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2024.03.07

Moodle

Moodleはどのように開発され、支援されているか

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    Moodleはオープンソースソフトウェアの学習管理システムです。無料で使えることは多くの人が知っています。でも、どのように開発されているのか、またどのように運営されているのか、開発費用はどうやって賄っているのか、などいろいろな疑問をお持ちかもしれません。
    今回は、Moodleの開発体制やサポート体制などに焦点を当て、Moodleの運用を支える環境についてご紹介します。


    1. Moodleを最初に開発したのは誰?

    Moodleを最初に開発したのは、オーストラリアのマーチン・ドウギアマス(Martin Dougiamas)氏です。マーチンは、子どもの頃、最寄りの学校から1,000キロも離れた西オーストラリアの砂漠の地域に住んでいました。1970年代のことです。コンピュータが一般的に使われ、学生が利用できるようになるずっと前の時代です。マーチンの家族は彼を航空学校に入学させますが、その当時最も進んでいた技術である短波ラジオを通じて学習しました。この遠隔学習の経験から、マーチンは学習にインターネットを使用するというビジョンを抱くようになりました。

    ・何百年もの間ほとんど変わっていない物理的な教室を超えて教育を取り入れる
    ・地球上のあらゆる場所で質の高い教育を実現する

    このビジョンを元にマーチンは、誰もが教育を受ける権利があるという信念を持ち、先進国や発展途上国に関係なく、学習者のニーズに合った柔軟でアクセスしやすい、そしてすべての人に質の高い教育を提供するオンライン学習ソリューションを作ることを目標にMoodleを設立しました。

    >Moodleの歴史|Moodle Docs
    >Moodleの物語|公式サイト

    2.Moodleを開発する資金源は?

    Moodleは無料で使用できるオンライン学習プラットフォームです。Moodleの開発と運営にかかる費用は、さまざまな方法で賄われています。

    認定パートナー:
    Moodle HQ(Headuarters)に正式に認定された企業または組織です。Moodleの導入や運用のサポート、またカスタマイズやプラグイン導入やトレーニングなど、さまざまなサービスを有償で提供しています。認定パートナーはそこで得た収益の一部を開発元のMoodle HQに支払います。それが開発のための資金源となっています。Moodleの認定パートナーに業務を依頼することにより、Moodleの安定した運営に貢献することができます。

    コミュニティの協力:
    Moodleは世界中の開発者、教育機関、および組織からなる広範なコミュニティに支えられています。多くの場合、個々の開発者や組織は無償で貢献し、コードの改善や新しい機能の開発に参加しています。

    寄付とスポンサーシップ:
    Moodleの開発は寄付やスポンサーシップによって資金が提供されることもあります。教育機関や企業は、Moodleの開発に興味を持ち、プロジェクトをサポートするために寄付や資金提供を行うことがあります。

    このように、Moodleは広範なコミュニティ、認定パートナーとサポーターによって支えられ、それによって開発と運用が可能になっています。

    3.Moodleの開発体制はどうなっている?

    Moodleの開発は、広範な国際的コミュニティと、Moodle HQと呼ばれる主要な組織によって支えられています。Moodle HQは、オーストラリアに拠点を置く組織です。以下はMoodleの開発体制に関するいくつかの主なポイントです。

    Moodle HQ:
    Moodleの中核的な開発とメンテナンスは、Moodle HQによって行われています。Moodle HQは、プロの開発者やスタッフから成るチームを抱えており、Moodleのコアコードの管理、セキュリティの確保、新機能の開発などを行っています。

    コミュニティ開発:
    Moodleの開発には、全世界の開発者や教育関係者から成る大規模なコミュニティが参加しています。コミュニティメンバーは、バグ修正、新機能の提案と実装、ドキュメンテーションの改善などに協力しています。Moodleはオープンソースプロジェクトであるため、誰でもプロジェクトに貢献することができます。

    開発サイクル:
    定期的に新しいバージョンがリリースされています。リリースサイクルには、新しい機能の追加、バグ修正、セキュリティの向上が含まれます。Moodleの開発者は、コミュニティからのフィードバックを受けながら、開発を進めています。

    このように、Moodleの開発体制は、専門の組織Moodle HQと大規模な国際的コミュニティの協力によって成り立っています。

    4.Moodleのバージョンアップ頻度はどれくらい?

