2025.01.31
パワーポイントでeラーニングの教材を制作するには?
eラーニングの需要が高まる中で、質の高い教材制作は必要不可欠です。しかし、実際に効果的な教材を作るためには、専門的なツールを使いこなさなくてはと、負担に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなハードルを下げ、誰にでも簡単に教材制作に取り組めるツールが、おなじみの「パワーポイント」です。日々の業務で使い慣れたソフトでありながらも、ちょっとした工夫で視覚的にも魅力的な教材が制作できます。
今回は、パワーポイントを教材制作に活用することのメリットや、制作のポイント、さらに心強い味方となる制作ツール「iSpring Suite」のご紹介まで、役立つ情報を幅広くお届けします。
1. パワーポイントで制作できるeラーニングの教材
パワーポイントは、主にプレゼンテーション用のスライド作成ツールとして広く使われていますが、その機能を利用してeラーニング教材を制作することが可能です。ここでは、パワーポイントでどのようなeラーニング教材を作成できるのかをご紹介します。
(1)PDF化して教材にする
パワーポイントはPDF形式で保存することができます。PDFは多くのデバイスで開けるため、PCやタブレット、スマートフォンなど多様な端末で閲覧できるというメリットがあります。また、制作時のレイアウトやデザインがそのまま保持されるため、作成者の意図どおりの内容で教材を提供することができます。
(2)PPT(PPTX)形式のワークシートが制作できる
パワーポイントは、インタラクティブなワークシートを制作するツールとしても優れています。あらかじめスライド内にテキストボックスや記入欄を設置しておくと、学習者が書き込むことができ、クイズやアンケート、ワークシートとしても活用可能です。閲覧資料はPDFで作成しておき、演習用のワークシートはPPT(PPTX)で提供する、というように用途によって形式を変えてもよいでしょう。
ただし、利用するには、PPT(PPTX)形式のファイルが閲覧できる環境が必要です。
(3)スライドショー機能を利用して動画教材にする
スライドショーの機能を活用すれば、動画編集ソフトを使わなくても、手軽に動画教材が作成できます。スライドに音声を追加したり、アニメーション効果やトランジション(切り替え効果)を加えることで、より本格的なコンテンツに。動画ファイルとして書き出せるので、講義やチュートリアルをそのまま教材として配信したり、eラーニングプラットフォームでの利用も可能です。
動画形式であれば、多様なデバイスで閲覧できます。
(4)ツールを活用してHTML5形式で書き出す
iSpringやStorylineなどのツールと連携すれば、HTML5形式の教材としても書き出すことができます。HTML5形式にすることで、クイズやアンケート、動画の埋め込み、ストーリーの分岐などが可能になり、よりインタラクティブで動的な教材を提供できます。
HTML5形式であれば、デバイスや環境の制限はあまり考慮しなくてもよいでしょう。
このように、パワーポイントに搭載されている機能を活かすことで、クオリティの高い教材を制作することができます。教材の内容が充実することで、学習者のモチベーションアップや理解促進につながり、学習効果の向上も見込まれます。
2. パワーポイントでeラーニングの教材を制作するメリット
パワーポイントを使用してeラーニングの教材を制作するメリットを、以下にまとめました。
〈メリット.1〉コストが抑えられる
多くの企業ではパワーポイントが導入されているため、新たに教材作成ツールやシステムを購入する必要がなく、導入コストを抑えることができます。さらに、内部のリソースで教材を制作できるので、コスト効率が高まります。
〈メリット.2〉制作のハードルが低い
パワーポイントはビジネスの現場で広く使用され、使い慣れていることが多いため、操作に不安を感じにくく制作のハードルが下がります。また、メニューや機能がわかりやすく設計されているので直感的に操作でき、誰でも簡単に教材を作成することが可能です。
