2025.12.18
医療機関の教育課題を解決するLMSとは?導入メリットと選定ポイント

医療機関では、医療の質と安全性を保つために、職員が継続的に学ぶ仕組みが欠かせません。しかし教育担当者の中には、「忙しくて研修の時間が取れない」「職種ごとに必要な教育が異なる」「研修の受講管理大変」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
多職種が在籍する医療機関では、教育の標準化や継続的な運用が難しく、法令に基づく研修の実施・記録管理も求められる中、従来の方法だけでは限界があります。
こうした課題に対し、LMS(学習管理システム)の導入は、教育の効率化、記録の一元管理、スキルの見える化といった面で有効な手段となり得ます。本記事では、医療機関における教育運用の課題と、LMS導入によるメリット、選定時のポイントを解説します。
目次
- 1. 医療機関における職員教育の重要性と課題
- 2. LMSとは?医療機関に導入するメリット 2-1. メリット1:手間の削減と効率化
- 3. 医療機関に最適なLMSのポイント 3-1. 医療機関に求められるLMSの4つの条件
- 4. 医療機関におすすめのLMS『Totara』とは?特徴と強みを解説 4-1. ダイナミックオーディエンスによるカリキュラムの自動割り当て
- 5. 医療分野で活用されるLMS「Totara」運用事例 5-1. Mozarc Medical – スキルの見える化とキャリア支援の強化
- 6. まとめ|医療機関の教育課題をLMSで解決
2-2. メリット2:受講履歴など記録の自動管理
2-3. メリット3:モチベーションの継続とスキルの見える化
4-2. 医療機関の厳格なコンプライアンス基準に応える安心設計
4-3. スキルの見える化で、確実な育成とキャリア支援
5-2. Hull University Teaching Hospitals NHS Trust – スキルの可視化と育成を効率化
1. 医療機関における職員教育の重要性と課題

医療機関では、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師など、専門職がそれぞれの役割に応じて高度な知識と技術を持ち、常に質の高い医療サービスを提供することが求められます。そのため、職員一人ひとりが継続的に学び、スキルを更新し続ける体制づくりが不可欠です。
さらに、感染対策、医療事故防止、個人情報保護、コンプライアンスなど、すべての職員が共通して理解すべき内容も多く存在します。これらは単なる社内ルールではなく、医療機関として法令に基づき計画的・継続的に実施しなければならない「教育要件」として位置づけられています。
しかし、現場ではシフト勤務や多忙な業務が日常的であり、全職員に対して均一な教育を安定的に提供することは容易ではありません。集合研修の時間確保が難しく、教育担当者の負担が集中したり、研修の実施状況や効果を十分に把握できないケースも見受けられます。
限られた時間と人員の中で、法令遵守を満たす教育と職員のスキルアップを両立するには、従来の研修方法だけでは限界があります。こうした課題に対応する手段として、LMSの導入が有効です。LMSを活用することで、職員が業務の合間や空き時間に、自分のペースで必要な教育を受けられる環境を整えることができます。
2. LMSとは?医療機関に導入するメリット
LMS(Learning Management System:学習管理システム)とは、オンラインで教育コンテンツの配信、学習の進捗管理、受講履歴の記録などを一元的に管理できるシステムのことを指します。企業や教育機関で幅広く使われており、医療機関でも職員の教育やキャリア形成を支援するツールとして活用されています。
>Totara LearnとはどんなLMSか?機能と利用事例の紹介
医療機関にLMSを導入することで、どのような利点が得られるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットについて詳しく見ていきます。
2-1. メリット1:手間の削減と効率化
医療機関では、外来対応や当直、シフト勤務などにより、全職員を一度に集めて研修を行うことが困難です。従来の集合研修では、同じ内容を複数回実施する必要があり、教育担当者や講師の負担が大きいという課題がありました。
LMSを導入することで、職員は自分の都合に合わせて、場所を問わず学習が可能になります。スマートフォンやタブレットからもアクセスできるため、業務の合間や休憩時間、通勤時間を活用した学習も実現できます。これにより、研修の回数を減らしつつ、全員に均一な教育を提供できるようになり、教育担当者の業務負担も大幅に軽減されます。
2-2. メリット2:受講履歴など記録の自動管理
医療機関では、感染対策や医療安全など、法令や業界基準に基づく研修の実施と記録管理が義務づけられています。誰が、いつ、どの研修を受講し、修了したかを正確に記録することは、監査や報告の場面で不可欠です。
LMSは学習履歴を自動で記録し、管理者がリアルタイムで進捗を把握できるため、人的ミスや記録漏れのリスクを大幅に軽減します。さらに、必要なデータを簡単に検索・抽出できるため、報告書作成や外部監査への対応もスムーズに行えます。
2-3. メリット3:モチベーションの継続とスキルの見える化
医療機関の教育では、基本的な知識の習得に加えて、専門性を高める学びも求められています。LMSには、研修修了者に対して自動でバッジや証明書を発行する機能があり、学習成果を可視化することが可能です。
これにより、職員のモチベーションを高めるだけでなく、誰がどのスキルを習得しているかを組織全体で把握できるようになります。人材育成の状況が見える化されることで、適切な人材配置や育成計画の策定にも役立ちます。
医療現場では、限られた時間と人員の中で、教育の質と効率を両立することが求められています。LMSは、こうした課題に対応するための有効な手段として、医療機関の教育体制を支える重要なツールといえるでしょう。
3. 医療機関に最適なLMSのポイント

