2025.07.10
Totara Learnで始めるオンライン教育~企業の人材育成をサポートするeラーニングプラットフォーム~
オンライン教育の導入を検討している皆さん、今回のブログでは、企業や組織での人材育成に特化したeラーニングプラットフォーム「Totara Learn」についてお知らせします。以前にも紹介したことがありましたが、今回は一般的なeラーニングプラットフォームと異なる機能を中心に説明します。企業でのオンライン教育を始めるのに役立つ情報となっています。
1.Totara Learnとは
Totara Learnは、世界中で広く利用されているオープンソースの学習管理システム(LMS)で、特に企業向けに設計されています。世界中の大手企業や官公庁、非営利団体などでも導入されており、日本国内でも着実に利用が広がっています。
※Totara公式サイトより(2025年6月現在)
2.Totara Learnが他のeラーニングプラットフォームと違うところ
Totara Learnは、組織階層、ポジション、チームマネージメントを活用して、企業内の人材育成を効率的かつ効果的にサポートします。そこが、他のeラーニングプラットフォームと違うところです。その特徴となっているところを紹介します。
組織階層とポジションの設定組織の構造を反映した階層を作ることができます。それぞれの階層(ポジション)に学習コンテンツを割り当てます。例えば、特定の部署や役職に応じた学習プランを自動的に割り当てることができます。
チームマネージメントチームごとの業務内容や学習ニーズに合わせて、適切な学習コンテンツを割り当てることができます。チームリーダーがメンバーの学習進捗を見て、必要に応じてサポートすることができます。
ダイナミックオーディエンス組織階層やポジションに基づいて、特定のグループ(オーディエンス)を設定します。そのオーディエンスに対して学習コンテンツを一括で登録することができます。例えば、部署が異動になったり、昇進したりすると、オーディエンスの設定に従って自動的に学習コンテンツが割り当てられることになります。(後述します)
学習プランとコンピテンシーの管理(後述します)各ポジションに必要なスキルや知識を定義し、それに基づいて学習プランを作成します。学習プランは、個々の学習者のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。
レポートとフィルタリング学習進捗や成果をポジションや組織階層に基づいてフィルタリングし、適切なレポートを作成します。これにより、管理者は特定のグループの学習状況を簡単に把握することができます。
Totara Learnは、これらの機能を通じて、企業内の人材育成を効率的かつ効果的にサポートします。この中でもさらに特長となる2つの機能を取り上げて説明します。
2-1. ダイナミックオーディエンス機能
ダイナミックオーディエンス機能は、Totara Learnの強力なツールです。特定の条件に基づいて学習者グループを自動的に作成し、管理することができます。以下のような特徴があります。
条件ベースのグループ作成学習者の属性(例えば、部署、役職、勤務地など)に基づいてグループを自動的に生成します。これにより、特定の学習コンテンツを適切な学習者に効率的に割り当てることができます。
リアルタイム更新学習者の情報が変更された場合、ダイナミックオーディエンスも自動的に更新されます。例えば、新しい社員が特定の部署に配属された場合、その社員は自動的に関連する学習グループに追加されます。
ターゲット学習コンテンツの配信特定のグループに対して、カスタマイズされた学習コンテンツを提供することができます。これにより、学習体験がよりパーソナライズされ、効果的になります。
柔軟なフィルタリング学習者の属性や行動に基づいて、複数の条件を組み合わせてグループを作成することができます。例えば、特定のスキルレベルを持つ学習者や特定のコースを完了した学習者を対象にしたグループを作成できます。
この機能により、企業は学習管理を効率化し、学習者に最適なコンテンツを提供することができます。
<ダイナミックオーディエンスの設定画面>
<部署が営業部の人をオーディエンスしているところ>
<ダイナミックオーディエンスの説明図>
2-2. コンピテンシー機能
次は、Totara Learnのコンピテンシー機能です。これは、組織内で必要なスキルや知識を定義し、それに基づいて学習プランを作成・管理するための強力なツールとなっています。以下のような特徴があります。
スキルと知識の定義各ポジションや役割に必要なスキルや知識を具体的に定義します。これにより、学習者がどのスキルを習得する必要があるかを明確に把握できます。
