2023.09.04
Totara LearnとはどんなLMSか?機能と利用事例の紹介
「Totara Learn」は、エンタープライズ向けの学習管理システム(LMS)です。このブログでは、Totara社(トタラ)のソリューションのひとつである「Totara Learn」についてご紹介させていただきます。
1.Totara Learnとは?
Totara Learnは、LMSとしての基本的な学習管理機能に加えて、企業内での人材育成のニーズに特化した機能を追加・強化しています。世界140カ国、1,500の顧客、2,000万人のユーザーに利用されている企業・組織向けの学習管理システムです。 小規模のオフィスからグローバル展開しているエンタープライズ企業まで対応することができますが、オープンソースであること、そしてサブスクリプションで提供されていることから、同程度の機能を持つ他のエンタープライズ対応のLMSと比較して安価に導入・運用が可能になっています。
Totara Learnは、次の3つのシステムで構成されるTotara Talent Experience Platformのひとつです。
- Totara Learn:学習を管理するシステム(LMS)です。
- Totara Engage:従業員のエンゲージメント、結束、スキルアップを図るためのラーニングエクスペリエンスプラットフォーム(LXP)です。
- Totara Perform:パフォーマンス管理システムです。
これら3つのシステムを組み合わせることで、従業員向けの統合されたタレントエクスペリエンスプラットフォーム(TXP)を構成します。
2.Totara Learnの特長
Totara learnは、基本的な学習管理システムに求められる機能に加え、会社や組織におけるビジネスに必要な機能を追加しています。その特長のいくつかをご紹介します。
柔軟な学習環境を提供します学習者が全てのコンテンツ(ビデオ、eラーニングパッケージ、Webキャスト、PDF、質問バンクなど)に素早く簡単にアクセスすることができます。また、インストラクター主導の集合研修とのブレンド型学習を提供します。
タレントエクスペリエンスプラットフォーム(TXP)を構成しますTotara Learnは、Totara EngageおよびTotara Performと連携して、シームレスな学習、パフォーマンス管理、および従業員エンゲージメントエクスペリエンスを総合的に提供するタレントエクスペリエンスプラットフォーム(TXP)を構成します。
オープンプラットフォームですTotara Learnは、オープンテクノロジーの利点を活かしたシステムです。ソースコードの調整や新しい機能の追加などを行い、ビジネスの手順や固有のニーズに合わせて最適なLMSにカスタマイズできます。
企業・組織における⼈材育成に特化しています基本的な学習管理機能に加え、企業内での⼈材育成ニーズに特化した機能が実装されています。次のような機能が提供されています。
- 組織階層・ポジション・チームマネジメントによるパーソナライズされた学習体験を提供します。
- 集合研修とのブレンド型学習をサポートします。
- コンピテンシー・学習プランによる職務・組織に最適な学習を提供します。
- 認定・バッジに対応します。
- レポートエディタによる柔軟なレポートを作成します。
- 個人のパフォーマンスを管理します。
Totara Learnはオープンソースのため、これまでのエンタープライズ対応のLMSでは難しかった機能拡張やカスタマイズができます。標準でも多機能なTotara Learnを、よりニーズにフィットしたLMSとして活⽤することができます。
多⾔語に対応しています⽇本語・英語を含め36ヶ国語に対応しています。システムで使⽤している⽤語は、運⽤に合わせて設定により変更することができます。
マルチデバイスに対応していますレスポンシブデザイン対応により、PCの他スマートフォン・タブレットなどのモバイルデバイスからのアクセスに対応します。
モバイルアプリが用意されています学習者は接続中にeラーニングをダウンロードし、オフライン中に完了し、再びオンラインになったら回答と結果を簡単に送信できます。
他ツールと連携できます既存の⼈事管理システム(HRIS)やCRM、その他のシステムとの統合・連携をすることにより、⼈材育成に関するワークフローを最適化します。
定期的にセキュリティ対応されていますMoodleで培われたセキュリティ対応に加えて、GDPR(General Data Protection Regulation⼀般データ保護規則)にも対応しています。またバージョンアップによるバグ・セキュリティ対応は、リリース後3年間サポートされます。
3.Totaraが利用されているところ
Totaraは世界のいろいろなところで利用されています。そのいくつかをご紹介します。
3-1. 病院やヘルスケア
医療はどんどん進化し、新しいルールややり方が出てきます。それに合わせてTotaraは、病院で働く人たちや医師たちに、新しいスキルを学ぶことができる場所を提供しています。医師たちが受けたトレーニングが、その後、他の多くの病院や医療のプロたちに広がり、スキルアップや新しい技術のサポートに貢献しています。また、仕事の内容や働いている場所によって、学ぶ内容を変えたり、それぞれの人たちに合った情報を提供したりしています。こうして、医療の進化に対応し、スキルアップや成長に役立てられています。
3-2. 小売業
小売業で働く人たちの仕事をよくするために、3つの大切な問題に取り組んでいます。1つ目は新しい人を雇うこと、2つ目は雇った人が長く働いてくれるようにすること、3つ目は必要なスキルを持っていない人たちが、必要なスキルを身につけられるようにすることです。これらの問題を解決するためにTotaraが使われています。スキルを伸ばし、すぐに辞めることなく、仕事で必要なことを学んで成長できるようにサポートします。 また、いつでもどんなデバイスであっても、その使い方について助けてもらえる仕組みを作っています。これによって、売り上げが下がるのを防ぐだけでなく、お店や会社が成功する手助けをします。足りないスキルを補ったり、スキルを評価して必要なトレーニングを考えたりするためのリストも作られています。新しいお客さんの要望に合わせて、従業員と会社がうまく対応できるようにTotaraは役立てられています。