医療機関における職員教育は、診療の質向上、法令遵守、認定取得、そして患者安全の確保に直結する重要な業務です。こうした複雑な環境において、LMSに求められる機能は、単なる教材配信にとどまらず、医療機関特有の要件に対応できる柔軟性と管理力が必要です。
3-1. 選定時の4つの重要条件
ここからは医療機関に最適なLMSの条件を見ていきましょう。
・条件1:時間・場所を問わない柔軟な学習環境
医療従事者はシフト勤務や緊急対応などにより、集合研修への参加が難しいケースがあるため、LMSの条件として、PC・スマートフォン・タブレットなど多様なデバイスに対応していることが挙げられます。マルチデバイス対応により、院内外を問わずアクセス可能な環境を提供することで、業務の合間でも学習機会を確保できます。通勤時間や休憩時間を活用した学習が可能になり、職員の負担を軽減しながら教育を継続できます。
・条件2:職種や役職に応じた研修の自動割り当て
医療機関の組織構造は複雑で、医師、看護師、薬剤師、事務職など、職種ごとに必要な研修内容が異なります。さらに、感染対策委員会や医療安全委員会など、委員会に所属する職員には専門的な研修も必要になります。
担当者の手間を減らすためにも、職員の属性情報(職種・役職・部署・委員会など)に基づき、研修を自動で割り当てるLMSが理想的です。これにより、教育の抜け漏れや手動管理によるミスを防ぎ、全職員に必要な教育を素早く確実に提供できます。
・条件3:高度なセキュリティへの対応
医療機関では、患者情報などの機微な情報を扱う特性上、LMSにも高いセキュリティレベルが求められます。LMSの選定にあたっては、不正アクセスを防ぐための強固なセキュリティ設計、改ざん防止のための操作ログの記録などの機能が重要です。
また、通信の暗号化(HTTPS対応)やネットワーク構成の安全性(ファイアウォール、DMZなど)といった、ツール以外のインフラ面での対策も欠かせません。
LMSを提供・販売する企業が、医療機関のセキュリティポリシーや法令要件に対応できる体制を整えているかどうかも、選定時の重要な判断材料となるでしょう。導入後の設定支援や運用サポートを含め、技術面・体制面の両方から安心できる環境を構築できるかを見極めることが求められます。
・条件4:詳細なレポート機能と監査対応力
医療安全研修など、法令や認定基準に基づいて実施が求められる研修では、実施記録の保存が義務付けられている場合もあり、外部監査や第三者評価において重要な確認項目となります。こうした背景から、LMSには、受講履歴・修了状況・修了証・未受講者リストなどをリアルタイムで抽出・出力できる柔軟かつ信頼性の高いレポート機能が不可欠です。
4. 医療機関におすすめのLMS『Totara』とは?特徴と強みを解説

医療機関に適したLMSのひとつに、世界中の教育機関で利用されるMoodleをベースに開発されたTotaraがあります。Totaraは、企業・医療機関・教育機関などの人材育成を支援するオープンソースのLMSで、世界中で1,500以上の組織、210万人以上のユーザに利用されています(2025年10月現在)。
「Top Learning Management System (LMS) Companies」にも選出されており、医療・製造・金融・教育など多様な業界で導入実績があることから、複雑な組織構造や法令遵守が求められる医療機関にも適したLMSといえます。
ここからは、Totaraの具体的な特徴について見ていきましょう。
>>企業向けLMS「Totara Learn」とは?人材育成に効く機能と導入メリットを徹底解説
4-1. ダイナミックオーディエンスによるカリキュラムの自動割り当て
Totaraの代表的な機能のひとつが「ダイナミックオーディエンス」です。ダイナミックオーディエンスとは、部署やポジション、入社年度、コース完了などユーザの属性や状態に応じて、必要な研修コンテンツを自動で割り当てる仕組みです。
人事データと連動して設定をすれば、例えばスタッフからマネージャーに昇進した職員には、管理者の操作なく自動でマネージャー向けカリキュラムが割り当てられます。医療機関では診療部門、看護部門、医事部門など多職種が混在しており、職種ごとに必要な研修も異なりますが、ダイナミックオーディエンスを活用することで研修漏れや手動ミスを防ぎ、全職員に必要な教育を確実に届けることができます。
Totaraのダイナミックオーディエンスの図解

