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2025.05.01

iSpring

iSpring Suite MAXの音声合成機能で効率化!

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    eラーニング教材作成ツール「iSpring Suite MAX」には、AI音声を作成する機能があります。これは、入力したテキストから音声を作成し、ナレーションなどに利用できる便利な機能です。※
    50以上の言語に対応しており、さらに、読み上げを行う声の種類も複数用意されているので、用途や好みに合わせて選択できます。
    今回は、ナレーション作成を効率的に行えるiSpring Suite MAXの音声合成機能についてご紹介します。

    ※iSpring Suiteには、この機能はありません。


    1. リッチコンテンツには欠かせないナレーション

    ナレーション付きのeラーニング教材は、一般的には、学習内容が複雑、難易度が高い、といった場合や、学習者の学習意欲がそれほど高くないような場合に、特に有効です。
    画面でアニメーションや動画を見ながら、その状況を説明するナレーションを聞くという形式となり、講師の解説を聞いているような状態を作り出すことができます。

    テキストや静止画のみで構成されているようなシンプルなコンテンツに対して、ナレーションやアニメーション、動画などが使われているコンテンツを「リッチコンテンツ」と呼ぶこともあります。
    内容をリッチにすることで、学習への動機づけをして、わかりやすく解説を進めることができます。

    <ナレーションの有無を決めるのは設計段階>

    eラーニング教材を設計する際、最初に決めるのは、「対象者」と「学習目標」です。つまり、誰に、どうなってほしいのかを決めます。これを基本方針として、仕様や表現を決めていくことで、矛盾や過不足のない教材を目指します。
    ナレーションの有無も、企画設計段階で決めておきます。工数やコストだけでなく、シナリオ作成にも大きく影響するためです。

    <ナレーション音声を作成する方法>

    ナレーション音声を作成する方法には、いくつか選択肢があります。

    ・プロナレータに収録を依頼する
    ・講師の説明を収録する
    ・教材制作担当者の声を収録する
    ・AI音声を作成する

    それぞれの方法について、見ていきましょう。

    ●プロナレータに収録を依頼する
    教材用に作成したナレーション文をプロナレータや声優に読み上げてもらい、その音声を利用する方法です。
    最大のメリットは、声質、速度、間の取り方、トーンなど、作り手の要望にぴったりと合ったアウトプットが得られることです。ナレーションだけでなく、キャラクターのセリフも感情豊かに演技してもらえます。
    また、業界用語や社内で使われている専門用語も、学習者が聞き慣れたイントネーションで読み上げてもらえます。

    要注意点としては、以下が挙げられます。
    ・収録スタジオを利用する場合、その分のコストが必要
    ・ナレータ、スタジオ、収録後の編集工程などスケジュールの調整が必要
    ・収録後に修正や追加が発生した場合は、追加のコストが必要

    ●講師の解説を収録する
    教材の講師がナレーションを担当する方法です。教材の内容に精通しているため、シナリオ作成工程から、講師に任せられる点や、学習テーマのプロに、わかりやすく説明をしてもらえる点がメリットです。普段、集合研修などの講師を務めている方であれば、スムーズな収録も期待できます。
    音声だけの収録にとどまらず、講師の解説を動画撮影し、PowerPointファイルなどと合成して教材を作成する手法もあります。

    要注意点としては、以下が挙げられます。ただし、講師が社内にいる場合は不要なこともあります。
    ・録音機材や設備の検討が必要
    ・権利関係、利用期間などの確認が必要
    ・スケジュールの調整が必要
    ・収録後の修正や追加が発生した場合は、追加のコストが必要

    ●教材制作担当者の声を収録する
    教材制作の担当者がナレーションを担当する方法です。シナリオは予め作っておく必要があります。
    制作作業中に担当者が自らナレーションを収録するので、ナレーション収録のための各関係者へのスケジュール調整が簡易、または不要になります。
    収録には、パソコン+マイクや、スマートフォンなど自前の機材を使えば、さらに効率的に進めることができ、修正や追加にも柔軟に対応できます。

    要注意点は以下です。
    ・録音機材や設備の検討が必要
    ・NGテイクが多くなる可能性が高く、その場合は時間がかかる
    ・声質や読み上げのペースを一定に保つことが難しく、聞きにくいナレーションになる可能性がある

