eラーニングブログ

Blog

2024.07.24

Vyond
教材作成

【実践事例】ChatGPTとVyond GOでeラーニングをカンタン/リッチに作成する方法

  • カテゴリ

  • おすすめ記事

  •  

    Moodle導入支援・運用サービス
    eラーニング教材制作サービス

    企業教育をはじめとする各種教育では、常に新しい技術や方法を取り入れて、より効果的な学習を提供することが求められています。その中でも、AI技術の進化は教育コンテンツの作成に大きな変革をもたらしています。AI技術を活用することで、より簡単に、そしてリッチな教育コンテンツ(eラーニング)を作成することが可能になっています。

    AIの活用として、「ChatGPT」と「Vyond GO」というツールを使用した教育コンテンツ作成(弊社の社内教育コンテンツ)の実践事例を基に、その具体的な方法と効果について解説します。

    ※本記事は、2024年に開催したセミナー「AI活用で教育コンテンツはここまでカンタン/リッチに」の内容を要約してお送りします。

    ※本記事では、ChatGPTとCopilotを区別せずに記載している箇所があります。


    1. ChatGPTとVyond GOの紹介

    ChatGPT

    ご存じの通り、対話型でテキストを生成するAIツールです。例えば、教育コンテンツのスクリプトを作成する際、簡単なプロンプト(指示文)を入力するだけで、詳細なテキストを自動生成してくれます。

    Vyond GO

    Vyondというサービスの機能の一つです。Vyondはアニメーションを簡単に作成できるツールです。Vyond Goには、AIが組み込まれていて、プロンプト(指示文)を入力するだけで、アニメーション(キャラクターや音声を含む)を自動生成してくれます。

    2. AI活用のメリット

    AIを活用して教育コンテンツを制作するメリットは以下の通りです。

    効率化と自動化

    AIを活用する最大のメリットは、コンテンツ作成の効率化と自動化です。従来、教育コンテンツを作成するには多くの時間と労力が必要でした。しかし、上述したように、ChatGPTのような対話型AIを使用することで、テキストの生成や編集が瞬時に行えるようになり、作業時間を大幅に削減できます。また、Vyond GOを使用することで、アニメーションの自動生成が可能となり、視覚的に魅力的な教材を簡単に作成できます。

    データの保護

    AIツールを使用する際に重要なのはデータの保護です。ChatGPで学習データとしての利用をオフに設定するか、Microsoft 365と契約している場合、ChatGPTと同等のCopilotを使用することで、データが安全に保護された状態で利用できます。これにより、企業や教育機関の機密情報を守りながら、効果的なコンテンツを作成することができます。

    3. 教育アニメーションの効果

    eラーニングなどの教育コンテンツは、「つまらない」「なにも残らない」と言われることが多々あります。教育にアニメーションを使用する効果として以下の3つを挙げることができます。

    興味関心の向上

    アニメーションは視覚的に魅力的で、学習者の関心を引く効果があります。特に、モチベーションが低い学習者に対して、興味を引き出し、学習意欲を高めることができます。

    理解や記憶を深める

    伝えたいことや思いを、体験談やエピソードなどの物語を利用して印象付けるストーリーテリングは、教育の現場で非常に効果的な手法の一つで、学習内容を記憶に残りやすくする効果があります。アニメーションでストーリーテリングを活用することで、学習者に共感を呼び起こし、知識の定着や行動変容を促すことができます。

    エンゲージメントの向上

    教育コンテンツの質を高めることで、学習者とのエンゲージメントを向上させることができます。特に、企業内教育においては、質の高いコンテンツが従業員のスキル向上やエンゲージメントの向上に寄与します。

    4. 実践事例:情報セキュリティ教育コンテンツの作成

    ChatGPT(実際には概ね同等の機能を持つCopilotを使用しています)とVyond GOを使用して、弊社の情報セキュリティに関する教育コンテンツをどのように作成したのかをご紹介します。

    ■企画

    今回、情報セキュリティコンテンツを作成するにあたり、まず、前年度の教育内容やアンケート結果を基に改善点を洗い出しました。前年は簡易的な教育を実施した結果、受講者の満足度が低く(受講の負担は小さかったものの)、実際にインシデントも発生してしまいました。これらの課題を踏まえ、今年度はより実践的で効果的なコンテンツを作成することにしました。

    ■コンテンツの作成

    1. ストーリーの生成:ChatGPTを用いて、情報セキュリティインシデントを基にしたストーリーを生成しました。しかし、一度の指示文で、こちらが想定していたストーリーが生成されなかったので、数回にわたり、指示文を変えて、ストーリーを再生成しています。その後、生成されたストーリーを元に、会話を中心としたダイアログをCopilotで生成しました。最後に、生成されたダイアログを手作業で調整して、情報セキュリティ教育コンテンツの内容を完成させました。

    2. アニメーションの生成:Vyond GOを使って、上記で生成したストーリーに基づいたアニメーションを自動生成しました。音声から、ズームやカット割りに至るまで一気に完成に近い状態で生成することができましたが、気になる箇所もあったので、手作業で調整しています。

    3. 解説の作成:アニメーションに対する解説をPowerPointで手作業で作成しました。アニメーションの中で何がポイントだったのか、何を気を付けるべきだったのかを整理しました。これは、アニメーションで描かれたストーリーの重要なポイントや注意点を補足するもので、学習者が理解を深めるための資料として作成しました。
    ※ポイントの整理にもCopilot/ChatGPTを利用することもできます。