4-2. 医療機関の厳格なコンプライアンス基準に応える安心設計
Totaraは、医療機関に求められる高度なセキュリティ要件に対応したLMSであり、定期的なバージョンアップを通じて設計の改善とセキュリティ強化を継続的に実施しています。年1回のメジャーリリースでは、各バージョンに最低4年間のサポート期間が保証されており、安定した運用が可能です。
また、GDPR(EU一般データ保護規則)準拠の設計を採用しており、日本の個人情報保護法にも対応が可能です。これにより、医療機関が求める高い情報保護レベルと法令遵守の両立が可能です。
4-3. スキルの見える化で、確実な育成とキャリア支援
Totaraは、職員のスキルや研修履歴を可視化することができ、職種ごとのスキルセットに対して誰がどこまで到達しているかを一覧で確認できます。これにより、育成の優先順位やキャリア支援の方向性が明確になり、管理職は部下のスキルギャップを把握しやすくなります。スタッフ自身も、自分に必要なスキルや研修を把握できるため、成長意欲の向上にもつながります。多職種が連携する医療現場において、こうしたスキルの見える化は、組織全体の質の向上やエンゲージメントにもつながります。
Totaraのコンピテンシー画面

5. 医療分野で活用されるLMS「Totara」運用事例
ここからはTotaraを導入した医療業界の運用事例についてご紹介します。
5-1. Mozarc Medical|育成業務を自動化し、管理者の負担を大幅削減
アメリカの医療機器メーカー、Mozarc Medicalでは従業員のスキル育成とキャリア支援を目的にTotaraを導入しました。以前のシステムでは、研修の割り当てや進捗管理が手作業で煩雑だったため、育成のタイミングを逃すことも多く、管理者の負担も大きい状況でした。
Totara導入後は、職種ごとのスキル要件に基づいて研修を自動割り当てできるようになり、進捗状況もダッシュボードで一目で確認可能に。管理職は部下のスキルギャップを把握し、適切な研修を提案できるようになりました。従業員自身も、自分のスキルやキャリアパスを可視化することで、成長の方向性を明確に描けるようになっています。
>リンク(英文):
https://www.totara.com/customer-stories/mozarc-medical/
5-2. Hull University Teaching Hospitals NHS Trust |スキルの可視化と育成を効率化
イギリスのHull University Teaching Hospitals NHS Trustでは、職員研修の質と効率を高めるために、Totara Learnを導入しました。従来使用していたシステムは国主導のLMSと比べると、柔軟性や機能に制限があり、現場のニーズに合った運用が難しいという課題を抱えていました。
Totaraはオープンソースで高いカスタマイズ性を持ち、導入後は、職員の研修履歴や学習状況の可視化が可能となり、管理職はチームの受講状況や研修予定を迅速に把握できるようになりました。また、職員自身も自身の学習状況を確認しながら学習を進めることができる環境が整っています。
さらに、年次評価などの人事プロセスも同じプラットフォーム上で一元管理できるため、育成と評価がスムーズに連動します。病院独自の研修要件にも柔軟に対応できるTotaraは、教育と人材開発の基盤として、現場から高く評価されています。
6. まとめ|医療機関の教育課題をLMSで解決
医療機関における職員教育は、診療の質、法令遵守、患者安全に直結する重要な業務です。しかし、多職種・多拠点にまたがる複雑な組織構造では、集合研修だけでは限界があり、教育の標準化と継続的な運用にはLMSの活用が不可欠です。
Totaraは、柔軟な学習環境、職種別の自動研修割り当て、高度なセキュリティ、詳細なレポート機能を備えたLMSとして、国内外の医療機関で高く評価されています。
ヒューマンサイエンスは、日本で唯一のTotara公式パートナーです。人事課題をLMSで解決したいというご担当者は、ぜひお問い合わせください。現場の課題に寄り添った提案と、導入・運用まで丁寧なサポートを提供いたします。
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