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2023.10.10

Moodle
ノウハウ

オープンソースのLMS「Moodle」のメリットは?

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    1. Moodleとは?

    Moodle(Modular Object-Oriented Dynamic Learning Environment)は、オープンソースの学習管理システム(LMS)です。教育機関や企業はMoodleを使って、オリジナルのオンライン学習環境を構築し、コースやトレーニングを管理・提供できます。またMoodleは、教育担当者がコースコンテンツを作成し、学習者とコミュニケーションを取り、評価やフィードバックを行うのに役立つ機能を提供しています。

    Moodleには、教育活動を支援するための多くの機能が含まれています。それには、受講のスケジューリング、フォーラム、問題、課題提出などがあります。受講者は資料にアクセスし、オンラインテストやグループディスカッションを通じて学習します。

    Moodleはモジュールベースの設計を採用していて、追加の機能や拡張モジュール(プラグイン)を導入して機能を拡張することができるようになっています。プラグインにはMoodle標準のものとサードパーティー製のものがあります。自分で作成して追加することもできます。セキュリティには十分な注意が払われていて、データ保護やプライバシーの機能を提供しています。

    さらに、Moodleは多言語対応やアクセシビリティの向上など、異なるユーザー層に対応するために取り組んでいます。Moodleのコミュニティは広範で活発です。世界中の教育関係者や開発者が情報共有やサポートを提供しています。全体として、Moodleは柔軟性、カスタマイズ性、そして安全性を備えたオープンソースの学習管理システムです。現代の教育をサポートするための強力なツールとなっています。

    詳しくは下記のブログでもご紹介しています。
    【Moodle基本講座】Moodleとは?

    2.オープンソースLMSのメリットとデメリット

    オープンソースソフトウェアとは
    オープンソースソフトウェアとは、特別な権限なしに誰でもソースコード(プログラムの元となるコード)を見たり、使ったり、変えたり、他の人に教えたりできるソフトウェアのことです。このソフトウェアを作った人たちは、皆がソースコードを見たり、改良したりすることを許可することで、皆で一緒に協力して新しいアイデアを生み出したり、進化させたりすることを目指しています。ソフトウェアの中身が見えるので、どういう仕組みで動いているのかがわかりやすくなり、問題や改善点も早く見つけやすくなります。

    SaaS型のLMS
    「SaaS」とは「Software as a Service」の略で、「サービスとしてのソフトウェア」を意味します。クラウド上にあるソフトウェアを、インターネットを経由して利用できるサービスです。SaaS型のLMSは、ベンダーがクラウド上に構築したLMSを利用するので、手間が少なく、素早く、簡単に利用を開始することができます。その反面、LMSの機能が限られる場合あります。カスタマイズの自由度は低いので、ベンダーが提供している以上の機能を利用することはできません。また、利用者が登録したユーザー情報や教材データはすべてベンダーが管理しているクラウドサーバー上に置かれます。不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティのリスク回避はベンダーにお任せになります。
    ここでは、オープンソース型のLMSとSaaS型のLMSを比較しながら、そのメリットとデメリットをご紹介します。

    ●メリット

    ライセンス費用が不要のため、コストメリットがある
    オープンソース型LMSは、基本的にはライセンス料などがかかりません。無料で利用できます。一方、SaaS型LMSはライセンス料が必要になります。もし1か月に一人100円のライセンス費がかかるとすると、1,000人で1年間の費用は120万円にもなります。Moodleの場合、https://moodle.org/の「Downloads」から最新のMoodleのアプリケーションを無料で入手できます。インストールの仕方はドキュメントが準備されています。無料だからといってオープンソース型以外のプラットフォームに比べて質が劣るわけではありません。必要な機能が十分備わっています。利用する人数に制限はありませんので、100人でも10万人でも利用することができます。

    大規模で活発なコミュニティを活用できる
    開発者や貢献者の大規模で活発なコミュニティがあります。ソフトウェアの改善や改良に継続的に取り組んでいます。「初心者による質問フォーラム」では、使っていてわからないことを質問すると回答が返ってきます。また、「サイトのセキュリティに関するフォーラム」では、Moodleサイトを安全に運用するための情報交換が行われています。誰でもMoodleの発展のために協力し合うことができます。通常、SaaS型LMSにはこうした大規模なコミュニティはありません。

    セキュリティ
    セキュリティ面については開発者たちがソースコードを監視し、バグを検出し、確立されたプロセスを通じて迅速に修正して、脆弱性を減らす継続的な取り組みが行われています。セキュリティ上で注意が必要なことが発生した場合は、セキュリティアラートがオンラインで掲載されたり、登録ユーザーにはメールアラートが送られたりします。すぐに情報が共有されるようになっています。SaaS型LMSに劣らない対応が行われています。

