に対する意欲が高まり、熱心に業務に取り組むようになります。また、企業が社員教育に積極的に取り組む姿勢を示すことで、社員のロイヤルティが向上し、離職率の低下にも貢献します。
(5)新たなアイディアとイノベーションの促進
社員教育を通して知識やスキルが向上した社員は、問題解決能力や創造力が身につきます。それにより、新たなアイディアが生まれたり、イノベーションを促進したりする機会を生み出してくれます。
企業の成長に不可欠な社員教育は、スキルや専門知識の強化、リーダーシップの育成、モチベーションの向上など、さまざまなメリットを生み出します。社員教育に積極的に取り組むことは、これらのメリットを充分に享受することにつながります。
2.社員教育に使えるeラーニングの機能
社員教育を、より効果的かつ効率的に実践するためには、多くの機能を備えたeラーニングを活用することがおすすめです。ここでは、eラーニングの代表的な機能や特性をご紹介します。
■ 学習管理システム(LMS:Learning Management System)で管理が容易
LMSはeラーニングの核となるプラットフォームであり、学習コンテンツの提供や進捗管理、成績評価などを一元的に管理できます。社員一人ひとりの学習履歴や進捗状況をトラッキングし、必要に応じてフォローアップやフィードバックを行うことも容易です。
■ カスタマイズ可能な学習コンテンツでオリジナルの教材も
eラーニングは、電子データで提供されることから、カスタマイズが容易で、自社オリジナルの学習コンテンツを作成することもできます。したがって、企業内部のルールや手順、価値観などを教材に盛り込む際には特に便利です。動画やプレゼンテーション、テキスト、演習など、さまざまな形式の教材が作れるので、内容にあわせて最適な学習方法を選択することができます。
■ インタラクティブな学習体験で理解を促進
eラーニングでは、教材にインタラクティブな要素を加えることもできます。例えば、シミュレーションやゲーム、クイズ、アニメーションなどを教材に組み込むことにより、学習に対する興味関心を引き出し、理解の促進が期待できます。
■ コミュニケーションを促し、学習意欲をアップ
eラーニングプラットフォームには、フォーラム、チャット、メッセージなどの機能を通じて、社員と講師や、社員同士が学習について意見を交換したり、質問を投げかけたりすることができます。これによって、コミュニケーションや知識共有が促進され、学びへのモチベーションや継続力が高まります。
■ モバイル対応で時間を有効活用
多くのeラーニングプラットフォームは、モバイルデバイスに対応しています。つまり、スマートフォンやタブレットなどから手軽にアクセスできるため、多忙な社員も、移動中などの空いた時間を学習に充てることが可能です。
このようなeラーニングの機能や特性を社員教育に活用することで、社員のスキル向上と成長をサポートすることができます。社員教育の質を高めるeラーニングの導入は、企業にとって非常に有益な選択肢となるのではないでしょうか。
3.eラーニングを社員教育で活用した事例
ここまで社員教育の意義や、eラーニングの機能・特性について解説してきましたが、実際には、どのような場面でeラーニングは活用されているのでしょうか。企業の活用事例を見ていきましょう。
活用事例.1 新入社員に向けたオリエンテーション研修
新入社員や中途採用者に向けたオリエンテーション研修にも、eラーニングを活用できます。eラーニングを導入することで、社員は同じ質の学習を、最初のステップから修得することができます。また、企業の歴史やビジョン、行動規範、基本的な業務ルールなどを教材に含めることで、社員は企業の存在意義や方向性に共感しやすくなります。
活用事例.2 現場の社員への実践型研修
言葉での説明が難しい作業手順や操作方法なども、eラーニングであれば、動画やモーショングラフィックスなどの視覚情報を通して、明確に伝えることが可能に。飲食業や医療分野など、現場で働く社員に対しても、より実践的なスキルを身につける機会を提供できます。このような実践型研修は、これまでOJTでの教育が一般的でしたが、教育レベルにばらつきが生じやすいという不安もありました。しかし、教育の均質化が図れるeラーニングであれば、その心配もありません。
活用事例.3 継続的なトレーニング研修
社員が定期的にスキルを磨き、知識をアップデートするために行われる継続的なトレーニング研修でも、eラーニングは力を発揮します。eラーニングプラットフォームは、教材のアップデートや管理が容易なので、常に最新の情報を提供することができます。また、対面式の研修の場合は、コンスタントな開催にはそれなりの手間がかかりますが、eラーニングであれば、時間や費用が抑えられます。
