2025.10.15
2025.10.15
Articulate Storylineでeラーニング制作!自社制作と外注の違いを徹底比較
Articulate Storylineは、eラーニング教材の制作で広く採用されている制作ツールです。専門知識がなくても比較的簡単に導入できるためeラーニング教材を自社で制作することもできますが、契約など一定のコストがかかります。Articulate Storylineは多くの企業で採用されていますが、コスト面から考えれば制作会社に依頼した方が結果的に費用を抑えられるといったケースもあるため、導入を迷われる方も多いことと思います。このブログでは、eラーニング教材を自社で制作するか制作会社に依頼するか、それぞれのメリットやデメリットを解説します。
1. Articulate Storylineとは
Articulate Storylineは、eラーニングの制作で広く採用されている制作ツールです。
PowerPointのような操作感覚でコンテンツを作成できるため、eラーニングの制作会社だけではなく多くの企業でオリジナルコンテンツの制作に使用されています。操作しやすい編集画面と豊富な機能により、学習者にとっても満足度の高いeラーニング教材を作成することが可能です。
2. 主な機能
2-1 PowerPointのインポート
PowerPointインポート機能を使うと、Storyline内にスライドを簡単に取り込むことができます。PowerPointのスライドに付けたアニメーションも維持されるため、インポート後にStoryline上でアニメーションを再度設定する手間はありません(一部特殊なアニメーション設定を除く)。
すでに教育資料などの資産が揃っている場合は、比較的容易にeラーニングコンテンツへ変換することができます。
また、PowerPointと同様の操作感で、新しいスライドを作成することも可能です。
2-2 インタラクティブ要素の追加
ユーザーがクリックやドラッグで操作できるインタラクティブな要素をスライドに追加することが可能です。選択するボタンによって別のストーリーに分岐させるコンテンツも簡単に設計できます。ドラッグ&ドロップ操作をさせたり、動画を再生させたり、受講者の能動的な学習を促すコンテンツを高い自由度で作れます。
2-3 クイズの作成
多様なクイズ形式をサポートしています。選択問題、ドラッグ&ドロップ問題、入力問題など、さまざまな形式のクイズを作成できます。クイズには採点機能があるので、正解・不正解によるストーリー分岐を設計することも可能です。
また、プリセットされたクイズ形式に限定されることはなく、高い自由度でアレンジもできます。プリセットされた形式では作れないクイズ形式も、カスタマイズすれば実現できることがあります。
2-4 マルチデバイス対応
作成されたコンテンツはレスポンシブデザインに対応しています。スマートフォンやタブレットで学習しても、端末に合ったフォーマットで表示されます。
2-5 音声作成機能
合成音声のエンジン(Text-to-Speech)を搭載しており、スライドにナレーションを簡単に追加できます。音声合成マークアップ言語 (SSML)で音声の調整を細かく行えるので、専門用語などの特殊な読みやより自然な音声の作成も可能です。音声は日本語や英語だけではなく様々な言語にも対応しています。
3. 自社制作のメリット・デメリット
Articulate Storylineは年間サブスクリプションで提供されています。初めて使う方でも簡単にeラーニング教材を作成できますが、費用をかけてまで導入していいものか迷う方もいらっしゃることと思います。
ここでは、Articulate Storylineでeラーニング教材を自社制作するメリットとデメリットをご紹介しますのでご参照ください。
3-1 メリット
制作費のコストを削減できる
プロジェクトの規模や、どれだけ手をかけてコンテンツを作り込むかといった要素で変わりますが、eラーニング教材の制作を外部の制作会社に依頼すると一定以上の制作費がかかります。当然ながら、自社でeラーニング教材を制作することで制作にかかるコストは削減できます。
スケジュールの調整が自由にできる
制作費と同様に、eラーニング教材の制作を外部の制作会社に依頼すると、制作前の打ち合わせやできあがったコンテンツのチェック作業、その修正指示など各工程で両社間のスケジュール調整が必要です。会社間のコミュニケーションはタイムラグも多く発生します。