〈メリット.3〉更新が容易
テキストの変更、画像の入れ替え、スライドの追加や削除なども簡単に行えるため、最新情報や新しい要素をスピーディーに反映できます。例えば、法令の改正や新しい統計データなどに合わせて教材を更新するのも容易です。
〈メリット.4〉動画教材も簡単に作れる
前述の通り、パワーポイントは動画教材も簡単に作成できます。スライドに音声や動画ファイルを組み込んだり、アニメーション効果を加えることで、静的なスライドが、より動的で効果的な学習コンテンツに変わります。
〈メリット.5〉ほかのツールとの連携で機能性がアップ
iSpringやStorylineなどのツールと連携することで、より高度な機能が追加されます。パワーポイントだけでは実現できない、インタラクティブなクイズやシミュレーション、進捗管理機能などを加えることができます。さらに、HTML5形式での出力や学習管理システム(LMS)との統合も可能になります。
パワーポイントを使ったeラーニング教材の制作には、使い慣れたビジネスツールを活用できる点や操作性の高さ、別ツールとの連携による機能性の向上など、多くのメリットがあります。パワーポイントの特性を活かして効果的な教材を作成し、学習の質を高めましょう。
>eラーニング教材の作り方④ ~パワーポイント編~3. パワーポイントでeラーニングの教材を制作するポイント
eラーニング教材の制作において、パワーポイントは使いやすく、柔軟性の高いツールであることがわかりました。この章ではパワーポイントを活用した、効果的な教材制作のポイントをご紹介します。
〈ポイント.1〉図説や写真、グラフを積極的に取り入れる
パワーポイントは、ビジュアルコンテンツを簡単に挿入・編集できる点が強みです。図や写真、グラフを用いることで、学習者は直感的に情報を理解し、記憶にも残りやすくなります。さらに、アニメーション機能を活用することで、手順や動作方法などの複雑な情報も視覚的に示すことができ、学習理解を助けます。
〈ポイント.2〉インタラクティブな要素を加える
クイズやテスト、ビデオ、音声、対話型の演出など、インタラクティブな要素を加えることで、学習者が積極的に参加できるコンテンツを制作することができます。じっとひたすら見るだけに終始するのではなく、学習者がコントロールできる要素やエンターテイメント性を加えるなど教材に楽しさがプラスされれば、学習のモチベーションが向上し、学習者の興味・関心を維持する効果も期待できます。
〈ポイント.3〉スライドデザインはシンプルに
スライドのデザインはできるだけシンプルに、情報を詰め込みすぎないことを心がけましょう。過度な装飾や色使いは学習を妨げることがあるため、ポイントを絞った、スッキリとしたデザインを意識することが大切です。
〈ポイント.4〉学習管理システム(LMS)と連携させる
パワーポイントで作成した教材は、LMS(学習管理システム)と連携することで、学習の進捗管理がしやすくなります。その際に、iSpringなどのツールを活用すると、パワーポイントから直接LMS向けの標準規格(SCORMやxAPI)にエクスポートでき、学習者の成績や進行状況を追跡することが可能になります。
〈ポイント.5〉利用環境に合わせてファイル形式を変える
パワーポイントで作成した教材をLMS上で運用する場合、SCORMやxAPIなどの標準規格に対応した形式にする必要があります。
また、教材をHTML5形式で出力すればブラウザ上で表示されるので、幅広いデバイスでの学習が可能になります。
このように「ファイル形式の最適化」を行い、利用環境に適した形式で出力することも覚えておきましょう。
これらのポイントを押さえて制作することで、質の高い教材を作ることはもちろん、学習管理の効率化にもつながります。
4. パワーポイントでeラーニング教材が制作できるiSpring Suiteとは?
