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2020.12.04

2024.10.08

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eラーニング教材の作り方① ~種類ごとのメリット、デメリット~

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    withコロナの時代に突入し、これまでの社内教育について見直しをご検討されているご担当者様もいらっしゃることでしょう。

    たとえば、集合研修をeラーニングに切り替えるのも選択肢のひとつなのではないでしょうか。

    ここでは、eラーニングの実施にチャレンジしてみたいが、何から始めればいいかわからない、教材はできるだけ内製したい、という方向けに、下記についてご説明いたします。



    1. eラーニングに必要な「システム」と「教材」

    eラーニングとは、パソコンや携帯端末を使い、インターネットなどを通じて行う学習のことです。eラーニングの実施には、配信用の「システム」、およびコンテンツとなる「教材」が必要です。

    eラーニングの配信システムのことをLMS(Learning Management System)*といいます。
    LMSに搭載すると、次のようなことができます。

    1. ・学習者ごとにIDを発行し、個別の履歴を記録
    2. ・学習者別の教材の割り当て(管理者向け、技術職向け等)
    3. ・教材ごとの学習状況の管理(学習時間、テストの成績等)
    4. ・学習期間の設定
    5. ・受講率・学習時間・正答率などの統計データ取得

    *現在では、教育に特化したLMSではなく、人事情報と関連付けて管理する「タレントマネジメントシステム」が主流になりつつあります。

    ただし、eラーニングを実施するにあたり、LMSは必須ではありません。LMSの導入にはコストも時間もかかります。
    教育の実施に緊急性があったり、まずは簡易にeラーニングを実施したい、といった場合には、LMSを介さない方法もあります。
    学習履歴の取得は難しくなりますが、社内・グループ内の共有サーバや、企業様内ポータルサイト等に教材データを置いておけば、オンラインでの学習は可能です。
    または、DVD等を作り、配布することもできます。

    2. 教材の形式と適している題材

    ここからは、教材にフォーカスしてご説明していきましょう。

    教材にはさまざまな形式があります。
    紙のテキストをそのままPDFなどの形式にしたような、ごくシンプルなものから、キャラクターが登場するアニメーションが凝った動きを見せながら進むリッチなもの、受講者がクリックやドラッグなどの操作を行う必要があるもの、実写動画で構成されているものなどさまざまです。

    弊社で制作のお手伝いをすることが多い教材の形式は3種類です。

    • 1) アニメーション(html5形式)
    • 2) 映像・ビデオ形式
    • 3) パワーポイント、PDF

    それぞれの形式にメリット・デメリットがあり、表現的に向いている題材があります。
    それぞれの特徴を見ていきましょう。

    1) アニメーション(html5形式)



    特徴 アニメーション形式の教材。
    イラストやアニメーションを使って解説。
    受講者が教材内で操作を行うなども可能(クイズ、ポップアップ表示、シミュレーション)。
    代表的なソフト AnimateCC、iSpring、Articulate Storyline等
    メリット ・表現力豊かで、理解を助けたり、強く学習動機付けが可能なリッチコンテンツを作成できる
    ・実写では再現は提示が難しい事項を表現できる
    デメリット 工数とコストがかかる傾向が強い
    向いているテーマ ビジネススキルや分析手法、画面操作手順、機械の仕組みなどの解説
    教材例 ・複数の部署をまたがる業務手順
    ・事故事例
    ・ハラスメント系のNG事例
    ・自動車のエンジンなど機械の仕組みや動き
    ・業務システムの画面操作(シミュレーション)

    関連コラム:eラーニング教材の作り方② ~アニメーション編~
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    2) 映像・ビデオ形式



    特徴 ビデオカメラやスマートフォンで撮影した映像を編集。
    映像に加えて、説明を補足する字幕やキャプションを入れたりして作成。
    代表的なソフト Adobe Premire Pro、Final Cut Pro 等
    メリット 動画ファイル形式のため、学習する際、パソコン・スマートフォンなどの媒体を選ばない
    デメリット ・修正するには撮影が必要となるため、修正が気軽にできない
    ・ファイルサイズが大きくなる傾向が強い(通信回線の高負荷、再生の遅延が起こりやすい)
    向いているテーマ 言葉で解説するよりも実物を見た方がより分かり易い場合
    教材例 ・機器の操作方法(特に複雑な操作手順)
    ・工事の際の工具の使い方
    ・集合研修で行っていた技術研修を記録し教材化

    3) パワーポイント、PDF

    特徴 パワーポイント形式、PDF形式のファイルをeラーニング教材として利用。
    既存の資料をそのまま流用する場合と、既存の資料をベースに再構成する場合がある(口頭で解説している内容を解説テキストやナレーションとして追加するなど)
    代表的なソフト Microsoft パワーポイント、Adobe Acrobat、iSpring 等
    メリット ・取り扱いやすい
    ・修正しやすい
    ・制作期間が短いので配信までが早い
    ・コストや工数がかからないことが多い
    デメリット 受講者の学習意欲によっては履修率や理解度が低くなることがある
    向いているテーマ ・更新頻度が高い教材
    ・時間優先、コスト優先の教材
    ・技術情報やマニュアルとして活用したい事項
    教材例 法律関連など更新頻度の高い教材
    ルールの説明や比較的簡易な業務手順などを素早く周知する場合
    業務上必須の知識やマニュアル(辞書的な使い方が想定される場合)

    3. 既にある社内資料の活用方法

    既に社内資料としてパワーポイントファイルやPDFファイルをお持ちの場合、それをベースに、各形式の教材を作成することもできます。
    上で述べているとおり、資料が扱っているテーマによって向き・不向きがありますが、それぞれ以下のようなイメージです。

    アニメーション形式にするには、パワーポイントやPDF上で、文字で提示されている情報を図式化したり、イラストを追加したり、アニメーション効果を付けます。
    ナビゲーションキャラクターなどをデザインして、親しみやすさをプラスすることもできます。
    また、アニメーションに合わせたナレーションを作成し、よりリッチなコンテンツとして仕上げることもできます。

    映像・ビデオ形式にするには、既存資料で説明している事項を実際に撮影したり、解説をする講師の姿を撮影し、編集を行います。
    ただし、この形式の教材に限っては、撮影できるものがテーマになっている、または、出演する講師が用意できる場合のみ対応可能です。
    講師の姿を撮影する場合は、画面内でパワーポイント等のスライドと、講師の姿を合成することもできます。


    パワーポイント、PDF形式にするには、既存資料をそのまま流用できます。その際、分かりにくい箇所や、eラーニングとして、画面上で閲覧するには文字が小さすぎる箇所などを修正すると、より学習しやすい教材にできます。 パワーポイントのアニメーション効果を利用したり、ナレーションを追加したりすることも可能です。

    次回からは、各形式のeラーニング教材の制作方法について具体的にご説明します。

    執筆者:

    佐瀬 志津子

    教育ソリューション部 制作グループ ライター
    ヒューマンサイエンス入社後、テクニカルライターとして、
    製品マニュアルや業務マニュアルの設計・ライティングを経験。
    その後、eラーニング教材の原稿の執筆と制作ディレクションに従事。
    これまで約200本に及ぶ教材の制作に携わる。

    お問合せ先:

    電話番号 : 03-5321-3111
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