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2023.09.20

Moodle

スマホやタブレットでeラーニングを活用するメリット

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    スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス(以降スマホ)は、私たちの日常生活に欠かせない存在となりました。その利便性を最大限に活かす分野の一つが教育です。スマホを用いたeラーニングは、学びの新しい可能性を切り拓く可能性に満ちています。今回は、スマホでのeラーニング活用における利点や意識しておきたい点、導入の際のポイントなどを解説していきます。


    1. 主流となるeラーニングの“スマホ活用”

    かつてのeラーニングは、主にPCを利用して受講していました。しかしながら、近年ではICT(情報通信技術)の進展やオンライン化、さらにスマホなどの端末が広く普及していることから、スマホでの受講ニーズが高まっています。
    そもそも、PCでしか受講することができないeラーニングは、以下のような理由から、学習機会の制限があると考えられます。

    ■アクセスへの制約
    スマホだけでさまざまなタスクを完結することが増えた現在、PCを所有しない人も一定数存在します。PCを利用する環境が整っていない人は、eラーニングコンテンツにアクセスすることができません。

    ■モビリティの欠如
    PCは、スマホに比べて持ち運びが面倒で操作も多いため、外出時や移動中に学習が困難な場合があります。

    ■デジタルリテラシーの要求
    PCを使ってeラーニングを行うためには、ある程度のデジタルリテラシー(デジタル技術を使いこなす能力)が求められます。デジタル技術に慣れていない人にとって、PCでの学習は、スマホよりもハードルが高いかもしれません。

    ■学習スタイルの多様性
    学習スタイルは一人ひとり異なります。空いた時間を効率よく学習に使いたい人々にとっては、PCだけのeラーニングが適切でない場合もあります。

    このようにPCでしか利用できないeラーニングは、学習の機会を制限してしまうリスクがあることがわかりました。そのため、アクセスがしやすく、手軽に学習できるスマホをeラーニングに対応させることで、より多くの人が学習できる機会を設けることができます。

    株式会社デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所が2019年に実施した「企業研修におけるスマートフォン活用についてのアンケート調査」によると、企業全体の27%が「自社の研修はスマホでも受講できる」と回答。約4社に1社の割合で、eラーニングのスマホ活用が進んでいることがわかりました。

    【アンケート調査概要】
    調査目的 :企業研修におけるスマートフォン活用の現状と最新のトレンド、課題を調査する
    調査期間 :2019年5月9日(木)~5月14日(火)
    調査方法 :Webアンケート方式
    調査地区 :全国
    調査対象 :企業研修にeラーニングを導入している企業の人事教育担当者100名

    2.「スマホ × eラーニング」のメリット

    スマホでeラーニングを行う際のメリットを整理してみましょう。

    〈メリット.1〉 アクセスの自由度と柔軟性
    スマホを用いたeラーニングは、学習者にとって時間と場所にとらわれることなく、学びへのアクセスを可能にします。通勤中や待ち時間、休憩中など、スキマ時間といった日常の合間に学びを取り入れることができ、学習の習慣化にもつながります。

    〈メリット.2〉インタラクティブな学習体験
    スマホは、基本的にタッチスクリーンやセンサーなどの機能を備えているので、マウスやキーボードで操作するPCと比べて、よりゲーム感覚で学習に取り組むことができます。クイズ、演習、シミュレーションなどのアクティビティを通じて、学習を楽しみながらの知識の獲得を期待できます。

    〈メリット.3〉バラエティに富んだコンテンツ
    スマホは、ビデオ、音声、画像、テキストなど多様なコンテンツ形式をサポートしています。これらによって、複数の感覚を使った学習も可能となり、情報を吸収しやすく、より深い理解を促進します。

    〈メリット.4〉自己のペースでの学習
    スマホを使ったeラーニングは、場所や時間にとらわれることなく、自分のペースで学習を進めることが容易です。難しい部分を何度も繰り返して学んだり、興味のあるトピックに重点を置いて学習したりすることがより手軽になります。

    〈メリット.5〉マイクロラーニングと好相性
    1分〜5分の勉強を繰り返し行うマイクロラーニングは、短時間で学習効果が期待できる高効率な学習方法。操作性や携帯性に優れたスマホを活用することで、いつでも気軽に取り組むことができます。また、短い時間内で集中して学べるので、多忙な現代人の学習ニーズにもマッチします。

    スマホを活用したeラーニングは、柔軟性と多様性を重視する現代の教育現場において、重要な役割を果たしています。アクセスの容易さや学習の個別対応性、インタラクティブな学習環境を享受しながら、知識とスキルを身につける道が広がっています。

    3.eラーニングをスマホで実施するには?

    eラーニングをスマホで快適に利用するためには、いくつかのステップや考慮すべき点があります。以下に、実施する際に必要なポイントを紹介します。

    ●スマホ対応型のeラーニングシステムの導入
    eラーニングをスマホに対応させるためには、「Moodle」などの適切なLMS(Learning Management System:学習管理システム)が必要です。LMSを検討する際には、学習ニーズや機能要件に合わせて最適なサービスを選ぶことが大切です。

