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2022.09.12

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SOGIハラとは? 企業として取るべき対策

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    ハラスメントの定義は多岐にわたり、近年、その種類はますます多様化しつつあります。その中でも最近注目を集めているのが「SOGI(ソジ・ソギ)ハラ」です。

    SOGIハラとは性的指向や性自認に関する嫌がらせのことを意味しますが、まだよくわからないという方も多いのではないでしょうか。しかし、2022年4月に全面施行されたパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)にSOGIハラへの対策が事業主の義務として盛り込まれていることもあり、SOGIハラに対する理解と防止体制の構築がいま企業に求められています。

    そこで今回は、SOGIハラの定義や具体的な事例、LGBT研修の実例など、多角的な視点でSOGIハラを解説していきます。


    1. SOGIハラの「SOGI」とは?

    そもそもハラスメントとは「さまざまな場面での嫌がらせやいじめ」を示す言葉であり、企業という大勢の人々が関わる環境下では、意識しないうちに発生しがちな問題でもあります。まずはSOGIハラの定義を理解し、問題を起こさないように意識を変えていく必要があります。

    SOGIは、Sexual Orientation(性的指向) and Gender Identity(性自認)の頭文字をつなげた言葉で「ソジ」もしくは「ソギ」と読みます。それぞれの単語の意味をみていきましょう。

    ●Sexual Orientation(性的指向)
    恋愛や性愛の対象がどのような性に向いているか、または向いていないかを意味します。異性に好意を向ける人もいれば、同性に恋愛感情を抱く人もいます。そのほかにも多様な性的指向が存在します。

    ●Gender Identity(性自認)
    自分自身の性別をどのように認識しているかということです。身体的な性別と精神的な性別が一致している人もいれば、そうではない人もいます。

    以上のことから、SOGIとは「どのような性別の人を性的対象とし、自己をどのような性と認識しているか」という、人の属性を表す言葉であり、「どのような性的指向・性自認も尊重されるべき」という考えから生まれました。

    つまりSOGIハラとは、このような「性的指向や性自認に対して行われる中傷やいじめ」のことを指し、差別的な言動や嘲笑、暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせといった意味を持ちます。また、職場での強制異動・採用拒否や解雇など、差別を受けて社会生活上の不利益を被ることもSOGIハラに含まれます。

    LGBTとSOGIはどう違う?

    さて、ここまでの話で、「LGBT」というワードが頭の中に浮かんだ方も多いのではないでしょうか。LGBTは、Lesbian(レズビアン:女性同性愛者)、Gay(ゲイ:男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル:両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー:出生時の身体的性別と、自分自身が認識する性別が異なる人)の頭文字をとった、性的マイノリティーを示す言葉です。最近では、LGBTQ(「Q」はQueerやQuestioning。クイアやクエスチョニング。どれにも当てはまらない人)などと言ったりもします。

    一方、SOGIは個人個人の性的なアイデンティティを意味し、すべての人に当てはまる概念です。異性愛を含め、あらゆる性的指向・性自認の人が対象であるため、「自分はLGBTではないから、この問題とは関係ない」ということではなく、すべての人に関わってくるテーマであり、誰もがSOGIハラの当事者であることを意識しなければなりません。

    2. SOGIハラの具体的な事例

    2017年に放送された某バラエティ番組に、男性同性愛者を揶揄するようなキャラクターが登場し、非難が殺到したことがありました。このキャラクターは80-90年代に同番組のコントコーナーで注目され、30年ほどの時を経ての再登場で話題を集めました。しかし、LGBTに関する知識・理解が浸透していなかった当時と違い、現代のテレビというメディアにおいて差別的表現を放送することはもちろんタブーでした。SOGIに対する意識や配慮が欠落した事例で、批判の集中砲火を浴びたことは当然といえるでしょう。

    これは代表的な例ですが、こういったSOGIハラにあたるケースは私たちの日常でも多く見られます。また、最低限の性の知識を持ち合わせていないと無意識のうちに自らが行っている可能性もあります。

    ここからは、SOGIハラの具体的な例を紹介していきます。自分の言動で人を傷つけてしまわないように、さまざまなケースがあることを学んでいきましょう。そして、このようなシーンを見かけた際は、注意や改善のアクションを起こすことも大切です。

