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2022.12.12

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LGBT研修を実施するために

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    近年、性的マイノリティの方々への理解や支援が広がりつつあります。
    全国の自治体では、同性同士のパートナーシップ制度の導入などが急速に拡大する中、LGBT施策の取り組みが、企業にも求められるようになっています。施策の第一歩として、LGBTに対する正しい知識を身につけるためのLGBT研修が注目されています。
    すでに研修体制が整備されている企業がある一方で、対応がまだ十分とは言えない企業も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、LGBTの基本的な知識からLGBT研修の意義やメリット、さらに、LGBT施策を行っている企業の事例をご紹介します。


    1. LGBTを知ろう 〜その定義と当事者が直面する困りごと〜

    ●LGBTの言葉の意味

    すでに一般的な言葉として浸透しつつある「LGBT」ですが、改めてその意味をおさらいしておきましょう。性的マイノリティを指す言葉の一つであるLGBTは、L(Lesbian レズビアン:女性の同性愛者)、G(Gay ゲイ:男性の同性愛者)、B(Bisexual バイセクシャル:両性愛者)、T(Transgender トランスジェンダー:出生時の身体的な性別と性自認が異なる人)の頭文字を取った総称です

    最近では、LGBTの後ろに「Q」や「QIA」という文字が足されるケースもあります。これらの文字は、以下を示しています。

    Q(クエスチョニング):自分の性別がわからない人や意図的に決めていない人、流動的に決まる人

    I(インターセックス):身体的な性が一般的に定められた男性・女性の中間、もしくはどちらとも断言できない人

    A(アセクシャル):他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱くことが少ない、または抱くことがない人

    さらに、上記以外にも、定義が定まらない性を表す「+(プラス)」が加わることもあり、「LGBTQ(+)」「LGBTQIA(+)」のように表されることもあります。

    このような言葉が生まれた背景には、LGBTという言葉の浸透によって、自分の性について考える人や表明する機会が増えたこと、必ずしもすべての人がL・G・B・Tのいずれかに属するわけではないことなどが挙げられるのではないでしょうか。本記事ではLGBTという言葉を使用しますが、性の認識は個人的なものであり、LGBT以外にも多様な性のあり方が存在することを念頭におきましょう。

    ●LGBTが職場で直面する問題

    厚生労働省によるLGBTの実態調査では、LGBの3割以上、Tの半数以上が「職場で困りごとを抱えている」と回答しました。具体的な困りごとの例としては、「職場でプライベートの話がしづらい」、「異性愛者のふりをしなければならない」、「自分で認識している性別と異なる性別でふるまわなければならない」などの声が上がっています。常日頃から“違う自分”を演じることは、当事者にとって大きなストレスであることが想像できます。

    また、社内環境や社内制度が異性愛者を前提としてつくられていることも、LGBTの困りごとを生む原因の一つになっています。例えば、自認する性に合ったトイレや制服を利用できなかったり、福利厚生の対象が異性の配偶者がいる人に限られていたりすることも、当事者が生きづらさを感じるシーンとして挙げられます。

    〈LGBT当事者が職場で苦痛を感じるシーンの例〉
    ・結婚や子どもに関する質問
    ・未婚者に対するからかい
    ・好きな異性や芸能人のタイプを尋ねられること
    ・性的嗜好を探られること
    ・「オネエ」や「レズっぽい」などの蔑視的な表現
    ・男らしさや、女らしさの押しつけ
    ・身体的性別や外見で判断されること
    ・LGBTへの偏見発言

    さらに、最近では性的指向や性自認に対して行われる中傷やいじめを指す「SOGIハラ(※)」も問題になっています。差別的な言動や嘲笑、暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせのほかにも、職場での強制異動や採用拒否、解雇など、社会生活上の不利益を被るケースもあります。

    このような状況下で、性的マイノリティであることが理由で働きづらさを感じてしまえば、それがきっかけとなって転職を選ぶ人もいるでしょう。つまり、LGBTに対する施策がない企業では、当事者が安心・安全に働けず、結果的に職場を去ってしまうケースが考えられます。企業側にとっても、貴重な人財を失うことは大きな損失といえます。
    しかし、逆に考えると、LGBT施策がしっかりと行われている企業では、従業員の働きやすさや生産性の向上が期待でき、優秀な人財のスムーズな採用や定着なども実現できるということです。