自社で制作する場合は社内でスケジュールを調整できるため比較的柔軟な対応が可能で、タイムラグの発生も抑えられます。
すぐに修正できる
統計などの情報を取り上げた教材では、毎年内容は変わらないものの数値を一部分だけ変えたいといったケースがあります。このような微細な変更でも外部の制作会社に依頼する場合、一定の費用や制作期間がかかります。自社で制作すれば即時に対応できるため、迅速なコンテンツ更新が可能です。
3-2 デメリット
編集作業に時間をとられてしまう
企業の教育担当者は多くの場合、教材の制作だけでなく複数の業務を抱えています。eラーニング教材の制作には多くの時間かかるため、本来の業務に集中する時間が減少してしまうリスクがあります。
予期せぬエラーに対応できない
Articulate Storylineは使いやすい操作感が特徴ですが、できあがったコンテンツがLMSで正常に動作しないなど、技術的な問題が発生することがあります。自社で制作した場合、原因の特定や解決も自社で行わなくてはなりません。スライドに設定したトリガーや変数に問題があるか、LMS側の設計や機能に問題があるか、といった問題の切り分けから専門的な知識や経験が必要となり、容易に解決できずeラーニングを公開できないといったリスクがあります。
質の高いコンテンツが作れない
操作に慣れるまではArticulate Storylineの機能を充分に使いこなすことはできません。導入から日の浅いうちから質の高いコンテンツを作成するというのは非常に困難と言えます。せっかく作成したものの受講者からの反応も悪いと、満足のいく学習効果も得ることはできません。
4. 外部依頼のメリット・デメリット
Articulate Storylineを使えばeラーニング教材を自社で制作することもできますが、プロジェクトの規模が大きかったり、社内のリソースが不足していたりすると求めているようなコンテンツが作成できないことが多くあります。そのようなケースでは制作会社に制作を依頼することがおすすめです。
ここからは、制作会社に依頼するメリットとデメリットを見ていきましょう。
4-1 本来の業務に集中できる
eラーニング教材の制作を外部の制作会社に任せることで、社内のリソースを本来の業務に集中させることができます。Storylineでのコンテンツ制作はPowerPointのスライド作成と似ている部分はありますが、インタラクティブ要素の追加やSCORM形式での書き出しなどStoryline特有の機能(トリガーやレイヤー設定など)を活かす必要があります。
制作会社に依頼すれば、慣れない制作業務で余計な時間を使うなどストレスを感じることはなくなります。
4-2 高品質なeラーニングコンテンツを制作できる
制作会社にはeラーニング教材に関して豊富な知識や経験を持ったスタッフが多く在籍しています。魅力的なデザインやアイデアも提供できるため、質の高いeラーニング教材制作を安心して任せられます。
4-3 技術的なサポート力がある
できあがったコンテンツがLMSで正常に動作しないなど技術的な問題が発生することがあります。問題がLMS側にあるかコンテンツ側にあるかといった切り分けから問題の解決まで、自社ですべて対応する場合はかなりの負荷がかかります。
制作会社に依頼すれば技術的なトラブルにも迅速に対応してもらえるため、予期しないトラブルで予定していたeラーニングの公開に間に合わないといった最悪の事態も避けられます。
4-4 人的リソースがある
豊富な人材を抱えている制作会社では、大量のコンテンツや複数のコンテンツを同時に制作するといったプロジェクトも依頼できます。多言語でコンテンツを作成する、同時に複数のコンテンツを制作する場合は、まず制作会社への依頼を検討したほうがいいでしょう。予算やスケジュールによって、一部のコンテンツだけ制作会社にお願いするといった方法でも依頼できます。
4-5 制作費やコミュニケーションに時間がかかる
前述の通り、eラーニング教材の制作を外部の制作会社に依頼すると一定以上の制作費がかかります。また、制作会社とのやり取りが必要となり、小さな修正であってもコミュニケーションに時間がかかることがあります。
4-6 対応の柔軟さ
制作会社に依頼する場合、プロの品質が得られる反面、「自社で柔軟に直せない不便さ」もあります。
4-7 新しいアイデアや顧客の視点に気付きにくい
自社製品の説明や企業独自の規則など、専門性の高い内容のeラーニング教材を制作会社に依頼する場合、自社内であれば当然持っている基礎的な知識やルールがないため、細かなニーズに気付きにくいことがあります。制作を進める前に、eラーニング教材の企画意図やテーマの共有、ゴール(教育目標)の設定など、入念に打ち合わせを行うことが必要です。