    ●コンテンツの最適化
    eラーニングコンテンツをスマホフレンドリーな形式に最適化させましょう。画面サイズや解像度、タッチスクリーンの操作などに対応するために、コンテンツを適切に調整することが、操作性の向上につながります。

    ●レスポンシブデザインの採用
    スマホでの閲覧に適したレスポンシブデザイン(利用者が使用するデバイスの画面サイズに応じて表示を最適化するデザイン)を採用しましょう。コンテンツが適切に表示されて視認性がアップし、利用しやすくなります。

    ●アクセスの容易化
    学習者がアプリやウェブブラウザを通じてコンテンツにアクセスしやすいよう、シンプルで使いやすいナビゲーションやログインプロセスを提供しましょう。

    ●適正なコンテンツの提供
    スキマ時間で活用されるケースも多いため、スマホで利用されるコンテンツは、短くわかりやすいものが好まれる傾向があります。また、コンテンツを選ぶ際には、スマホの小さな画面での閲覧に適した形式やデザインを考慮しましょう。

    ●進捗の追跡や評価
    スマホを使用した学習の進捗や成績を追跡し、評価する仕組みを整えましょう。テスト結果やレポートの提出率など、LMSの学習管理機能を用いて適切な評価を提供することで、学習者自身のモチベーションアップや学習成果の向上につなげます。

    ●インタラクティブなコンテンツの組み込み
    スマホの特性を活かし、クイズ、演習、シミュレーションなどのインタラクティブなアクティビティをコンテンツに組み込むことで、学習者の興味関心を惹きつけることができます。

    ●オフライン学習のサポート
    スマホでの学習を途中で中断しても、オフラインで学習を続けられる仕組みを導入することが重要です。学習者がインターネットにアクセスできない場所でも学習が続けられるような工夫を考えてみましょう。

    スマホを活かしたeラーニングは、柔軟性や利便性を提供することができますが、それを実現するためには適切な計画とツールが必要です。上記のポイントを考慮し、効果的な学習環境を築いていきましょう。

    4.スマホでeラーニングを活用する際の注意点

    ここまでのご説明で、スマホでeラーニングを行うことは、とても有益だとわかりました。しかし、利用する際はいくつかの注意点を考慮することが大切です。スマホでのeラーニングを、効果的かつ安全に活用するための注意点をまとめてみました。

    ●セキュリティの保護
    スマホは紛失や盗難の恐れがあるため、学習アプリやウェブサイトへのログイン情報や個人データの保護が重要です。また、学習者の個人情報を保護するため、管理者側はプライバシーポリシーやデータ保護に関するガイドラインを提供し、同意を得ることが求められます。

    ●情報漏えいへの備え
    eラーニング教材に自社情報が含まれていると、教材をダウンロードして学習する形式の場合、情報漏えいのリスクが発生します。特に個人が所有するスマホを利用するケースでは、セキュリティ対策が充分になされていないことも考えられるため、さらにリスクは高まります。そこで、学習時は、クラウド上のプラットフォームにログインさせる形式が、リスクヘッジの一つとして考えられます。

    ●デバイスの適合性を確認
    学習コンテンツが正しく表示されることを確認するために、使用するデバイスのタイプや画面サイズ、解像度に注意を払いましょう。特にスマホで受講する場合、資料のサイズが小さくなることが懸念されます。文章が読みにくいと、読み飛ばしたり、記載に気がつかなかったりするなど、学習効果に影響を与える可能性があります。

    ●学習意欲を継続させるための工夫
    スマホは通常、複数のアプリやタスクが同時に実行される環境です。学習中にほかのアプリや通知に気を取られることがあり、集中力や学習意欲を低下させる可能性が考えられます。そのため、前章で触れた「進捗の追跡や評価」や「インタラクティブなコンテンツ」を取り入れるなど、モチベーションを維持させる工夫が必要となります。

    これらの注意点を踏まえて、スマホでのeラーニングを計画・実施することで、安全で効果的な教育を実現することができます。

    5.まとめ

    多忙な現代人にとって、スマホを活用したeラーニングは、効率的な学習手段を提供してくれます。その有用性を最大限に引き出すために、今回の記事で解説したポイントや注意点を念頭に置いて、最適な学習環境を整えていきましょう。

    スマホに対応したeラーニングプラットフォームの導入を検討されている場合は、専門知識のあるベンダーにご相談されることをおすすめします。適切なプラットフォームの選定からカスタマイズ、導入支援まで、さまざまなサポートを受けることができます。

    ヒューマンサイエンスでは、eラーニング教材制作の豊富な実績があります。プロジェクトの進行管理のノウハウを活かし、eラーニングの企画や設計から支援します。各プロジェクトには、経験豊富な専任のプロジェクトマネージャが割り当てられ、専門のコンサルタントチームが納品までしっかりとサポートします。教材制作のお悩みがありましたら是非お気軽にご相談ください。

    各サービスについては、下記よりご覧ください。
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