    ※SOGIハラについては、詳しくはこちらをご覧ください。

    2. いま、“アライ”な企業が求められている

    日本のLGBTの人口比率は5~8%、その総数は約600万人といわれています。つまり、13~20人のうち1人はLGBTであるという計算になります。日々過ごしている職場の中でも、表に出ていないだけで、実際には多くのLGBTの方と関わっているのかもしれません。それは、共に働く従業員に限らず、顧客や取引先においてもいえることです。だからこそ、顧客満足度やマーケティングの観点からもLGBTを理解し、施策を講じることは、企業にとって重要なのです。

    ●顧客対応にもLGBTを意識

    飲食店や不動産会社、宿泊施設など、消費者と直接関わることが多い業界でも、LGBTへの配慮を意識した“接客対応のアップデート”が図られています。
    例えば、レストランで記念日のお祝いをしていた同性カップルが、店員から友人同士として扱われて不快に感じたり、同棲するために賃貸物件を探していたカップルが、同性であるという理由だけで入居を断られたりと、以前からLGBTの当事者が不当に扱われるケースがありました。

    そういったトラブルを防ぐために、各業界では独自の接客マニュアルを作成したりロールプレイングを行ったりすることで、LGBTの方々が心地よく利用できるサービスの向上に努めています。もちろん、このようにサービスの質が向上することは、女性や外国人、障がい者など、多様な人たちの利便性が上がることにもつながります。

    ●LGBTが持つ市場価値

    LGBTを顧客ターゲットとした「LGBT市場」は、国内で約5.94兆円にも上るという調査結果もあり、有望な消費者層であるといえます。ただし、LGBT当事者だけを直接のマーケティング対象とするということではなく、「顧客の中にはLGBTの方もいるかもしれない」という視点を持ち、さまざまな人たちへの配慮を意識したサービスや商品を提供することが大切です。

    その結果、消費活動の拡大や企業のイメージアップにつながり、大きな経済効果を生むことが期待できます。LGBT関連の消費活動は「レインボー消費」とも呼ばれ、企業にとっては無視できない収益確保手段の一つとして関心が高まっています。

    〈LGBTに配慮したレインボー消費の例〉
    ・同性婚にも対応したウェディングサービス
    ・事実婚状態の同性カップルがお互いを受取人に指定できる保険
    ・幅広いサイズを取り揃えた、性別に関係なく着られる服
    ・メンズ用の服を着用する、身体的性別が女性の人に向けた下着
    ・同性カップルがダブルの部屋を利用できる宿泊施設
    ・同性愛者向けの結婚相談所

    ●LGBTを理解し、支援を行う“アライ”の存在

    レインボー消費に代表される、LGBTに配慮した商品・サービスを提供する企業や、LGBTの従業員に向けた支援や施策に積極的に取り組む企業のことを、“アライ企業”と呼ぶことがあります。

    アライとは、「支持者、同盟、味方」を意味する英語の「Ally」が語源で、LGBTなどの性的マイノリティを理解し、寄り添いたいと思う仲間を表す言葉です。アライはLGBTに限らず、さまざまなマイノリティの問題に向き合い、共に行動する仲間のことも指します。

    LGBTへの理解が拡大している現在、企業にもアライの輪が広がり、各地で催されるPRIDEイベント(性的マイノリティが差別や偏見にさらされることなく、前向きに生活できる社会の実現を目的とするイベント)に参加したり、自社の取り組みを紹介したりする企業が増加しています。アライの普及を目指す「LGBT - Allyプロジェクト」では、ソニーグループやソフトバンク、三菱電機や日本航空など、そうそうたる企業が参画し、注目を集めました。

    PRIDEイベントではおなじみのものですが、LGBTを象徴するイメージとして、赤・オレンジ・黄・緑・青・紫で構成される6色のレインボーカラーに見覚えはありませんか?これは性の多様性を表すシンボルカラーであり、これを示すことで「私はアライです」とアピールできます。企業や店舗によっては、レインボーカラーのステッカーをエントランスや店頭に貼って、アライを表明していることもあります。

    3. 企業におけるLGBT支援の取り組み

    ここまで紹介してきた事例を含め、LGBT支援を目的とした企業の取り組みは多岐にわたります。厚生労働省では、このような取り組みを7つの観点に分けて解説しています。
    自社でLGBT支援の施策を検討する際は、以下を参考にしてみてはいかがでしょうか。
    参考:厚生労働省『多様な人材が活躍できる職場環境づくりに向けて~ 性的マイノリティに関する企業の取り組み事例のご案内 ~』

    (1)方針の策定・周知や推進体制づくり
    企業として、「性的指向や性自認にかかわらず、多様な人材が活躍できる職場環境をつくる」方針を明確に打ち出し、社内外に広くアピールすることで、LGBT当事者を含め、従業員からの信頼獲得が期待できます。

