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eラーニングブログ

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2020.11.02

ノウハウ
事例紹介

企業教育におけるeラーニング きほん④(失敗するeラーニング)

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    eラーニング教材制作サービス

    eラーニングは、既に多くの企業が導入しています。
    しかし、私自身が企業の教育担当者や受講者から聞くeラーニングの評価は、得てして厳しいことが現状です。もちろん上手に活用されている企業もありますし、 ”すべての受講者に満足されるコンテンツ” はあり得ないということも理解しておく必要があります。

    どうすれば成功するのか、その答えの一つは、受講者自身がその教育の必要性を感じて、学びたいと思ってくれることです。教育を提供する側は、そのための工夫「どうしたら興味を持ってくれるか」を検討しなければ、また、記憶を定着させたり、行動に移させたりという工夫をしなければ、せっかく捻出した学習が無駄な時間なってしまいます。

    受講者のやる気を引き出し、eラーニングを成功に導くためのカギを得ていただくために、今回は、eラーニングの失敗例をご紹介していきます。いずれも、特定の会社・組織に限定して起こっている問題ではありません。



    こんなeラーニングは失敗する!

    仕事柄、多くのクライアントのeラーニングコンテンツと実施状況を見てきた経験から、失敗事例3点をご紹介します。いずれもよくあるタイプの失敗です。
    ※ただし、クライアントの特定に結び付かないように敢えて変更している箇所等がある旨、ご留意ください。

    A社の事例: 技術者がしっかり作り込んだ教材!

    正確な情報であることと、eラーニングに最適化された情報は異なります。
    この事例では、教材内容に精通していて、指導も行っている方が執筆を行っていましたが、多くの方に見ていただきたいが為に、教材の情報量が膨大になっていました。様々な注釈や深入りしたポイントが多数含まれていたために、全体を通しても、1スライドだけ見ても情報過多で、何がポイントなのかつかめない状態になっていました。また、そのために1教材当たりの受講時間も1時間を優に超えており、気軽に学習できるものではありませんでした。さらに、専門性が高く、内容が複雑であるために、執筆者に確認を取らなければ、内容更新すらままならない状況に陥っていました。

    B社の事例: 赤信号、みんなで渡れば怖くない

    「学習する文化」が大事であるというのは過去のブログでも繰り返し述べましたが、「学習しない文化」が定着していることがあります。
    この事例では、受講者は業務を優先しており、さらに、業務中に勉強することがローカル法で容認されていないために、「とにかく早く終わらせなきゃ」という状況になっていました。具体的には、スライドは「次へ」ボタン連打で読み飛ばしたり、テストに関して回答をみんなで共有したりするなどです。
    原因は、各個人にあるのではなく、彼らを取り巻く組織文化などにあるのですが、検討されていた対策は「「次へ」ボタンはすぐにクリックできない設定」にし、「ランダム出題」にするなどでした。この状態で運用を厳しくすると、eラーニングのイメージが悪化して内容理解も学習効果も上がりません。悪循環が起き、「もっとルールを厳しくして」、「反発を招いて」…というスパイラルに陥り兼ねない状況でした。

    C社の事例: 作ること自体が目的に

    組織に属していると、決定事項や上司の命令を守ることが第一優先となりがちです。もちろん大切な事柄ではあるのですが、計画見直しの必要性や、本来の目的を忘れてしまうことになります。
    この事例では、スケジュール遵守と確保された予算に優先されて、「営業担当者が、製品A・B・Cの違いを理解し、顧客に適切な商品を提案できる」等の本来の目標がないがしろにされていました。また、「商談成功率X%アップ」、「営業利益X%アップ」という実施目的やゴール(ビジネスインパクト)も設定されていませんでした。
    そのまま制作を進めたことで、「誰が・いつ・どこで」学習する教材なのかも十分に検討されず、「なぜ」教材が必要なのかも関係者に共有されないままでした。開発途中における、技術面・品質面の課題発生、それに伴う納期再検討のタイミングなどもあったにも係わらず、いずれも表面的な改善のみで、根本的な計画見直しが成されませんでした。前述のような目標は、学習者に適切に示されることがなく、受講者は戸惑い、十分な成果を上げられない結果となっていました。


    まとめ

    A社はコンテンツ・制作者の問題、B社は受講環境の問題、C社は目的・目標の問題があります。程度や範囲は様々かと思いますが、多くのeラーニング導入企業でも起こっている事態ではないでしょうか。コンテンツの質だけが良くても成功しません。制作者の意識や認識、受講者の置かれた環境に考慮した設計、環境づくりも合わせて重要であるということが言えます。

    上記の事例3つを読んで、どうすれば成功したか、イメージできた方もいらっしゃるかと思います。ただし、eラーニングの成功如何は、ちょっとした違い(既存の組織文化・環境・個人の属性など)により異なりますので、絶対解はありません。

    立野 慶吾

    執筆者:

    立野 慶吾
    教育ソリューション部 コンサルティングユニット
     ・研修講師・Webデザイナー等を経験
     ・教育設計・eラーニング開発等に従事
     ・ラーニングデザイナー(eLC認定)
     ・ATD International Professional Member

    お問合せ先:

    電話番号 : 03-5321-3111
    hsweb_inquiry@science.co.jp

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