    Moodleは頻繁にバージョンアップされており、よくメンテナンスされているシステムです。バージョンアップ頻度は、一般的にメジャー(例: 4.x)は年に2回(4月と10月)、マイナー(例: 4.x.y)は年に6回(2月、4月、6月、8月、10月、12月)です。これにより、ユーザーは定期的に新しい機能や改善点を取り入れて、高いセキュリティを確保することができます。

    また、Moodleには特別に長いサポート期間が設定されているLTS(Long Term Support)と呼ばれるバージョンがあります。通常は1年半くらいのサポート期間ですが、LTSのバージョンの場合、3年ほどの長いサポート期間が設定されています。多くのユーザーはこのLTSのバージョンを使ってMoodleを運用しています。

    バージョンアップは、Moodleの開発者やコミュニティが、新しい機能の追加、バグの修正、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化などを含むさまざまな改良を行った際に行われます。ユーザーは新しいバージョンがリリースされると、システムをアップグレードしてこれらの新機能や修正点を利用することが勧められます。

    具体的なリリーススケジュールやアップグレードの手順は、Moodleの公式ウェブサイトやドキュメンテーションで確認できます。

    >リリース情報|Moodle公式ウェブサイト

    5.Moodleのプラグインについて

    Moodleは、プラグイン(plugins)と呼ばれる「拡張機能」(Moodleに追加できる小さなソフトウェア)を使うと、標準にはないさまざまな機能を追加することができます。 プラグインには大きく分けて2種類のものがあります。1つは標準プラグイン、もう一つはサードパーティ製プラグインです。標準プラグインは、Moodleのソフトウェアをダウンロードするとダウンロードファイルの中に同梱されています。Moodleの構築後、設定を変更して利用することができます。

    また、サードパーティ製プラグインは、Moodle公式サイトの「Plugins」ページや開発元の企業などから入手することができます(有償の場合もあります)。

    >プライグイン|Moodle公式ウェブサイト

    Moodleのプラグインについては以下の記事でも詳しく説明しています。

    >Moodleのプラグインの種類は?|ヒューマンサイエンス

    6.Moodleの認定パートナーとは?

    Moodleの認定パートナーは、Moodle HQと提携してMoodleプロジェクトをサポートし、Moodleプラットフォームを利用したサービスを提供するために認定された企業や組織です。認定パートナーは、顧客の活用方法や要望などの情報をMoodle HQに提供し、開発に役立ててもらっています。また、収益の一部を提供することで開発費用の助けにもなっています。 Moodleの認定パートナーは通常、以下のようなサービスを提供します。

    Moodleの導入とカスタマイズ:
    教育機関や企業向けにMoodleを導入し、ニーズに合わせてカスタマイズなどのサービスを提供します。

    トレーニングとサポート:
    Moodleのトレーニングやサポートを提供し、ユーザーがMoodleをより効果的に利用できるようにサポートします。

    システム連携と開発:
    Moodleプラットフォームを拡張し、他のシステムとの統合や連携を行うための開発を提供します。

    コンサルティング:
    Moodleを活用して教育環境を最適化するためのコンサルティングを行います。効果的な利用方法や効率的な運用方法に関するアドバイスを提供します。

    >プライグイン|Moodle公式ウェブサイト

    また、サードパーティ製プラグインは、Moodle公式サイトの「Plugins」ページや開発元の企業などから入手することができます(有償の場合もあります)。

    >認定パートナー|Moodle公式ウェブサイト

    7.まとめ

    MoodleはMoodle HQと世界中の開発者によって開発が進められ、世界中のスポンサーや寄附者によって経済的に支えられ運営されています。日本国内でも、認定パートナーである株式会社ヒューマンサイエンスがMoodleを技術的にも経済的にも支援しています。認定パートナーとして皆さんがこのすばらしいオンライン学習管理システムを使って教育を進められることを支援できるのは、たいへん嬉しいことと感じています。これからも共にMoodleの進展に目を向けていきましょう。

    ヒューマンサイエンスは2008年からMoodleのサービスを提供し始め、2017年にMoodleの公式パートナーとなりました。これまで培ってきたノウハウと多くの導入運用実績(プロジェクト:700件以上、企業・学校・団体:80事例以上)があります。Moodleの導入(コンテンツ制作を含め)から運用支援までのトータルソリューションを提供しています。電話やメールでのMoodleのサポートサービスも提供しているので保守運用も安心できます。ぜひ、オープンソース型LMSのMoodleをご利用の際はヒューマンサイエンスにご相談ください。

    株式会社ヒューマンサイエンスのeラーニングサイトをご参照ください。
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