2026.02.16
Moodle AIを使ってみた!|最新機能・導入方法・注目プラグインを徹底解説

教育現場でAI(人工知能)の活用が急速に広がる中、世界中で利用されているLMS「Moodle」もAI機能の実装を本格化させています。本記事では、Moodle AIの最新機能から導入手順、実運用での注意点、注目のAIプラグインまで、Moodle運用の担当者が押さえておきたい情報を解説します。
1. Moodle AIの最新機能と特徴
近年、教育現場におけるAI(人工知能)の活用は急速に広がり、学習管理システム(LMS)の分野でも大きな変革が進んでいます。世界中で利用されているオープンソースLMS「Moodle」も例外ではなく、最新バージョンではAI機能の実装が本格化しています。
1-1. Moodle 4.5以降で使える標準AI機能
Moodle 4.5からは、OpenAI、Google Gemini、Azure OpenAIといった主要なAIサービスとのAPI連携が可能になりました。これにより、外部ブラウザを開かずともMoodle内で直接AI機能を利用できるようになり、教育現場での利便性の向上が期待されています。最新5.0までで利用できる主なAI機能は以下の通りです。
(1) AIによるコンテンツ生成(moodle4.5~)
テキストエディタにAIメニューが追加され、入力した指示文をもとに文章や画像を生成できます。コース概要文やページ本文、コース画像などを作成する際に利用できます。

(2) ページ要約機能(moodle4.5~)
要約機能ではページ内の情報をAIで要約できます。例えば、ブックモジュールやページモジュールで作成された長文のテキストにおいてAI要約の機能を使うと、アクセスした人がページの内容を素早く把握できるような要約が可能です。

(3) ページの説明機能(moodle5.0~)
説明機能ではページ内の内容に補足をしながらAIが説明をしてくれます。例えば鎌倉時代の主な出来事を箇条書きで示したページでAI説明を使うと、書かれた内容に補足を入れながら、鎌倉時代について詳しく説明をします。
検証:意図した生成結果を表示させるためには
AI説明を使う場合、意図した生成結果を出力してほしいと思う方もいらっしゃると思います。そんな時は、AIへの指示をページのどこかに分かりやすく記載してみてください。
例えば、ページ内に記載した文章の単語の意味を説明してほしいという場面を想定してみます。AIへの指示のため、文章の冒頭に「説明をする際には、(★)の単語の意味を最初に箇条書きで示してください」というテキストを入れてみたところ、AI説明で単語の意味を箇条書きに出力しました。

2. Moodle AIの導入方法|APIキー取得から設定まで
Moodle標準でAI機能(AIサブシステム)を利用するには、Moodle 4.5 以上が必要です。 4.5からOpenAIやAzureなどのAIプロバイダと連携できる機能が追加されました。 本記事では、OpenAI を例に、APIキーの取得方法とMoodle側での設定手順を解説します。
■ステップ 1:OpenAI アカウントの準備とAPIキーの発行
①OpenAIのAPIキー発行ページ(https://platform.openai.com/api-keys)にアクセスします。
②アカウントを作成(または既存アカウントでログイン)します。
③下記のような画面が開きます。画面右上の「Create new secret key」をクリックします。

④APIキーの名前を付け「Create secret key」をクリックすると、シークレットキーが発行されます。こちらがMoodleで設定する際に必要なAPIキーになりますので、保存をしておきます。※利用は有料となるため、支払い方法の登録も別途行います。

■ステップ 2:Moodle にAPIキーを登録する
①Moodleにログインして「サイト管理」>「一般」>「AIプロバイダ」をクリックします。
②「新しいプロバイダインスタンスを作成する」を押して、AIプロバイダプラグインをOpenAI、インスタンス名、OpenAI APIキーには先ほど取得したAPIキーを入力します。