    (SOGIハラの例.1)差別的な言動や嘲笑、呼称
    「ホモ」や「レズ」といった、同性愛者の蔑称である言葉で侮辱したり、性的指向や性自認に対して批判や揶揄を含んだ言葉(例:「オネエっぽい」、「オトコ女」)をかけたりする行為は、たとえ発言者に悪意がなく冗談だったとしても、当事者の心を傷つけるSOGIハラにあたります。

    (SOGIハラの例.2)いじめ、無視、暴力
    性的指向や性自認を理由に、当事者に対して暴力やいじめなどの肉体的・精神的な苦痛を与えたりすることは、言わずもがなSOGIハラです。また、こうした行為を見て見ぬ振りをすることも、SOGIハラに加担していると言えます。

    (SOGIハラの例.3)望まない性別での生活の強制
    当事者の性自認を無視した、生活や行動の強制もSOGIハラの一つです。例えば、戸籍上の性別が男性で性自認が女性である人に対して男性用のユニフォームの着用を強制したり、使用するトイレへの配慮を行わなかったりすることが挙げられます。

    (SOGIハラの例.4)不当な異動や解雇
    「男装をしている女性はチームから浮いてしまうので異動させる」、「男性なのにメイクをしているのが不快だから解雇する」というように、性的指向や性自認を理由に、不当に異動や解雇を言い渡すこともSOGIハラになります。

    (SOGIハラの例.5)当事者の許可なくSOGIを公表する(アウティング)
    一個人のSOGIを知る人が、本人の了承を得ることなくほかの人にそれを教えることを「アウティング」と言います。この行為も、当事者の不利益につながる可能性があり、SOGIハラにあたります。また、アウティングはプライバシーの問題や選択の自由(カミングアウトをするorしない)の侵害問題などを引き起こし、当事者の心に苦痛を与えます。

    ちなみに、カミングアウトは当事者が自ら周囲に性的指向や性自認を打ち明けることを指します。それに対してアウティングは、当事者本人ではなく、ほかの人が勝手に暴露するという意味合いを持ちます。この二つの言葉は大きく意味が異なるので、混同しないように気をつけましょう。

    3. LGBTに関する研修やサポートを実施している企業

    SOGIハラを防ぐためには、個人個人のSOGIを尊重し、LGBTに対する知識や理解を深めることが必要不可欠です。企業によっては「LGBT研修」の場を設け、正しい情報を率先して社員に発信しています。ここでは、実際に企業内ですでに取り組まれている、LGBT研修やサポートの一例を紹介します。

    ●電機メーカーのケース

    (1)社内セミナーなどの開催
    全社員対象の人権啓発研修の中でLGBTをテーマにした内容を設ける。また、理解の浸透を図るために社外の有識者や外部団体を招き、ワークショップやセミナーを開催している。

    (2)社内相談窓口の設置
    「人権に関する相談窓口」を設置し、社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる環境づくりの推進を行っている。相談窓口は、本社のほか各地区事業所にも設け、相談しやすい体制づくりに注力している。

    (3)職場環境の整備
    トランスジェンダーの社員から要望があった場合、本人の性自認に基づいたサポートを行う(例:健康診断、職場での氏名の表記、服装、治療や手術の際の就業継続支援など)。また、多目的トイレの導入を拡充している。

    (4)採用活動におけるLGBTへの配慮
    エントリーシートに性別記載欄を設けない。採用部門にはLGBT研修を実施している。

    ●外資系IT企業のケース

    (1)社内相談窓口の設置
    LGBT向けのホームページやSNSが設置され、いつでも相談や連絡ができる。質問や相談にはLGBTコミュニティのリーダーやダイバーシティ担当者が対応する。当事者本人が望まなければ氏名や社員番号を伏せた上での利用も可能。