    ●AI音声を作成する
    音声読み上げを行うツールを使ってAI音声を生成する方法です。シナリオは作っておく必要があります。
    テキストを入力するだけで音声ファイルが生成されるため、制作のペースに合わせて対応できます。
    また、録音機材なども必要ないため、パソコンさえあれば音声を作成できる点が最大のメリットです。

    要注意点は以下です。
    ・特殊な用語や専門用語を意図どおりに読まない場合がある
    ・イントネーションなどの調整ができないツールがあったり、調整に時間がかかったりするなど、限界がある
    ・感情表現などは苦手なことが多く、キャラクターのセリフとしては使いにくい
    ・追加や修正が自由な分、ナレーションの再収録が重なるなどすると、工数が膨らむ場合がある

    AI音声の更なる使い道として、「仮ナレーション」として利用することもできます。最終的にはプロナレータの音声を使う場合でも、仮ナレーションを使うことで、事前に問題点を洗い出しやすくなります。画面上の実際の動きを見ながら、ナレーションを聞いて、本番用ナレーションの収録までに、適宜修正を行い、よりブラッシュアップされたシナリオで収録に臨むことができます。

    AI音声を生成するには、専用のツールが必要ですが、iSpring Suite MAXなら、AI音声を生成する機能が予め用意されています。
    次の章から、iSpring Suite MAXの音声合成機能についてご説明します。

    2. iSpring Suite MAXの「音声合成」機能とは?

    ●iSpring Suite MAXとは?

    iSpring Suite MAXは、米国iSpring社が開発しているeラーニング教材作成ソフトです。インストールすると、PowerPointのリボンにタブが追加され、PowerPointのバンドルソフトのように利用できます。

    PowerPointの機能をベースに、eラーニング教材作成のための機能が、強化ないし追加されているので、使い慣れたインターフェイスで、eラーニング教材を効率よく作成できます。
    クイズやシミュレーションコンテンツを作成することもでき、アイコンやイラストの素材も準備されているため、教材制作の全工程を、ひとりで担うことも可能です。

    eラーニング教材をどの形式で生成するかも選択できます。HTML5形式、または動画形式から選択します。
    また、SCORMに準拠させることもできます。

    eラーニング教材の制作 ~PowerPointファイル作成後にSCORM化するポイントとは?~

    ●iSpring Suite MAXの「音声合成」機能

    iSpring Suite MAXでAI音声を生成するには、PowerPointに追加されたiSpringのタブから、ツール「iSpring Narration Editor」を起動します。

    こちらは、音声を生成する際の画面です。
    言語の選択と、声(ナレータ)の選択ができます。

    生成したナレーションは、この画面を編集することで、いつでも修正が可能です。

    3. iSpring Suite MAXの音声合成機能の仕様

    ここからは、具体的な機能や操作についてご紹介していきます。

    PowerPointファイルから音声ファイルを生成し、保存するまでの手順は以下です。

    1.PowerPointファイルを準備する
    2. iSpring Narration Editorを開く
    3.挿入箇所を選択する
    4.言語や声(ナレータ)を選択する
    5.テキストを入力する
    6.生成したナレーションを挿入する
    7.必要に応じて同期をとる
    8.保存して閉じる

    <1.PowerPointファイルを準備する>

    予めPowerPointファイルを整えておきます。
    まずは、ナレーション文を作成し、「ノート」に記載しておきます。この作業は必須ではありませんが、iSpring Narration Editorでは、「ノート」に記載されているテキストを読み込む機能があるため、後からの修正作業などを考えると、記録や確認のためにも、利用することをお勧めします。

    また、スライドにアニメーション効果を付け、ナレーションと同期させたい場合には、ナレーションに合わせた順序でアニメーション効果を設定しておきます。

    <2.iSpring Narration Editorを開く>

    iSpringのタブから、「ナレーションの管理」を選択すると、ツール「iSpring Narration Editor」が起動します。

    PowerPointとは別のウィンドウとして表示されますが、「iSpring Narration Editor」が開いている間は、PowerPointファイルを編集することはできません。