③こちらでAIを利用する準備ができました。設定を有効化して利用を開始しましょう。
3. Moodle AI導入時の注意点
MoodleでAIを導入する際にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか?こんなはずじゃなかった!を防ぐためにもAIの導入に際しては以下の点に気を付けてください。
・AI 利用には使用料がかかる
Moodle は ChatGPT や Gemini といった AI を API キーを用いて連携します。AIの利用は便利である一方で、その処理に応じて利用料が加算されていきます。テキスト生成、ページ要約、AI説明といった機能を利用するたびに、OpenAI や Google Gemini の API 利用料が発生します。無制限に機能を利用すれば、当然ながら月額の API コストは増加していきます。
Moodle 5.0 では、API の課金状況を可視化できる管理メニューが追加されました。これにより、管理者は実際の利用料金をリアルタイムで把握し、予算管理を行うことが可能になっています。
無意味な導入は避け、まずは活用ができる場面を特定し、限定的な利用から始めることをお勧めします。

・データセキュリティとプライバシーの確保
AIの利用は便利な一方で、データセキュリティやプライバシーの問題をはらんでいます。現在接続可能なAIプロバイダはOllamaを除き、ネットを介してAIプロバイダからの回答を戻す形で機能します。送信後のデータの取り扱いやセキュリティは、設定したAIプロバイダのポリシーに依存することになりますので、導入の前には連携するAIプロバイダの利用規約を必ず確認しましょう。それらを確認した上で、組織としてどのAIサービスを利用するのか、どの範囲まで利用を許可するのかといったルールを定める必要があります。
・生成コンテンツの品質管理
AIが生成するコンテンツは、その性質上、常に正確性や信頼性が担保されているわけではありません。MoodleにAI機能を導入した場合でも、生成結果を自動的に信頼するのではなく、利用者自身が AIの特性を理解し、適切に扱うためのリテラシーが求められます。特に、生成内容の妥当性を人間が確認するプロセスは不可欠であり、その重要性を利用者にも周知する必要があります。
こうした運用を円滑に進めるためにも、利用開始前にサイト管理者が実証的な検証を行い、組織としての運用方針や確認手順を整備しておくことが望まれます。
・AIリテラシーの差を考える
AIは新しい技術であるため、利用者の習熟度には大きなばらつきが生じます。AIに慣れた教職員と、これから活用を始める教職員とでは、同じ機能を使っても得られる成果に差が出る可能性があります。特に、生成系AIはプロンプトの質によって結果が大きく左右されるため、適切な指示を与えられるかどうかが活用効果に直結します。
こうしたリテラシーの差を放置すると、AI活用の格差が組織内で拡大する恐れがあります。そのため、導入にあたっては、AIの基本的な使い方や注意点を共有する研修の実施、効果的なプロンプト例やテンプレートの提供、活用事例やベストプラクティスの継続的な共有といった取り組みが重要になります。組織として一定のガイドラインや支援体制を整えることで、利用者間のスキル差を緩和し、AI活用をより安定的かつ公平に進めることができるでしょう。
4. Moodle AI の今後の展望|Moodle公式コラムより
MoodleとAIの活用に関しては、多くの協力者や利用者が議論を行っており、今後の機能強化が検討されています。2025年12月16日に公開された Moodle公式コラムでは、Moodle LMS におけるAIの役割と今後の方向性が示されました。
公式方針の要点:
・基本機能は人間中心:MoodleはAIに依存せず、基本機能は人間中心で提供される
・自由な AI 活用:AIの使い方は自由であり、教育者や組織が必要に応じて選択できる
・慎重な導入:AIは避けられない存在だが、導入は慎重に行い、現場の実態を尊重する
・オープンソースの強み:世界中の開発者が新しいAIプラグインや統合機能を開発している
・柔軟なAI活用:予算や環境に関わらず、それぞれの状況に合った形でAIを活用できる
>Field Notes: Where AI meets learning in Moodle LMS:
https://moodle.com/news/field-notes-where-ai-meets-learning-in-moodle-lms/
つまり、MoodleのAIへの考え方は「AIを教育の中心に据える」のではなく、まず利用者自身がどのような学習を行うかという点を重視し、その上で必要な場合にAIを選択的に活用できるようにするというものです。標準機能としてAIが自動でコースを作成したり、採点や学生とのコミュニケーションを担うのではなく、教育者や組織が望むときにプラグインや外部サービスを通じて利用できる環境を整えることが基本姿勢です。Moodleはオープンソースの柔軟性を武器に、画一的なAI利用を押し付けるのではなく、利用者の目的や状況に応じてAIを活用できる仕組みを提供していく姿勢がこのコラムから読み取ることができます。
5. Moodle AIの最新プラグイン紹介
ここまでで現在のMoodle標準で使えるAI機能と今後の展望についてみていきましたが、Moodleのプラグインライブラリにも世界中の多数の協力者によるAI関連のプラグインが多く投稿されています。特に、チャットボットとテスト問題の自動作成に関しては、複数のプラグインが投稿されており、Moodle利用者から注目されている状況が見えます。
こちらでは、MoodleのプラグインディレクトリからAI関連でダウンロード数が多いプラグインについてご紹介します。※こちらで紹介するプラグインをインストールする場合は自己責任でお願いいたします。弊社ではそれによるいかなる問題も責任も負いません。
5-1. OpenAI ChatBlock(チャットボット)