    (2)職場環境の整備
    本社や一部事業所の全フロアに性別を問わず使用できる「誰でもトイレ」を設置。

    (3)採用活動におけるLGBTへの配慮
    各説明会において、LGBTに対する会社の取り組みを採用担当者が紹介。個別相談も受け付けている。

    ●航空会社のケース

    (1)社内セミナーなどの開催
    人事担当者や経営層、グループ全社員に対するeラーニングを実施。

    (2)社内相談窓口の設置
    LGBTの専用相談窓口を人事部に設置し、電話やメールで相談を受け付けている。

    (3)採用活動におけるLGBTへの配慮
    採用面接官に対して、LGBTの基礎知識や採用活動の注意点(カミングアウトされた場合の対応、LGBTの就活生が困ることなど)を周知させ、理解の徹底を図っている。

    ●保険会社のケース

    (1)社内セミナーなどの開催
    全社員向けにLGBTをテーマにした人権研修を実施。さらに、コンタクトセンターやファイナンシャルプランナーなどお客さまと直接関わるポジションの社員を対象とした特別研修も行う。

    (2)社内相談窓口の設置
    社内にLGBT専用窓口(専用の電話やメールアドレス)を設置し、個別相談に応じる体制を整備。

    (3)社内の風土づくり
    LGBTの理解促進を図る社外のコミュニティや団体に、ボランティアを募り会社として参加している。この活動を通して、“LGBTフレンドリー”な企業を目指すことを宣言し、積極的にアピールすることで、社員同士がLGBTに関する意見を言いやすい風土づくりに取り組んでいる。

    上記の4社のほかにも、たくさんの企業がLGBTの理解促進に向けた取り組みを行っています。また、このような啓発活動以外にも、配偶者を対象とした人事関連制度を同性パートナーにも適用できるように人事制度を改定したり、社内規定に「性的指向や性自認などを理由に差別をしてはいけない」と明記をする企業も目立ち、ダイバーシティ&インクルージョン(※)の実現に向けた積極的な姿勢が伺えます。

    ※ダイバーシティ&インクルージョンとは、人材の多様性(=ダイバーシティ)を尊重して認め合い、受け入れて活かす(=インクルージョン)という意味です。

    4. SOGIハラ研修を実施するためには、どうしたらいいの?

    職場におけるさまざまなハラスメント。その中でも、性的指向や性自認に関連するSOGIハラはプライバシーに絡む要素が強く、慎重な対応が求められます。また、性に関する知識を持ち合わせていないと、私たち自身が無意識のうちに誰かを傷つけてしまう恐れもある、とてもデリケートな問題です。

    ここまで、SOGIハラの定義や事例、各企業の取り組みなどを解説してきました。SOGIハラを防ぎ、一人ひとりが心地よく働ける環境をつくるためには、社員がしっかりと研修を受け、正しい知識を身につけることがポイントとなります。

    そこで、効率的なSOGIハラ研修を行うためにご提案したいのがeラーニングです。
    eラーニングは時間や場所を問わず、ベストなタイミングで学習できるので、多忙な社会人にとって活用しやすいツールと言えます。また、管理者側からみても、会場準備や複数回授業の設定など、さまざまな煩わしい手間を省くことができ、集合研修と比較してコストを抑えることも期待できます。

    ヒューマンサイエンスのeラーニング教材は、SOGIハラに加えて、パワハラ・セクハラ・マタハラの“3大ハラスメント”ついてもしっかり学習することが可能です。さらに、ハラスメントを受けた時、気づいた時に求められる適切なアクションや相談先も知ることができ、実践的な内容になっている点も魅力です。

    多様性社会の実現に向けて、数多くの企業がさまざまな取り組みを行っているいま、まずは手軽に始めることができるeラーニングでSOGIハラに関する知識を啓蒙し、社員の意識改革を図ってみてはいかがでしょうか。

    こちらもあわせてチェックください。
    STOP!ハラスメント ~職場のハラスメントの基礎知識~

    出典:一般社団法人日本経済団体連合会が2017年に公開した資料「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」より

    執筆者:

    佐瀬 志津子

    教育ソリューション部 制作グループ ライター
    ヒューマンサイエンス入社後、テクニカルライターとして、
    製品マニュアルや業務マニュアルの設計・ライティングを経験。
    その後、eラーニング教材の原稿の執筆と制作ディレクションに従事。
    これまで約200本に及ぶ教材の制作に携わる。

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