    画面の下部にタイムラインが表示され、スライドごとに区切られていることがわかります。
    作成したナレーションは、このタイムライン上に表示されます。

    <3.挿入箇所を選択する>

    ナレーションを挿入したい箇所を選択します。
    スライドの先頭からナレーションを始めたい場合は、該当するスライドのタイムラインの任意の位置をクリックします。

    スライドの途中にナレーションを挿入したい場合は、ナレーションを開始したい箇所をクリックします。

    なお、1つのスライドには複数の音声データを挿入できます。
    たとえば、ナレーションはiSpring Suite MAXで作成し、キャラクターのセリフをプロナレータに収録してもらい、ナレーションの後にセリフが再生されるよう、音声ファイルを順に挿入することもできます。
    ただし、タイムライン上に複数の音声を重ねることはできないため、BGMを流しながらナレーションを再生する、のようなことはできません。

    <4.言語や声(ナレータ)を選択する>

    「音声」から「音声読み上げ」を選択します。

    「言語」と「声」を選択します。
    「声」の右側のアイコンでサンプル音声を聞くこともできます。

    <5.テキストを入力する>

    実際に読み上げるテキストを入力するか、「ノートからテキストを挿入」を選択してテキストを挿入します。
    「プレビュー」で読み上げを確認することができます。

    「SSMLエディター」を使うと、間を意図的に空けたり、読み上げの速度を調整したりできます。

    <6.生成したナレーションを挿入する>

    「挿入」を選択すると、挿入方法を指定することができます。

    「現在のカーソル位置」を選択すると、タイムライン上のカーソルの位置にナレーションが挿入されます。
    ただし、挿入後、タイムライン上で位置を動かすことはできます。

    「スライドの最初に」を選択すると、タイムライン上のカーソルが表示されているスライドの先頭から再生されるよう、ナレーションが挿入されます。
    また、「スライドの最初に」が選択されていると、左下のチェックボックス「スライド表示時間の調整」のON/OFFを選択できます。ONにすると、挿入したナレーションの長さに合わせてスライドのタイムラインの長さが調整されます。
    「現在のカーソル位置」を選択すると、こちらのチェックボックスは選択できないため、手動でタイムラインを調整する必要があります。

    <7.必要に応じて同期をとる>

    スライドにアニメーションが設定されている場合は、アニメーションのタイミングが、タイムライン上に黄色いスライドバーで表示されます。
    スライドバーは左右にドラッグできるので、必要に応じて音声のタイミングと合わせ、同期をとります。

    <8.保存して閉じる>

    全ての作業が終わったら、PowerPointファイルに戻ります。
    「保存して閉じる」を選択します。

    保存せずに閉じると、作成したナレーションなど、iSpring Narration Editorで作業した内容はすべて破棄されるので注意しましょう。

    なお、PowerPointに戻らず、作業中にファイルを保存することもできます。
    一番左のタブから「保存」を選択します。

    スライドが多く、作業に時間がかかる場合や、作業途中で離席するような場合には、随時保存しておくことをお勧めします。

    4. iSpring Suite MAXの音声合成機能の活用方法

    iSpring Suite MAXでの音声合成機能は、教材のナレーションデータとして利用するほか、仮ナレーションとして活用し、教材の品質を向上させることができます。
    ほかには、どのような活用方法があるでしょうか。

    まず、50以上もの言語に対応しているので、言語に合わせたナレータを探すことなく、外国語のナレーションを作成できます。

    翻訳文は準備する必要があります。
    この機能を活用することで、外国人スタッフなどに対しても、ナレーション付きで、各国語に対応したリッチコンテンツを提供できます。

    また、字幕と併用することもできます。
    PowerPointファイルの「ノート」に記載されたテキストは、コンテンツで表示することも可能です。
    特に、ナレーションだけで聞いても理解しにくい内容を、字幕を表示させることで補足したり、音を出せない学習環境に配慮した対応が可能となります。

    5. まとめ

    ここまで、iSpring Suite MAXの音声合成機能についてご説明しましたが、いかがでしたか?

    繰り返しとなりますが、ナレーションの有無はコストや工程はもちろん、シナリオ作成にも大きく影響します。無駄のない開発のためには、設計段階でご検討することをお勧めします。
    ナレーションの方法も、それぞれに得意・不得意があるため、ご予算やスケジュールに合わせてご検討いただければと思います。

    ヒューマンサイエンスでは、iSpring製品の販売や導入支援、制作代行など各種サービスを承っています。
    今回は、音声合成機能にスポットを当ててご説明しましたが、そのほかにも便利な機能がたくさんあります。
    ご興味のある方、導入をご検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください。

    また、株式会社ヒューマンサイエンスのeラーニングサイトもご参照いただければ幸いです。

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