    また、当事者は、自身の性的指向や性自認を明らかにするのをためらう傾向があり、対応を求めたいと思っていても、なかなか口にできないことが考えられます。そのため、職場環境についてのアンケートを匿名で行うことで、その声を拾うことができたという事例があります。

    (2)研修・周知啓発などによる理解の増進
    まず、社員一人ひとりが性的指向や性自認に関する基本的な知識を備えることが大切です。研修や周知啓発に取り組み、積極的に理解増進を図ります。研修内容としては、基本的な知識のほかに、ハラスメントやアウティング、カミングアウトなどについても扱っている事例があります。

    (3)相談体制の整備
    当事者が、性的指向や性自認に関して会社に相談したい場合、あらかじめ相談や解決の場が明らかになっていれば、安心して働くことができるでしょう。なお、担当者がLGBTに関する適切な知識を有していないと、相談したことによって二次被害やアウティングが発生する恐れが出てきます。担当者は、研修などを受けて理解を高め、守秘義務やアウティングへの配慮があることを担保した上で、それを周知することが大切です。
    ※アウティング:当事者本人が希望しないのに、公にしていない性的指向や性自認を他者に暴露する行為のことです。絶対に行ってはいけません。

    (4)採用・雇用管理における取り組み
    採用応募者の中に当事者が含まれている可能性があります。面接の場で意図せず相手を傷つけてしまわないように、適切な知識や対応方法を学んでおく必要があります。また、採用においても、特定の人を排除しないように公正な採用基準・方法に基づいた健全な採用活動が求められます。なお、採用時にカミングアウトがあった場合など、採用プロセスにおいて知り得た機微な個人情報については、慎重に取り扱う必要があります。

    さらに、配置・昇進・昇格といった雇用管理の場面において、性的指向や性自認に関わらない公正・公平な取り扱いが求められることは言うまでもありません。

    (5)福利厚生における取り組み
    当事者が福利厚生制度を利用しにくいということがないよう、必要に応じて見直します。また、従業員が各種制度を利用する際に、申請方法や情報の取り扱い、情報を知りうる人の範囲について配慮を行うなど、意図しないカミングアウト(またはアウティング)につながらないように心がけることが重要です。

    (6)トランスジェンダーの社員が働きやすい職場環境の整備
    特にトランスジェンダー(性同一性障害を含む)の方は、自認する性の容姿や服装での勤務、トイレや更衣室といった施設の利用においては、配慮が必要となるケースがあります。

    〈職場環境の整備事例〉
    ・配置における配慮、配置・昇進・昇格などにおける公正な評価、ハラスメント・アウティングの防止
    ・トイレや更衣室の利用、健康診断の受診への配慮
    ・通称名の使用、服装規定、性別の取扱い
    ・ホルモン治療、性別適合手術への対応

    (7)職場における支援ネットワークづくり
    支援ネットワークを拡大することで、アライを増やし、企業の取り組みを社内外にアピールできます。ネットワークづくりは、大きく2つに分かれます。

    ■理解者、支援者を増やす取り組み
    LGBTを理解し、支援することを表明する人たち(アライ)が社内に存在することで、安心して働ける職場だと感じる当事者もいます。自発的にアライを表明する従業員を支援する企業もあり、当事者の心の拠り所を設けられるような工夫が図られています。

    ■性的指向・性自認に関する企画への協賛や出展
    各地で催されるLGBTイベントへの協賛や出展を行う企業もあります。協賛や出展は、当事者と交流する機会を生み、従業員がLGBTに関する理解を深めるきっかけにもなります。さらに、企業が真摯に取り組む姿勢を社内外に示す契機にもなりえます。

    4. LGBT施策を行っている企業の事例紹介

    ここからはLGBTの従業員や顧客に配慮した、各企業の具体的な取り組みを紹介します。いずれもLGBTの当事者に寄り添った手厚い施策で、当事者はもちろん、すべての従業員がいきいきと働ける環境づくりを促進する内容になっています。ぜひ参考にしてみてください。

    ●電機メーカーのケース

    〈研修・周知啓発などによる理解の増進〉
    全社員を対象とした人権啓発研修に加え、新入社員研修やマネージャー研修などの階層別必修研修のプログラムで、LGBTをテーマとして扱う。さらに、外部団体と協力したワークショップやセミナーにも注力している。

    〈相談体制の整備〉
    「人権に関する相談窓口」を設置し、従業員一人ひとりがアイデンティティを侵害されることなく、能力を十分に発揮できる環境づくりを推進。相談窓口は、本社のほかに各地区事業所にも設けられている。

