2024.06.14
新人にとって来客対応研修は必要?ビジネスマナーとして必要な対応とは
ビジネスシーンにおいて、来客への対応は企業の印象を決定づける重要な業務の一つです。来客対応の基本を知らないままでは、思わぬ失礼やミスを犯してしまう可能性があり、後々、商談に影響が出たり、トラブルに発展したりする恐れも出てきます。したがって、特に経験の浅い新人にとっては、来客対応研修は重要です。
今回のブログでは、そんな来客対応研修の重要性や基本的な内容、研修効果をアップするポイントなどを解説していきます。
1.新人が来客対応研修を受けることの重要性
まずは、来客対応とはどのようなことを指すのか整理してみましょう。
●来客対応とは
来客対応とは、企業に訪問するお客さまに対して行う一連の対応業務のことです。具体的には以下のような内容が含まれます。
(1)お出迎え・受付対応
受付やエントランスでお客さまを笑顔でお迎えし、お名前や訪問目的などを確認します。アポイントのあるお客さまの場合は、名指しされた従業員に来訪の連絡をします。
(2)ご案内
お客さまを応接室や会議室などの指定された部屋へご案内します。その際は、お客さまの2、3歩ほど前を歩き、速度に気を遣いながら先導します。
(3)おもてなし
お茶やコーヒーなどの飲み物を提供し、お客さまが快適に過ごせるように気を配ります。
(4)ご挨拶
礼儀正しい挨拶を心がけ、初対面の場合は自己紹介をします。必要に応じて名刺の交換を行います。
(5)お客さまからの問い合わせ対応
お客さまから質問や問い合わせがあった場合は、迅速かつ正確に回答します。担当者に問い合わせる必要があれば、内容を引き継ぎます。
訪問終了後は、お客さまを玄関や出口までお見送りします。次回の訪問や今後の連絡についてのご案内を行うこともあります。
これらは一例であり、企業によっても対応内容はさまざまです。いずれも些細なことのように感じられるかも知れませんが、来客対応は企業の印象や信頼性、顧客満足度に直結します。つまり、来客対応を任された従業員は“会社の代表”としてお客さまと接すると言っても過言ではありません。そのため、社会に出て間もない新人が来客対応研修を受けることは、重要な意味を持ちます。
以下に、新人が来客対応研修を受けることのメリットをまとめました。
●新人が来客対応研修を受けることのメリット
(1)ビジネスマナーを習得できる
来客対応研修を受けることによって、基本的なビジネスマナーを学ぶことができます。正しいビジネスマナー身につけることでお客さまに敬意が伝わり、信頼関係が構築されます。
(2)自信を持って、お客さまと接するようになる
来客対応を学ぶことによって、自信を持ってお客さまと接することができます。その結果、より細やかなで丁寧な対応が可能になり、お客さまに安心感を持っていただくことができます。
(3)トラブルの発生を未然に防げる
来客対応の基本を学ぶことで、さまざまな状況に適切に対処するスキルを身につけることができます。これによってトラブル発生を未然に防ぎ、クレーム対応などの負担を軽減することができます。
(4)企業の印象アップにつながる
来客対応はお客さまが企業と接する最初の機会ともなります。適切な対応ができれば、企業の第一印象を向上させ、評判やイメージを高めることにつながります。
(5)一貫性のある対応
全従業員が同一の来客対応研修を受けることで、来客対応に一貫性が生まれます。これにより、お客さまはどの従業員からも同じ高水準の対応を受けることができます。その結果、企業全体への信頼感が高まります。
このように新人が来客対応研修を受けることによって、新人自身の自己研鑽になることはもちろん、企業全体のパフォーマンス向上につながることがわかりました。
2. 来客対応研修の基本的な内容
この章では、来客対応研修の具体的な内容について解説します。一般的には以下のようなカリキュラムが用意されています。
●来客対応研修のカリキュラム例
(1)来客対応の心がまえ
来客対応の意義や重要性を知り、お客さまへの丁寧かつ的確な対応が、企業の信頼性や評価につながることを理解します。
(2)基本的な動作やマナー
好印象を与える立ちふるまいや態度、お客さまへの敬意を示す正しいマナーなど、基本的な動作を学習します。敬語などの言葉遣いや適切な服装、表情やアイコンタクトの仕方などの学習も含まれます。
(3)来客対応のフロー
お客さまの出迎え方や受付での対応、名刺交換の方法などを学びます。さらに、指定場所へのご案内の仕方や、飲み物を出すタイミングや提供方法など、シーン別の対応も学習します。
(4)特殊な状況への対応
お客さまからのクレームや、名指しされた従業員が不在の場合など、イレギュラーな状況を想定しておけば、より安心できます。また、海外からの訪問客が多い企業では、お客さまに合わせた言語での挨拶や、文化の違いに配慮すべき事例を学習することも有益です。
このようなカリキュラムを通じて、新人は来客対応に必要な知識とスキルを身につけることができます。
3. 来客対応研修の効果を上げるポイント
来客対応のスキルを高めるためには、前章で紹介したカリキュラム内容を知識としてインプットするだけではなく、ロールプレイングなどの実践的なプログラムを通して体得することが大切です。
そこで、より効果的な来客対応研修を行うためのポイントをまとめてみました。
〈ポイント.1〉ロールプレイングを行い、実践力を身につける
実際の業務シーンを再現するロールプレイングを行うことで、理論だけではなく実践的なスキルを身につけることができます。また、さまざまなシチュエーションやトラブルを想定することで、問題解決能力も強化されます。
〈ポイント.2〉フィードバックを行う
ロールプレイング後は、具体的なフィードバックを行いましょう。何が良かったのか、何を改善すべきかを伝えることによって、学習の理解を深めることができます。また、上手にできた際はポジティブな言葉をかけることで、新人は自信を持てるようになります。このような成功体験を積むことによって、学習や業務へのモチベーションも高まります。
