2024.07.24
新人営業にマナー研修で教えるべきビジネススキルとは? 営業同行やオンライン商談にも必須
営業職は企業の成長を支える重要な役割を担っています。そのため、営業職に就いた新人が、研修を通して“ビジネスのいろは”を学ぶことは重要なプロセスだと言えます。
今回のブログは「新人営業に向けたマナー研修」をテーマに、新人営業に求められるビジネススキルやオンライン商談におけるマナー、言葉づかいの重要性など、幅広い角度で研修のポイントを解説していきます。
1.新人営業に必要なビジネススキル
まずは、新人営業が身につけるべきビジネススキルを整理してみましょう。
〈1〉言葉づかいや基本的なマナー
適切な言葉づかいは、顧客に対して礼儀正しさや信頼性を示します。さらに、明確で簡潔な言葉を使うことで誤解を防ぎ、意思疎通を円滑にします。また、初対面の際のマナーは、顧客の第一印象を大きく左右します。良好な第一印象をもってもらうことで、その後の関係性をスムーズに進めることにつながります。どちらも顧客との信頼関係を築くために不可欠なスキルです。
〈2〉コミュニケーションスキル
営業職にとって、顧客とのコミュニケーションが業務の軸です。最適な提案やサービスを提供するためには、顧客に対する「聴く力」や「質問する力」を高め、ニーズや要望を的確に把握することが大切です。また、自社の商品やサービスの価値をわかりやすく伝える「伝達力」や、スピーディな返答を行う「レスポンスの速さ」もコミュニケーションスキルの一つです。
〈3〉 問題解決への提案力
営業活動では、顧客の課題を具体的に把握し、それに対する最適な解決策を導き出す、“解像度の高い提案力”を身につけることが大切です。そのためには、過去の事例を参考にして似たような問題に対する対応策を検討したり、上司や先輩の助言を仰ぐなどの方法が考えられます。
〈4〉自社の商品やサービスに対する知識と市場理解
自社商品やサービスについて深く理解することで、顧客に対して適切な提案ができ、その結果、契約成立や顧客の満足度向上が期待できます。そして、市場への理解も重要です。市場の動向や競合他社の製品を理解することで、自社商品やサービスの優位性をアピールすることにもつながり、営業戦略の立案やマーケティング活動の方向性を決定する際にも役立ちます。
〈5〉身だしなみへの意識
顧客と会う機会が多い営業職にとって、身だしなみへの意識は不可欠です。適切な身だしなみは信頼感やプロフェッショナリズムを示す一環として捉えられます。清潔感ある外見は顧客に好印象を与え、信頼関係を築く一助になります。
〈適切な身だしなみのポイント〉
●服装:シンプルで落ち着いた色合いのスーツやビジネスカジュアル。シャツについたシワや靴の汚れなど、細部にも注意が必要です。過度なアクセサリーや装飾品は避けるようにしましょう。
●ヘアスタイル:乱れのない整った髪型で清潔感を保ちます。
●身の回りの清潔感:ヒゲや爪の手入れ、歯磨きや口臭対策もしっかりと行いましょう。
ここでご紹介したのは一例ですが、これらのスキルは顧客との信頼関係を築き、効果的なコミュニケーションを図るための基盤となります。
2. 新人営業向け研修に適した手法
営業職は顧客と直接接するシーンが多いため、その場でのフレキシブルな対応力を身につける必要があります。そのため、研修では座学以外にも、実践的なスキルを養う手法を取り入れることがポイントです。
以下に、新人営業に向けた研修に適した手法をピックアップしました。
〈手法.1〉営業同行
新人が上司や先輩に同行する形で現場に出て、実際の顧客訪問や商談を体験することで、実践的なスキルを学びます。リアルタイムでのフィードバックも効果的です。
〈手法.2〉ロールプレイング
上司や先輩が顧客役や競合役を演じ、新人がそれに対応する形で営業スキルを磨きます。さまざまなシチュエーションを想定し、即座のフィードバックを通じて成長を促します。
〈手法.3〉ケーススタディ
過去の成功事例や失敗事例を取り上げ、その中から得られる対応策やミスの対処法を学びます。座学などで身につけた知識を実際のシーンを想定して活かすことで、理論を実践に結びつけます。
〈手法.4〉eラーニング
自己学習や反復学習においてeラーニングはとても有効です。時間や場所を問わず学習ができるため、営業活動の移動時間や待ち合わせなどのスキマ時間を活用できます。理解が不十分な部分は、繰り返し学ぶことで知識の定着が図れます。
座学で基礎知識を固め、eラーニングで自己ペースでの学習を行い、ロールプレイングや営業同行で実践力を身につけることで、新人の営業力を大きく向上させることが期待できます。
3. オンライン商談でもマナーを意識
リモートワークやオンライン会議の普及に伴って、営業の場面でもオンライン商談が一般的になりました。顧客とのコミュニケーションはPCの画面越しですが、対面ではないからこそ、オンライン商談での独自のマナーを覚える必要があります。
●オンライン商談におけるマナー研修が重要な理由
〈理由.1〉オンライン商談の増加・普及
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークとともにオンラインでの商談が急速に普及しました。対面とは異なる、オンライン特有のコミュニケーションの難しさを克服するために、基本的なマナーを身につけておくことがポイントです。
〈理由.2〉オンラインだからこそ気が抜けない
オンライン商談では、対面と比べてジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションが伝わりにくいため、言葉づかいや表情作りなど、より注意を払う必要があります。また、技術トラブルが発生することもあるため、事前に機器やソフトウェアのチェックを行い、準備を怠らないことが求められます。