    独自の教育体制に合わせて変更・拡張(カスタマイズ)可能
    SaaS型LMSを利用した際、自分たちの教育体制に合わせてこうしてほしい、こんな機能があったらよい、という要望に応えることは難しいと言えます。でも、オープンソース型LMSは、ソースコードが公開されているので、自分で欲しい機能を開発して組み込むことができます。また、1,900個を超えるプラグインと呼ばれる拡張モジュールがMoodle.orgから無償で提供されています。それらを活用することによって、独自の教育体制に合ったeラーニングの環境を作ることができます。

    独自の環境に構築することができる
    機密性の高いeラーニング教材を扱うので、独自のLMSの環境を作り、データもすべて自分たちで管理したい、という場合があります。社外秘のような教材を使って社員教育したいときなどは、オープンソース型LMSは理想的です。社内のオンプレ環境にLMSを構築し、インターネットにも接続させない、という利用方法も可能になります。SaaS型LMSの場合は、こうした環境を提供することはできません。

    ●デメリット

    サーバーの技術的な知識が必要
    オープンソース型LMSは、オンプレまたはクラウドのどちらにも構築することが可能です。ですが、自分でサーバーを用意する必要があります。サーバーOSをインストールし、WebサーバーとDBサーバーもインストールして、そこにダウンロードしたMoodleをインストールし必要な設定を行います。手順は、Moodle Documentationで丁寧に説明されていますが、サーバーの技術的な知識が必要となります。SaaS型LMSの場合は、ベンダーが利用できる状態で提供しているので、そうした技術的な知識はなくてもすぐに使うことができます。

    サポート体制が必要
    オープンソース型LMSの場合は、通常開発元のサポートを受けることはできません。定期的に新しいバージョンがリリースされますが、バージョンアップは自分たちで行う必要があります。また、バージョンアップの際、対応するサーバーOSやミドルウェアの更新も求められることがあります。また、脆弱性を日頃からチェックし対処することも求められます。オープンソース型LMSの運用には、これらに対応するためのサポート体制が必要になります。SaaS型LMSでは、こうした作業はすべてベンダーが行ってくれますので、ユーザーは気にすることなく利用できます。

    まとまったマニュアルはない
    SaaS型LMSでは一般的に使用方法を載せた「マニュアル」が提供されます。ですが、オープンソース型LMSの場合は、まとまった形での「マニュアル」というものがない場合が多いと考えたほうがよいです。ただ、Webサイト上に、操作に必要な情報を載せているので、それを参照することができますし、コミュニティで特定の操作方法の疑問に答えている場合があるので、探してみることはできます。

    3.オープンソースLMSとしてのMoodleのデメリットを埋める方法

    オープンソース型LMSであるMoodleにも幾つかのデメリットがありますが、Moodleに絞ってそれらデメリットを埋める方法を紹介します。

    導入・保守運用・サポートは民間企業のサービスを利用する

    オープンソース型LMSの導入と保守運用には技術的および人的リソースが求められます。そうした面をサポートしてくれる民間企業のサービスを利用することができます。株式会社ヒューマンサイエンスでは、Moodleに関して次のようなサービスを提供しています。

    導入については次のようなパターンに対応しています。
    ・お客様が用意されたオンプレ環境にMoodleを構築する
    ・お客様が契約されたクラウド環境にMoodleを構築する
    ・ヒューマンサイエンスが用意したクラウド環境にMoodleを構築する
    加えて、カスタマイズやプラグインの開発や適用も行います。
    ご指定のバージョンのMoodleを構築し、ご利用に合わせた設定を行い、管理者アカウントをお渡ししますので、すぐに利用することができます。

    また、保守運用については次のサービスを提供しています。
    ・定期メンテナンス
    ・バージョンアップ
    ・問合わせサポート(電話やメールで対応)
    ・使い方セミナー
    ・汎用マニュアルの提供(管理者向け、講師向け、受講者向け)
    バージョンアップ時に、カスタマイズの再適用を行います。また、プラグインの対応についてもご相談をお受けていします。

    詳しくは下記ブログでもご紹介しております。
    【Moodle基本講座】Moodle のセキュリティ対策
    Moodleのプラグインの種類は?

    4.まとめ

    オープンソース型のLMSには大きな魅力があります。ライセンス費不要、大規模なコミュニティ、カスタマイズやプラグインなど、多くのメリットを活用できます。いくつかのデメリットもありますが、ヒューマンサイエンスのようなベンダーのサービスを利用することで、それを埋め合わせることが可能になります。

    ヒューマンサイエンスは2008年からMoodleのサービスを提供し始め、2017年にMoodleの公式パートナーとなりました。これまで培ってきたノウハウと多くの導入運用実績(プロジェクト:700件以上、企業・学校・団体:80事例以上)があります。Moodleの導入(コンテンツ制作を含め)から運用支援までのトータルソリューションを提供しています。電話やメールでのMoodleのサポートサービスも提供しているので保守運用も安心できます。ぜひ、オープンソース型LMSのMoodleをご利用の際はヒューマンサイエンスにご相談ください。

    株式会社ヒューマンサイエンスのeラーニングサイトをご参照ください。
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