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2017.11.01

ノウハウ

企業教育におけるeラーニング きほん③(eラーニングと集合研修)

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    eラーニング教材制作サービス

    本シリーズ第1回「企業教育におけるeラーニング きほん①(はじめに)」でも触れましたが、eラーニングとは、広義ではITを使用した様々な学習のことを指します。学習管理システム(LMS)を使用して学習管理を行うものが一般的です。
    今回は、集合研修との比較から、eラーニングのメリット・デメリットをご紹介します。

    1. さまざまなeラーニングの呼び方

    いきなり少し主題から離れますが、会社・組織により、eラーニングをなんと呼んでいるか異なっています。皆さんの組織ではどのように表現しているでしょうか。下記以外のものもあるかもしれません。

    ・eラーニング
     (イーラーニング/e-learning)
    ・Web研修、Web教育
    ・ウェブトレーニング
    ・ウェブラーニング
    ・動画、動画教材
     (映像以外も動くものとして)
    ・WBT
     (ダブリュビーティ:Web Based Training)
    ・CBT
     (シービーティ:Computer Based Training)
    ・オンライン学習
    ・イーラン(読みのみ)
    ・eL(書きのみ) 他

    WBTやCBTあたりは、黎明期2000年ごろから導入している企業が使用している場合が多いように思います。

    2. eラーニング vs. 集合研修

    eラーニングと集合研修には次のような違いがあります。 状況や教育内容などに合わせて、長所を活かし、短所を考慮した教育手段を選ぶ必要があります。

    例えば、eラーニングは、全国に受講者がいる場合や勤務時間がまちまちな場合に利用価値が高まりますが、受講者のモチベーションが下がりがち(学習効果が低くなる)といった問題点もあることが分かります。逆に集合研修は、講師のスキルや相性によって効果が大きく変わることや、数・量が増えるほどコストが高くなりがちという特徴があります。

      eラーニングの特徴 集合研修の特徴
    時間 ◎ 移動時間が掛からない
    ◎ いつでも受講可能
    ◎ 自分のペースで進捗できる
    ◎ スピード感のある情報配信も可能
    △ 受講者の移動、講師の移動が必要
    △ 決められた時間のみ参加可能
    場所 ◎ ネットワークにつながればどこでも △ 会場が必要
    コスト ◎ 比較的安い(システム・コンテンツ費) △ 比較的費用が掛かる(会場費、移動費他)
    内容 △ 同じ質・同じ内容で提供できる反面、多くの人に受けてもらうため平坦な内容が多い
    △ 一方通行でコミュニケーションが難しい
    ◎ 受講者の反応を見て内容を調整することも可能
    ◎ わからないことを納得するまで質問できる
    講師 ○ 不要または動画出演。知識があれば高い講師能力(ファシリテーション等)は不要 △ 質の高い研修には、経験・知識だけでなく、高い講師能力が必要
    受講者 △ 対自分(または顔の見えない誰か)という意識が強く、モチベーションが下がりがち ◎ 上司の理解や、講師次第で高いやる気/効果を発揮
    運用管理者 ◎ 学習結果をデータ管理できる
    △ IT知識が必要
    △ スケジュール調整、欠席者への対応などが必要
    適正 △ 知識習得に向いており、実技習得には向かない △ 実技・発展学習に向いており、知識習得には向かない

    ※ いずれの評価も各種実施条件/利用サービスにより異なります。

    3. eラーニングを導入する理由

    複合的な理由(下記以外を含む)で選ばれることが多いものの、企業がeラーニング導入を決めた理由は、次の様なことが多く上げられます。

    • コスト削減(講師、会場費、移動費)
    • 遠隔地教育(全国・海外への講師の派遣が非現実的)
    • 教育の平準化(同じ内容、いつでもどこでも)
    • 学習管理が可能
    • 負担の軽減(対象者が同じ時間・同じ会場に集まるのは困難) 等

    4. それぞれの欠点を補うサービス

    eラーニングと集合研修、それぞれのメリット・デメリットを補う様々な仕組みと技術の活用も進んでいます。

    ・クラウドLMS:
    運用負担・コストを低減、IT知識やサポートが不要な場合も
    ・ブレンディング研修/反転学習:
    eラーニングと集合研修の長所を組み合わせる
    ・動画・VR・マイクロラーニング他:
    知識定着、技術習得、行動変容が可能
    ・ソーシャルラーニング:
    受講者間・講師のコミュニケーション(SNSなど)
    ・アダプティブ・パーソナライズドラーニング:
    個人の特性や状況に合ったコンテンツの提供
    ・マイクロラーニング:
    短いだけでなく、短いという特徴を活かした人材育成の仕組み

    はじめてeラーニングを導入するタイミングでは、手軽なクラウドLMSの導入や既存の集合研修のブレンディング化の検討は必要ですが、それ以外の仕組みや技術の導入は早計なことが多くあります。
    コストや必要性を充分に見計らってから検討するといいでしょう。

    5. 失敗するeラーニング

    ただし、長所を活かしきれない、短所をカバーしきれないなどの理由により、多くのeラーニングが充分に活用されているとは言い難い状況です。
    失敗するeラーニング/成功するeラーニングの特徴については、今後のブログトピックでご紹介する予定です。

    過去の記事: 「企業教育におけるeラーニング きほん」シリーズ

    ① はじめに: eラーニングとは、学校教育との違い など
    ② 理論編: インストラクショナルデザイン(ID) など

    立野 慶吾

    執筆者:

    立野 慶吾
    教育ソリューション部 コンサルティングユニット
     ・研修講師・Webデザイナー等を経験
     ・教育設計・eラーニング開発等に従事
     ・ラーニングデザイナー(eLC認定)
     ・ATD International Professional Member

    お問合せ先:

    電話番号 : 03-5321-3111
    hsweb_inquiry@science.co.jp

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