    4. クイズとクイズ解説の作成:情報セキュリティに関するクイズをChatGPTで生成しました。社内規約をChatGPTに読み込ませ、これをクイズにしてください、という指示を出しました。生成されたクイズは、100%そのまま利用できるものではないので、手作業で調整し、iSpringやArticulateなどのツールを用いて、実際に動くコンテンツとして仕上げました。

    5. アンケートの作成:コンテンツに対する満足度や理解度を測るためのアンケートをChatGPTで作成しました。対象者と目的を入力して、まずはどのような尺度での評価が考えられるかを生成し、最終的にアンケート案を生成させました。これにより、網羅性の高いアンケート案が生成されましたが、こちらも細かい箇所は手作業で修正しました。その後、MS Formsを用いてアンケート形式に落とし込み、受講者からのフィードバックを集計できるようにしました。

    5. ChatGPTとVyond GOを使用する場合のTips

    上記のようにしてコンテンツを作成してみて、AI(ChatGPTとVyond GO)を使用する際に気を付けるべき点や役立つことをご説明します。

    セキュリティに注意する

    AIやクラウドサービスの使用について社内規約などで定められていれば、それをベースに活用を進めていくことができます。規約などが無い場合にも、体験版や無料契約のAI等の活用は推奨しません。AIにデータが流用されないかなど、サービスの利用規約を十分に確認する必要があります。

    アイデア生成程度とし、必ず手を加える

    ChatGPTで生成したものは、アイデア生成程度のものというのが現実的です。そのまま使用することは基本的にほぼあり得ません。必ず人がチェックして、手を加える必要があります。また、生成された内容に嘘が入っていないか、見抜く知識も必要です。

    しっかり検証する

    Vyond Goで生成されたアニメーションも、ChatGPTと同じ理由で、しっかり検証する必要があります。

    プロンプトを調整/会話をリセットして再生成する

    求める回答が得られないときや、その回答に不安があるときは、プロンプトを調整して指示文を変えたり、または会話をリセットしたりして再生成すると、結果が変わることがあります。

    6. 実践事例を通して実証されたAI活用による効果

    上記の情報セキュリティ教育コンテンツ作成の事例を通して、AIを活用することで、次の2つの効果が実証されました。

    効率化:

    ChatGPTとVyond GOの活用により、コンテンツ作成の効率が大幅に向上しました。アニメーションの制作は従来の方法に比べて約20%の工数削減が実現しました。クイズ・解説の作成も、40%の工数が削減でき、アンケートの作成も1人日かかる予想のところが2時間程度で行うことができて、全体の工数を大幅に削減できました。しかし、作業に慣れれば、もっと効率化できると考えています。

    質の向上:

    AI技術を活用することで、質の高い教育コンテンツを作成することができました。特に、クイズは、手作業でゼロから作成すると、引っ掛け問題を作成したり、誤字脱字があったりなど、色んな問題が生じますが、ChatGPTを使用することで、作成者が第三者視点でレビューできるので、精度の高いクイズを作成することができました。
    ※当然、別途第三者チェックも行っています。

    7. まとめ

    AI技術を活用することで、教育コンテンツの作成は飛躍的に効率化され、質の高い学習体験を提供することが可能になります。ChatGPTとVyond GOを組み合わせることで、短時間で魅力的な教育アニメーションを生成し、学習者の興味を引き出し、効果的な教育を実現することができます。教育の現場でAI技術を積極的に活用し、未来の人材育成に役立てていきましょう。

    ヒューマンサイエンスでは実写動画だけでなく、アニメーション動画制作の実績が多数あります。また、Vyondによるアニメーション動画制作代行サービスも提供しており、2023年にVyondの認定リセラーとなりました。ヒューマンサイエンスを通してVyondを導入するメリットをご紹介します。

    ・サポートの充実
    購入前後の手続きサポートはもちろん、トレーニング講座のご提供、Vyond提供元とのやり取り(英語)や、お客様のご要望に対する教育コンテンツの提案から制作までをサポートできます。
    > Vyond(アニメーション制作)販売

    ・eラーニング制作の実績が多数あり
    ノウハウを活かした効果的なアニメーション制作代行もVyondに限らず、これまで多くの実績があります。
    > Vyond アニメーション制作代行

    アニメーション動画を利用した教育コンテンツの充実は、今後さらにその必要性を増していくと考えています。それに比例して、今後も様々なアニメーション動画制作ツールが登場し、その機能も充実していくと予想できます。AIの活用も進みます。そのような状況の中で、Vyondはアニメーション教材作成に最適なツールとして、世界中でさらに活用されていくことでしょう。この有用なツールを、さらに多くの企業様で活用いただくため、ヒューマンサイエンスでは、2週間の無料トライアルを実施しています。お気軽にご相談ください。

    また、ヒューマンサイエンスでは、教育コンテンツの内製支援からアニメーション動画や教材の制作代行まで、教育コンテンツに関連する様々なサービスを提供しています。ぜひご相談いただければと思います。Vyondを利用した制作はもちろん、それ以外の様々なツールにも対応しています。
    > ヒューマンサイエンス:eラーニングサービス

    さらに、ヒューマンサイエンスでは、様々な製品やサービスのマニュアル制作の実績も多数あります。その中にはマニュアルに付随するものとして製品やサービスの紹介動画や、ユーザー教育コンテンツの制作実績もあります。このようにマニュアルやトレーニングテキストの提案・制作から、教育コンテンツの提案・制作まで、ワンストップでの対応も可能です。お気軽にご相談ください。

    > ヒューマンサイエンス:マニュアル制作サービス
    > Moodle導入支援・運用
    > eラーニング教材制作
    > eラーニング教材翻訳(多言語対応、ローカライズ)