3-3. 政府機関
Totaraは、政府の人たちが効率的に仕事ができるよう手助けしています。世界中の政府の人たちをトレーニングして成長させるためのプラットフォームを提供しています。それで、政府の中のいろんな部分が結び合わされて、安心して働ける環境を作っています。 お金の使い方も大切です。限られた費用の中で、上手に他の人たちの能力を使えるような仕組みも提供しています。ベテラン層の人たちのスキルをアップさせたり、若い人たちの成長を手伝ったりして、みんなが大事な役割を持ち続けることができるようにしています。 法律やルールが変わることもあります。それに対応するために、従業員たちにルールや規則について教えたり、大切な情報を守る方法を教えたりしています。そのためのコースを受けたり、報告書を提出したりして、チェックする準備も整えています。
3-4. 製造業
物を作る仕事の中でも、新しい技術や機械が大事なものになってきています。そのため、働く人たちのスキルをアップさせることが大切です。Totaraは、そうした人たちをサポートして、仕事のルールや柔軟さを守りながら、大切な技術を学べるようにしています。 高いスキルを持った人たちを育て、仕事のスキルを広げていく手伝いをしています。個々の人たちに合わせて勉強することができ、また職場の外でも学べる機会を提供しています。 安全に仕事をするために、大切なルールを学ぶよう貢献しています。操作する機械について正しく理解し、怪我のないよう働く人たちの健康を守る点でも役立っています。安全な環境を作り、会社がきちんと機能するようにTotaraはサポートしています。
4.Totaraの企業への利用事例
Totaraは世界の多くの企業で利用されています。それらの企業でどのように使われているかについても、いくつかご紹介します。
4-1. コマツチリ
コマツは、鉱業、建設、林業、工業などの市場向けの機械や、製造、販売、流通、リース、アフターサービスの世界的リーダーです。Totaraを導入し、従業員のスキルを向上させています。チリで主に採掘に重点を置いているコマツチリとそのトレーニングセンター(CFK)は、Totara LearnとTotara Performを使用して新しいトレーニング方法を採用しています。
4-2. トヨタ/レクサス
トヨタ/レクサスは自動車技術の進歩と開発における世界的リーダーであるだけでなく、学校の学習者や研修生に優れたトレーニングの機会も提供しています。Totara Learnを使って、オーサリングと学習管理だけでなく、実習生の能力開発と目標達成を支援するための学習計画もカバーしています。
4-3. ブリヂストン
ブリヂストンは、タイヤ技術とイノベーションにおける世界的リーダーです。ほぼすべての車両および用途向けに、性能重視の乗用車および小型トラック用タイヤを設計しています。ブリヂストンは、Totara Learnプラットフォームを再設計してユーザーエクスペリエンスを向上させ、従業員が使いたいと思える学習プラットフォームとなるよう新しい方法を導入しています。ゲーミフィケーション、新しいルックアンドフィール、提供するコースをナビゲートするためのより良いユーザーエクスペリエンスを組み込むことで成功しています。
4-4. ヤマハモーターヨーロッパNV
ヤマハ発動機は、オートバイ、マリン製品、その他の電動製品を製造する日本のメーカーです。ヤマハモーターヨーロッパNVは、専用のディーラーネットワークを介してこれらの製品およびスペアパーツの流通、マーケティング、販売およびサポートを担当する欧州本社です。Totara Learnに移行することでトレーニングを30%節約できました。
4-5. ソニー
ソニーは、市場をリードする放送、プロフェッショナル、ビジネスソリューションの開発におけるリーダーでありイノベーターです。ソニーは、ディーラー、再販業者、顧客向けにTotaraベースのナレッジポータルを作成しました。製品情報ページを備えていることに加え、ユーザーが学習を追跡し、ソニーがサイトに公開したコースの人気を追跡しながら学習者の進捗状況を確認できる機能を備えたトレーニングソリューションです。
5.まとめ
Totara Learnは、学ぶ人が自分で何を勉強するか選び、自分から積極的に勉強することを支援するツールです。学ぶ人は、「上司が言ったから」ではなく、「これを知っておかないと困るな」と思って、自分から学んで、それから自分で問題を解決することは大切です。これを経験すると、勉強する理由が生まれて勉強する意欲が育ちます。まだまだ日本の学習方法は「自ら学ぶ」より「先生や先輩から教えてもらう」ということが多いかもしれません。情報セキュリティやコンプライアンスなど、全員が一律に学ぶ場合はそれで良いかもしれませんが、日々の業務を進め、その時にぶつかる問題を乗り越えていくためには、「自ら学ぶ」ことは本当に大切だと感じます。Totara Learnのような製品がもっと日本で求められる時代が来ることを願っています。
株式会社ヒューマンサイエンスは、2014年10⽉にTotara learning Solutions社とソリューションパートナー契約を締結し、⽇本では唯⼀の公式パートナーとしてTotara learnのソリューション提供をしています。詳しくは、下記をご覧ください。
>ヒューマンサイエンス|Totara learnソリューション
>Totara公式サイト
※「Totara」とはトタラの木のことです。この木はニュージーランド(Totara社の創業の地)原産で、その柔軟性、強さ、耐久性により先住民族マオリ族で長い間崇拝されてきたそうです。その特性に倣うことを目標とするために「Totara」が使われています。
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