活用事例.4 社外パートナーに向けた研修
eラーニングはオンライン上で学習を提供するため、場所や時間に制約されることがありません。そのため、全国津々浦々、あるいは世界中に点在する代理店や業務委託先といった社外パートナーに対しても、新製品や新しいサービスの周知などにも効率的に活用できます。
また、海外企業と取り引き※1をしている場合、多言語対応のeラーニングプラットフォームを利用すれば、さまざまな言語で教材を提供することが可能です。
※1:EU圏内でのeラーニング配信については制約が設けられている場合があるため注意が必要です。
ご紹介した活用事例はほんの一例ですが、ほかにもさまざまな社員教育の場でeラーニングは重宝されています。柔軟性と効率性に富んだeラーニングは、これからも企業の教育プログラムに革新を起こしてくれそうです。
4.社員教育にeラーニングを導入する際のポイント
社員教育に有用なeラーニングですが、どのような点に留意して導入するのがよいのでしょうか。ここでは、eラーニングを導入する際のポイントを解説していきます。
〈ポイント.1〉教材の目的とターゲットオーディエンスを明確に
教材の目的を明確にし、どのようなことを社員に伝えたいのかを把握することが大切です。また、社員の特性や意向、学習環境などを理解することで、より適切なコンテンツを提供できます。
〈ポイント.2〉コンテンツはシンプルでわかりやすく
eラーニングは自己学習が主体となるため、ダラダラと長いコンテンツは社員の学習意欲を低下させる場合があります。短く、テンポのよい構成を意識し、長くなりそうな場合は、章を分けるなどの工夫を図りましょう。
テーマを絞った短いコンテンツになっていれば、復習する際の検索性もアップします。
〈ポイント.3〉動画やインタラクティブな要素を加える
視覚的に楽しめる動画教材や、クイズやシミュレーションを通じて知識の理解を促すインタラクティブな要素を加えてみることも有効です。社員の関心を惹きつけることで、学習意欲を向上させ、理解を深めることにつながります。
〈ポイント.4〉評価とフィードバック機会を設ける
eラーニングは、学習評価やフィードバック機能を組み込むことも可能です。これらの機能により、社員一人ひとりの理解度や進捗を把握し、必要なサポートを提供できます。また、社員が自身の成績や進捗を把握することで、モチベーションの向上にもつながります。
〈ポイント.5〉適切な学習ペースを設定する
社員教育は大切ですが、業務の負担になってしまっては本末転倒です。社員の負担を減らすためにも、適切な学習ペースを設定しましょう。情報の量や難易度を考慮し、ストレスなく学べるように配慮することがポイントです。
〈ポイント.6〉コンスタントに改善と更新を
ビジネス環境は常に変化し、新たな情報や技術が続々と登場します。このような流れに対応できるように、eラーニングコンテンツは、定期的に改善や更新を図るようにしましょう。コンテンツを刷新することは、古くなった情報の誤配信や内容の陳腐化を防ぐことにつながり、“価値のある知識”を社員に提供することができます。
〈ポイント.7〉マルチデバイスへの配慮も忘れずに
それぞれ異なるデバイスでもeラーニングを活用できるように、アクセシビリティの配慮もお忘れなく。PCやスマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスで快適に学習できるように設計をしましょう。
このような点に留意することで、eラーニングは、より魅力的で効果的なものとなります。社員教育の成果をアップさせるためにも、利用する社員の視点に立った、適切な配慮が求められます。
5.まとめ
eラーニングは、多くの企業の、さまざまな社員教育の場で活用されています。
その背景には、eラーニングの特長である、柔軟性や効率性、そしてカスタマイズ性などがあるのではないでしょうか。各企業にマッチした「最適な学習コンテンツ」を生み出し、社員それぞれのニーズに沿った「最適な学習環境」を提供できるのは、eラーニングの魅力であり、最大の強みです。
そんなeラーニングの効果を最大化させるには、正しい「教育設計」を行うことが非常に重要です。ヒューマンサイエンスは、eラーニングに特化した教育設計づくりをサポートし、これまで、数多くの課題をお客様と共に解決してきました。
社員教育にeラーニングを活用されたいとお考えであれば、ぜひ、ヒューマンサイエンスにお問い合わせください。御社に特化した、最適な教育設計をご提案させていただきます。
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