学習プランの作成定義されたコンピテンシーに基づいて、個々の学習者に最適な学習プランを作成します。学習プランは、必要なコースやトレーニングを含み、学習者が段階的にスキルを習得できるように設計されています。
進捗の追跡と評価学習者の進捗をリアルタイムで追跡し、コンピテンシーの達成度を評価します。これにより、学習者がどの程度スキルを習得しているかを把握し、必要に応じて追加のサポートを提供できます。
レポートと分析コンピテンシーの達成状況をレポートとして出力し、組織全体のスキルギャップを分析します。これにより、組織の人材育成戦略を効果的に計画・実行することができます。
パフォーマンスマネジメントとの統合コンピテンシー機能は、パフォーマンスマネジメントと統合されており、学習者のパフォーマンス評価と連携しています。これにより、学習成果が実際の業務パフォーマンスにどのように影響しているかを評価できます。
このように、Totara Learnのコンピテンシー機能は、組織の人材育成を体系的かつ効果的にサポートするための重要なツールです。
<コンピテンシーの設定画面>
<コンピテンシーを習得した人のグラフ>
<コンピテンシーの説明>
3.Totara Learnを導入する方法
Totara Learnの導入は以下のステップで進められます。
①ニーズのヒアリングと要件定義
まず、企業の教育ニーズや目標を明確にし、それに基づいてシステムの要件を定義します。
②システム設計と構築
要件に基づいてシステムを設計し、オンプレミスまたはクラウド環境に構築します。
③初期設定とデータ移行
システムの初期設定を行い、必要なデータを移行します。
④トレーニングとサポート
管理者やユーザー向けのトレーニングを実施し、運用開始後のサポート体制を整えます。
4.Totara Learnの導入のサポートや費用
LMSを導入する際にはどんなサポートを受けられるのか気になるところです。基本的に、以下のようなサポートが世界中にあるTotara公式パートナーから提供されます。
導入支援
Totara公式パートナーは、企業のニーズに合わせた最適な導入プランを提案してくれます。
運用サポート
操作・設定に関する質問やトラブルに対応するための電話・メール・専用ポータルでのサポートサービスが提供されています。
コンテンツ制作支援
Webコンテンツ、アニメーション、ビデオからVR/ARコンテンツまで、企画・設計段階からeラーニングでの運用までワンストップで対応可能です。
運用業務代行
ユーザーやコースの登録、組織・ポジション・運用ルールの設定から、レポーティング、バックアップ、事務局関連業務まで、運用上必要な業務を代行してくれます。
Totara公式パートナーはこうしたサポートをサービスとして提供しています。ぜひご活用ください。
さらに、導入のためにどのような費用が必要になるのかも以下に紹介します。
サブスクリプション費用
Totara Learnはライセンスではなく、サブスクリプションを購入することで利用可能です。サブスクリプションは1年間有効で、ユーザー数に応じた料金形態になっています。
導入費用
要件定義、仕様・運用設計、システム設計と構築、初期設定・データ登録などの導入費用がかかります。
運用費用
運用サポートや操作トレーニングなどの費用がかかります。
Totara Learnは、単なるeラーニングプラットフォームではなく、組織全体の学習文化を支える「成長の基盤」です。初めての導入でも安心して始められるよう、導入支援やまたカスタマイズ相談も可能です。
5.まとめ
Totara Learnは、企業の人材育成を効果的にサポートするための強力なツールです。コストパフォーマンスに優れ、柔軟なカスタマイズが可能なため、さまざまな規模の企業で導入が進んでいます。多くのユーザーに利用されています。
Totara Learnを利用した実際のユーザーの声を紹介します。
「現場の教育担当者が簡単に操作できるUIで、使い方に困らなかった」(小売業 人事担当)
「今までは誰が何を学んだか把握できなかったが、Totaraで一目瞭然になった」(医療法人 教育担当)
「LMSを初めて使う中で、手厚いサポートと柔軟なカスタマイズが助かった」(ITベンチャー マネージャー)
いかがでしょうか?オンライン教育の導入を検討している方は、ぜひTotara Learnを選択肢の一つとして考えてみてください。
株式会社ヒューマンサイエンスは、2014年10月にTotara learning Solutions 社とソリューションパートナー契約を締結しました。日本では唯一の公式パートナーとしてTotara learnのソリューション提供をしております。
>ヒューマンサイエンス|Totara learnソリューション>Totara公式サイト
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