〈理由.3〉記録に残り、後で見直されることもある
オンライン商談は、後で見直されたり、後々のトラブルを防ぐための証拠としても活用されます。つまり、その場での振る舞いが記録に残るということです。誤解やミスを避けるためにも、正確なマナーや言動を意識して商談に臨みましょう。
オンライン商談における具体的なマナーには、以下のようなものが挙げられます。
●オンライン商談のマナーの例
〈1〉商談前に連絡する
商談の予定日が近づいてきたら、念のため日時や参加者、事前資料の有無などを確認しておきましょう。不測のトラブルを避けることにつながります。特に多人数での商談や複雑な日程調整が必要な場合は、前もって連絡を取ることが重要です。
〈2〉自分の映り方を考える
商談の開始前には、画面での自分の映り方を考えて適宜調整しましょう。具体的には、カメラが正面にあり、顔がクリアで明るく映るようにします。また、背景にも気を配り、乱雑でないことやプライバシーが確保されていることも確認しておきましょう。
〈3〉自己紹介をしっかり行う
対面での商談では、最初に名刺交換を行うのが一般的です。しかし、オンラインではそのまま商談が始まることもあるため、挨拶の際に自己紹介をしっかり行いましょう。また、手元に名刺がないため、相手の名前は確実にインプットし、間違えないように意識することも大切です。
〈4〉話す時以外はミュートにしておく
自分が話すとき以外はミュート状態にしておきましょう。そうすることで、背景のノイズや、自分のPCから出るほかの参加者の音声などが、商談の進行を妨げることを防ぎます。特に参加者が多い商談では、それぞれの環境が異なるため、ミュートにしておくことで不要な混乱を避けることができます。
〈5〉相手が退出してから終える
オンライン商談の終了後、参加者は会議から「退出」することになります。その際、来訪者の立場である営業は、相手よりも先に自分が退出しないように注意しましょう。これは相手に対する敬意を示す行為でもあり、不快な印象を与えることを避けるためでもあります。
〈6〉商談後のお礼やフォローアップをする
商談後、感謝の意を示すことで相手によい印象を与えることができます。さらに、商談で共有した内容や決定事項を再確認し、誤解や不明な点がないかを確認することも重要です。もし商談時に相手から求められた事項などがあれば、すぐに対応しましょう。
オンライン商談でのコミュニケーションは、対面の場とは異なる特性があります。適切なマナーを守って会話を進めることで、混乱や誤解を避け、顧客との信頼関係を築くことにつながります。その結果、将来のビジネスチャンスやパートナーシップの機会を得ることも期待できます。
4. 新人世代に向けた、正しい言葉づかいの習得方法
正しい言葉づかいを覚えることはビジネスマナーの基本とも言えますが、特に新人営業には非常に重要な意味を持ちます。その理由は、営業職にとって言葉は“商売道具”であり、正しい言葉づかいは、ビジネスの獲得や顧客との関係構築に必要不可欠だからです。
この章では、若い新人世代に向けた、正しい言葉づかいを習得するための方法を紹介します。
〈1〉優れた“お手本”を模倣する
正しい言葉づかいを身につけるためには、模倣から始めることが有効です。優れた先輩社員の発言や応対を真似して実践することで、自然に知識を吸収することができます。
〈2〉読書を通して学ぶ
マナー本などの専門書やビジネス書から学習することも一つの手です。読書を通じて新しい表現やフレーズを知り、それを業務や日々のコミュニケーションに取り入れることで、言葉づかいの向上を図ります。
〈3〉実践的な練習とロールプレイを行う
実際の業務シーンを想定したロールプレイやシミュレーションの機会を設けることで、座学では得られない、応用力を備えた実践的な言葉づかいを身につけることができます。その際に感じる多少の緊張感やストレスも学習効果を促進します。
〈4〉間違った言葉づかいを訂正する
年齢が若い新人世代では、敬意表現を誤ったまま認識していたり、略語や新語など仲間内で通じている言葉づかいをそのまま業務で使用してしまうケースが考えられます。間違いに気づいた際はすぐに指摘し、正確な言葉づかいに修正することが大切です。
〈5〉定期的な学習と振り返り
言葉づかいは、一度学んだだけでは完全に身につかないことが多いため、定期的な学習や振り返りがポイントです。ビジネスマナーの動画を見る、クイズ形式で学ぶ、eラーニングに取り組むなど、自分にあった学習スタイルを選ぶことが継続を成功させるコツです。
このような方法を通して、正しい言葉づかいを身につけることにより、新人営業は自信を持って顧客と接することができるようになります。
5. まとめ
新人営業が正しいビジネスマナーや言葉づかいを習得することは、顧客との信頼構築、コミュニケーションの質の向上、企業評価や業績のアップなど、さまざまなメリットに結びつくことが期待されます。つまり、企業にとって、新人営業に向けたビジネスマナー研修とは、単なるスキルアップの手法に留まらず、持続可能な成長と成功に向けた重要な投資であると言っても過言ではありません。
そんなビジネスマナー研修の学習効果をより高めるためのツールが、eラーニングです。
ヒューマンサイエンスでは、内定者や新入社員に向けた、さまざまなビジネスマナー教材をご用意しています。
その中の一つ「ビジネスマナーのきほん 言葉づかい編」では、敬語の種類や使い方、ビジネスでよく使う言い回しやフレーズ、好感を与える言葉づかいについてなど、写真やイラストを用いてわかりやすく説明しています。
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