〈ポイント.3〉研修の目標や、得られるメリットを伝える
来客対応研修を始める前に、研修の目標を設定することで、学習の方向性が明確になります。また、研修にどのようなメリットがあるのかを伝えると、学習者の意欲向上にもつながります。
〈ポイント.4〉手本となる実演を行う
講師や先輩社員が実際の来客対応を実演することで、新人は具体的なイメージを持ちやすくなります。良い例と悪い例の両方を見せるとさらに効果的です。
〈ポイント.5〉実際の来客対応に参加
研修の一環として、実際の来客対応に先輩社員と共に参加させることで、実地経験を積ませます。初めは見学からスタートし、徐々に新人が対応する場面を増やしていきましょう。
これらは一度きりで終わらせずに、定期的なフォローアップトレーニングを行うことをおすすめします。研修を重ねることで、新人の不安や緊張が軽減され、スキルの定着が図れます。その結果、実際の業務でも即戦力として活躍できるようになります。
また、新人が来客対応の手順をいつでも確認できるように、マニュアルやリソースを整備しておくのも有効です。
4. eラーニングで新人研修を行うメリット
かつて新人研修といえば、対象者を一堂に会して行われる集合研修が一般的でした。集合研修は、その場でフィードバックができる、講師とコミュニケーションが図れるといったメリットがある一方で、時間やコストの面で課題がありました。
そこで近年注目を集めているのが、eラーニングを活用した「高品質・高効率な新人研修」です。ここでは、新人研修をeラーニングで行うことのメリットを解説していきます。
〈メリット.1〉時間や場所を問わず学習に取り組める
eラーニングは時間や場所に制約されることなく、従業員一人ひとりのスケジュールに合わせて学習ができます。また、若い世代に馴染み深いスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスにも対応しているので、新人も気軽に学習に取り組むことができます。
〈メリット.2〉何度でも復習が可能
eラーニングは“その場限り”の集合研修とは異なり、繰り返し受講することが可能なので、理解できるまで徹底的に反復学習することができます。特に覚えることの多い新人にとっては、心強いツールとなりそうです。
〈メリット.3〉教育を平準化できる
集合研修の場合、講師によって“教育の質”にバラつきが生じる可能性があります。しかし、eラーニングであれば、すべての受講者に対して同じ教育内容を提供でき、教育の平準化につながります。
〈メリット.4〉学習管理が容易で、最適な教育を提供できる
eラーニングの配信や受講は、基本的にLMS(学習管理システム)が使われます。このLMSには、学習の進捗状況や成績などのデータがすべて記録されているので学習管理が容易です。また、データを基にテストを実施したり、アンケートをとったりできるため、新人の一人ひとりに対して最適な教育を提供することができます。
〈メリット.5〉コスト削減につながる
eラーニングはオンライン上での学習であるため、講師へのギャランティや会場費、受講のための移動費などが不要です。例えば、全国に支社がある企業で新人全員を対象とした集合研修を実施する場合、会場までの移動費や宿泊費などが発生することも考えられます。しかし、eラーニングであればこれらの費用がかからないため、コストを大幅に削減することできます。
このようにeラーニングは、学習の柔軟性や学習効果の向上、コスト効率など、これまでの研修スタイルにはない、多くのメリットを提供することができます。
5. eラーニングのデメリットをカバーする方法
新人研修にも有効なeラーニングですが、実践という面ではどうしてもカバーできない部分があります。そこで、それを補う方法についてご紹介します。
●ハイブリッド式の研修として活用する
eラーニングで基礎知識や理論を学び、実践面は職場の上司や先輩社員に協力してもらいロールプレイングを行います。eラーニングで得た知識をリアルな環境で応用することによってスキルが定着し、臨機応変な対応を身につけることが可能になります。
●インタラクティブな要素を加える
eラーニングにインタラクティブな動画やゲーム形式のコンテンツを加えることで、学習者の意欲が高まり、より主体的に学ぶことができます。例えば、良い例・悪い例を実演した動画を入れた場合、双方を比較することで、その結果を明確に把握でき、具体的な対応方法をイメージしやすくなります。
●反復学習ツールとして利用する
手軽にどこでも学ぶことができるeラーニングは、反復学習や復習を行うツールとして最適です。ロールプレイングで得た知識や経験の“振り返りの場”として、eラーニングで再確認することは、知識の深い理解や定着につながります。
基礎知識の習得や反復学習はeラーニングで、実践的な学習はロールプレイングで、というように学習方法を組み合わせることによって、学習者は理論と実践の両方をバランス良く学ぶことができます。
6. まとめ
企業の第一印象を決定づける来客対応は、数多あるビジネススキルの中でも特に重要なものの一つです。また、来客対応の基本を学ぶことは、社内外のコミュニケーション能力向上にもつながり、新人のうちから早めに習得しておきたいスキルです。そのため、新人に向けた来客対応研修は企業にとって必要不可欠と言えます。
そんな来客対応研修をより効果的に、より効率的に行うためにおすすめしたいのが、上記でもご紹介したeラーニングです。
ヒューマンサイエンスでは、新人の早期戦力化をサポートするさまざまなeラーニング教材をご用意しています。その中の一つ、「ビジネスマナーのきほん 来客・訪問編」は、来客対応や取引先訪問、名刺交換などの基本的な対応方法について、わかりやすく解説しています。
詳しくは、株式会社ヒューマンサイエンスのeラーニングサイトをご参照ください。
企業の未来を支える新人が自信を持って活躍できるように、来客対応スキル向上の一助になれば幸いです。
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