4-8 どこに依頼すればいいかわからない
eラーニングに限らず、動画やコンテンツの制作会社は数多くあります。eラーニング制作専門の会社に依頼すればいいのか、それとも自社の業界に精通している制作会社がいいのかなど、Webで検索した情報だけではどこに依頼すればいいのか選定に迷うことがあります。
5. 制作会社の選び方
制作会社を選定する際は、ホームページなどから以下のポイントを確認すると良いでしょう。ある程度依頼できそうな制作会社が絞れたら、実際に問い合わせてみることをおすすめします。
eラーニング教材制作の専門知識やスキルがあるか
Articulate Storylineに限らず、eラーニングに関する専門知識を持つ制作会社を選ぶことで、教育効果の高いeラーニング教材制作が期待できます。ホームページに業務内容が記載されているだけでなく、制作担当者が紹介されている、デジタル教育業界の最新情報を発信している、といったeラーニング教材制作に対する姿勢が見られるかも選定のポイントです。
過去の制作事例やクライアントの評価が確認できるか
制作実績やクライアントの評価を確認することで、制作会社の信頼性を判断できます。また、eラーニング教材のサンプルが掲載されていれば必ず確認し、イメージに合ったeラーニング教材制作が期待できそうか推測します。
自社の分野に合っているか
自社の業界に精通している制作会社を選ぶことで、より質の高いeラーニング教材制作が期待できます。ホームページで公開している事例や、eラーニング教材制作の他に提供しているサービスや事業内容がないかホームページで確認します。
ホームページのデザインや雰囲気が自社の雰囲気に合っていそうか
制作会社のホームページのデザインや雰囲気が自社に合っているかどうかという点も選定のポイントとなります。また、「これまでは堅いイメージで作っていたけど、もっと親しみやすい印象にしたい」など、制作しようとしているeラーニング教材の方向性に合わせて選定することもできます。
問い合わせをした際の対応はどうだったか
実際に問い合わせをした際の対応も選定のポイントになります。コミュニケーションが円滑に行えるか、ニーズに沿った提案があるか、といった点から、プロジェクトを確実に進められるかどうか推測できます。
6. ヒューマンサイエンスの強み
ヒューマンサイエンスでは、Storylineを活用したeラーニング制作を多数手掛けています。
はじめての導入から既存教材の改善、翻訳対応まで、お客様の課題に合わせた最適なサポートをご提供します。
豊富なArticulate Storyline制作実績
多くのArticulate Storyline制作実績があります。eラーニングを作るのが初めてのお客様でも、現在お使いの教材を改善したいといったお問い合わせでも対応できます。
制作のどの段階からでも依頼できる
ヒューマンサイエンスでは、企画設計からシステム開発・運用まで、eラーニングにまつわる総合的なサービスを展開しており、eラーニング制作に関連するすべてのプロセスをワンストップで対応することができます。
企画設計や「eラーニングを作りたいけど何が必要かわからない」など0からのスタートでもコンテンツの運用までサポートいたします。
制作だけではなく翻訳まで対応可能
グローバル企業や多国籍の教育機関では、複数の言語でeラーニング教材を同時に公開しなければならないといったことがよくあります。弊社は多言語翻訳事業も行っており、Articulate Storylineで作成したコンテンツの多言語化もスムーズに対応できます。
プロジェクトマネジメントノウハウがある
弊社ではこれまで大規模なプロジェクトにも多く携わってきました。その中で培ってきた体系的なプロジェクトマネジメントノウハウで、効率的に高品質なeラーニング教材制作をご提供しております。
7. まとめ
Articulate Storylineは、初めての方でも手軽にeラーニングを制作できる一方で、操作や設計に慣れないうちは時間がかかる場合もあります。
経験豊富な制作会社に依頼することで、より高品質で効果的な教材を短期間で制作することができます。
教育効果の高いeラーニング制作をお考えの方は、ぜひヒューマンサイエンスへご相談ください。
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