パワーポイントを使ってeラーニング教材を制作する際、さらにその幅を広げ、効果を高めるためにおすすめなツールが「iSpring Suite(MAX)」です。iSpring Suite(MAX)の概要とメリットについて解説します。
〈iSpring Suite(MAX)とは?〉
米ソフトウェア会社であるiSpring社が提供するiSpring製品シリーズの中で、特に代表的な製品が、iSpring SuiteとiSpring Suite MAXです。これらはeラーニングコンテンツを制作するためのオールインワンツールセットで、専門的な知識がなくても、普段使い慣れているパワーポイントの操作感で、簡単に高品質なコンテンツを作成することができます。iSpring Suite MAXは、iSpring Suiteの全機能に加え、さらに高度な機能やサービスを備えた拡張版です。
〈iSpring Suite(MAX)の主な特徴とメリット〉
(1)簡単な操作でインタラクティブなコンテンツを制作できる
iSpring Suite(MAX)は、パワーポイントに追加機能として統合されるため、パワーポイントの操作に慣れている方であれば、iSpring Suite(MAX)の操作もスムーズに進められます。シナリオベースのトレーニングやクイズの作成、音声・動画の統合など、インタラクティブな教材を簡単に制作でき、学習者のエンゲージメントを高めることが可能です。
(2)SCORM対応でeラーニングシステム(LMS)との連携が容易
iSpring Suite(MAX)で制作した教材は、SCORM形式でエクスポートできるので、そのままLMSにアップロードできます。これにより、学習者の進捗状況を正確に追跡し、学習効果の分析ができるため、教材の品質改善にも役立ちます。
(3)パワーポイントのデザインをそのまま活用できる
パワーポイントで制作したスライドをiSpring Suite(MAX)でそのままeラーニング教材に変換できるため、既存のデータを無駄なく活かすことができます。すでにパワーポイントで作成した教育資料をお持ちの企業にとっては、iSpring Suite(MAX)は理想的なツールのひとつです。
(4)制作の時短につながる豊富なテンプレートと素材
iSpring Suite(MAX)にはテンプレートやデザイン素材が豊富に用意されており、短時間で見栄えのよい教材を作ることができます。また、シミュレーションやロールプレイングのような複雑なシナリオも手軽に組み込めるため、制作の時短につながります。
(5)マルチデバイスに対応
iSpring Suite(MAX)で制作した教材は、PCをはじめ、スマートフォンやタブレットなどのさまざまなデバイスに対応しています。学習者は、お手持ちのデバイスでいつでもどこでも学習を進めることができ、利便性の向上や学習の継続率アップも期待できます。
使いやすさや多機能性、柔軟なカスタマイズ性など、eラーニング教材制作において非常に優れたツールであるiSpring Suite(MAX)は、企業にとって、効果的な学習コンテンツを生み出すための強力なサポートとなります。
>iSpring Suiteとは?eラーニング作成ツールでコンテンツ作成を手軽に行う5. まとめ
パワーポイントを活用したeラーニング教材の制作は、シンプルな手順ながらも効果的な学習コンテンツを生み出す有力な手段です。さらに、iSpringなどのツールを組み合わせることによって、教材のクオリティや学習効果が向上することも期待できます。
ヒューマンサイエンスでは、そんなパワーポイントを使ったeラーニング教材の制作を受託し、各企業さまのニーズに沿った高品質な教材を提供しています。また、お客様ご自身でのiSpringの導入から教材制作の代行や内製支援など、一貫したサポートも行っています。
eラーニングにおける豊富な実績と専門知識を活かした、ヒューマンサイエンスだからこそできるご提案を、ぜひご体験ください。
サービスの詳細はヒューマンサイエンスのeラーニングサイトからご確認いただけます。
>eラーニングコンテンツ制作
> パワーポイントからのeラーニングコンテンツ制作
>使い慣れたいつものPowerPointでリッチなeラーニング教材を作成
>iSpring社製品導入/作成代行支援
iSpring Suite / iSpring MAX の機能や使い方がわかる!iSpring徹底ガイド
アニメーション教材制作ツール「iSpring」の概要や使用方法についてご紹介しています。
この一冊でiSpringの概要が丸わかり。導入後の教材制作イメージもお持ちいただけます。
【内容】
- iSpring Suite/ iSpring Suite MAXとは
- iSpring Suite/ iSpring Suite MAXを使って教材制作をする方法
- iSpring Suite (MAX) の概要と活用方法
- iSpring Suite (MAX) の機能
- iSpring Suite (MAX) の具体的な使い方
- iSpring Suite (MAX) 認定リセラー
- ヒューマンサイエンスのご紹介
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