こちらはMoodle内にAIによるチャットボットを設置できるプラグインです。OpenAIのAPIキーを登録することで利用が可能です。
ダウンロードURL:https://moodle.org/plugins/block_openai_chat
▶実際に使ってみた!
プラグイン一覧からインストールをして設定を行うと、ブロックにAIチャットが表示されます。
この状態ですとただchat gptがMoodleの画面に合体したような状態です。例えば、「課題の追加方法を教えて」と言っても、Moodleの操作を教えてはくれません。「Moodleの課題の追加方法を教えて」と伝える必要があります。
OpenAI ChatBlockは、「信頼できる情報限」として、テキスト形式で情報を登録することができます。例えば、よくある質問やマニュアルのテキストを貼り付けることで、そこを参照して回答させることが可能です。
教職員からのMoodleに関する操作の質問に時間がとられている担当者も多く、よくある質問をチャットボットが自動的に答えてくれるのであれば、楽だなぁ…と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?例えば、設定が分かりづらい小テストの穴埋め問題について、信頼できる情報限に記述方法を設定することで、画像のような回答を得ることができました。試行錯誤が必要ですが、FAQ用のチャットボットとしては一部利用ができそうと思われます。

>教員からの問い合わせを代行!ヒューマンサイエンスのヘルプデスク代行事例:
5-2. Generative AI Question Bank(問題自動生成)

こちらもOpenAIのAPIキーの登録で利用が可能です。コース内にアップロードされたPDFやWordの情報から、自動で問題を問題バンク内に生成します。
ダウンロードURL:https://moodle.org/plugins/qbank_genai
▶実際に使ってみた!
プラグイン一覧からインストールをして設定を行うと、コース画面の「さらに」から「問題を生成する」というメニューが追加されます。コースにアップロードされた資料を選択し、「問題を生成する」ボタンをクリックして待ちます。

専用のカテゴリが追加されて、問題が10問生成されました。下記イメージでは鎌倉時代に関するテキスト資料を元に「鎌倉時代はどのようにして始まったか?」「平氏は何年に滅ぼされたか?」といった多肢選択問題が生成されているのが分かります。

6. まとめ|人間中心のアプローチでMoodle AIを活用する
Moodle 4.5以降、AI機能が段階的に実装され、教育現場での活用が広がっています。ただしMoodleのAIにおける姿勢は「強制」ではなく「選択肢」として位置づけられ、導入の判断は各教育機関に委ねられています。成功のポイントは、効果が期待できる機能から段階的に導入し、コスト管理とセキュリティポリシーをしっかり整備することです。また、利用者のAIリテラシー向上のためのベストプラクティスの共有も欠かせません。
Moodleはオープンソースの柔軟性を活かし、プラグインによって各組織のニーズに応じた機能を追加可能です。今後も「利用者が必要に応じてAIを活用できる環境」を整備する方針の下、教育と学習の可能性を広げるツールとして進化していくと考えられます。
Moodle本部(Moodle HQ)と直接連携し、最新情報の共有や機能改善の要望を伝えることができるMoodle認定パートナーのヒューマンサイエンスでは、Moodleの導入や活用、運用に関するご相談を受け付けています。
Moodleに関するお困りごとやご検討事項がございましたら、お気軽にヒューマンサイエンスまでお問い合わせください。
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