    〈採用・雇用管理における取り組み〉
    エントリーシートに性別記載欄を設けていない。採用部門の担当者向けにLGBT研修を実施している。

    〈トランスジェンダーの社員が働きやすい職場環境の整備〉
    トランスジェンダーの社員から要望があった場合、本人の性自認に基づいたさまざまなサポートを行う。また、多目的トイレの導入も拡充している。(サポート例:健康診断、職場での氏名の表記、服装、治療や手術の際の就業継続支援など)

    ●航空会社のケース

    〈研修・周知啓発などによる理解の増進〉
    人事担当者や経営層、グループ全社員に対してeラーニングを実施。

    〈相談体制の整備〉
    LGBTの専用相談窓口を人事部に設置し、電話やメールで相談を受け付けている。

    〈採用・雇用管理における取り組み〉
    採用面接官に対して、LGBTの基礎知識や採用活動の注意点(カミングアウトがあった場合の対応、LGBTの就活生が困ることなど)を周知させ、理解の促進を図っている。

    ●証券会社のケース

    〈研修・周知啓発などによる理解の増進〉
    「多文化」、「LGBTなどの性的マイノリティ」、「障がい者」という3つのテーマにおいて、情報発信やイベントなどの企画・運営を行う。一例として、LGBT当事者を招いたスピーカー・イベントやLGBT関連の資料を展示する「LGBTウィーク」を開催。

    〈相談体制の整備〉
    当事者本人が特定されない形で相談することができる、相談窓口「セクハラ・パワハラほっとライン」を設けている。

    〈採用・雇用管理における取り組み〉
    新卒採用の担当者向けの面接ガイダンスにおいて、LGBTへの差別禁止を説明。

    〈福利厚生における取り組み〉
    性別を問わない「パートナーシップ制度」があり、パートナーの情報を申請し、承認を得た上で、一部の福利厚生制度を利用することができる。対象の制度は、慶弔休暇や育児・介護関連の休暇制度、海外異動の際に同性・異性を問わずパートナーの移転に関わる費用の補助などがある。

    さらに、トランスジェンダーの従業員に対しては、性別適合手術を受ける際の対応、休暇制度、周囲への理解促進、支援体制などに関する会社の対応方針と制度を明文化したガイドブックを作成している。

    ●外資系IT企業のケース

    〈方針の策定・周知や推進体制づくり〉
    企業の姿勢を明示したコーポレート・ポリシーレターに、LGBTに関する記述を追加。

    〈研修・周知啓発などによる理解の増進〉
    「職場とLGBT」を活動テーマとする「work with Pride (wwP)」を立ち上げ、LGBTの理解増進を図る啓発活動を行っている。

    〈福利厚生における取り組み〉
    福利厚生や人事制度において、同性パートナーを配偶者と同等に扱うと規定。

    5. 効率のよいLGBT研修を実施するために

    これまでLGBT支援に関する企業のさまざまな取り組みを見てきました。それらの根幹として重視しなければならないのが、LGBTについての基本的な知識を身につけ、当事者への理解を深めることです。そのためには「LGBT研修」の実施が必要不可欠です。

    そこでご提案したいのが、eラーニング教材を使用したLGBT研修です。
    eラーニングは時間や場所を問わず、ベストなタイミングで学習できるので、多忙な社会人にとって活用しやすいツールと言えます。また、管理者側からみても、会場準備や複数回授業の設定など、さまざまな煩わしい手間を省くことができ、集合研修と比較してコストを抑えることも期待できます。

    ヒューマンサイエンスのeラーニング教材「STOP!ハラスメント ~職場のハラスメントの基礎知識~」は、LGBTとも関連が深いSOGIハラに関する最新情報のほか、ハラスメントを受けた際の対処法や相談先がわかるなど、実践に沿った有益なカリキュラムで構成されています。また、SOGIハラ以外にも、パワハラ・セクハラ・マタハラの“3大ハラスメント”についてもしっかり学習することが可能です。

    LGBTを含むすべての従業員が、自分らしく、それぞれの個性や能力を存分に発揮できる社内環境をつくるために。まずは、手軽に学習できるeラーニングで社内の認識をアップデートし、「アライな企業」への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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    STOP!ハラスメント ~職場のハラスメントの基礎知識~

    執筆者:

    佐瀬 志津子

    教育ソリューション部 制作グループ ライター
    ヒューマンサイエンス入社後、テクニカルライターとして、
    製品マニュアルや業務マニュアルの設計・ライティングを経験。
    その後、eラーニング教材の原稿の執筆と制作ディレクションに従事。
    これまで約200本に及ぶ教材の制作に携わる。

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